海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン5第20話は、家族そろってオーストラリアを旅する回です。旅を楽しみにしていたフィルですが、旅先でちょっとした災難が重なり、周りから気づかわれる場面が何度か出てきます。
「大丈夫?」と聞くときも、相手が家族か初対面の人かで、英語の言い方に違いが出ます。今回は、気づかう側の声のかけ方と、聞かれた側の返し方を、3つの場面から見ていきます。
「No worries.」と「I’d be a little worried.」
旅先で口元の異変を周りから指摘されたフィルは、こう答えます。
Phil: No worries.
(心配無用!)Jay: I’d be a little worried.
(俺なら少しは心配するがな。)Modern Family Season5 Episode20 (Australia)
No worries. は「心配しないで」「大丈夫」という意味の短い返事です。気づかわれたときの答えとしてだけでなく、お礼や謝罪への「どういたしまして」「気にしないで」の返事としても使われることがあります。
ジェイの I’d be a little worried. は I would の短縮形を使った言い方で、「俺だったら」という仮定を含んでいます。相手の worries に、同じ語の形を変えた worried で返しているのがポイントです。
a little を添えることで、「心配しろ」と言い切らずに、控えめに異を唱える形になっています。楽観的な相手に「本当に大丈夫?」と言い返したいとき、正面から否定せずに使える一言と言えます。
なお、worries は名詞の複数形、worried は「心配している」という形容詞です。同じ語のつながりで会話がかみ合うので、聞き取りの手がかりにもなります。
「Are you okay?」家族が本人を気づかう
別の場面で、グロリアがフィルに声をかけます。
Gloria: Are you okay, Phil?
(大丈夫、フィル?)Phil: Yeah, yeah, I’m fine.
(うん、うん、平気だよ。)Phil: I just wish Claire was here to see all this.
(ただ、クレアにもこれを全部見せたかったなあ。)— Ah.
(ああ。)Phil: Plus, my foot’s twice its normal size, and the mosquitoes are really going after my jellyfish bites.
(それに、足は普段の倍に腫れてるし、蚊がクラゲに刺されたところばかり狙ってくるんだ。)Modern Family Season5 Episode20 (Australia)
Are you okay? は、目の前の相手本人の体調や気持ちを尋ねる基本の形です。最後に相手の名前を添えることで、ほかの誰でもなく相手個人に向けた気づかいだとはっきりします。
フィルは Yeah, yeah, I’m fine. と答えたあと、I just wish ~ で残念に思っていることを口にします。wish の後ろの was は仮定の形で、「いまここにいない」クレアへの思いを表しています。Yeah, yeah と yeah を重ねる答え方は話し言葉でよく見られ、気軽な調子で返す響きがあります。
さらに Plus, 「それに」で、足の腫れや虫刺されを付け足していきます。twice its normal size は「普段の倍の大きさ」という倍数の言い方、go after は「〜を狙う」です。I’m fine. と言った直後に困りごとが並んでいく流れから、返事の言葉どおりには受け取れない様子が読み取れます。
- A: Are you okay? You look tired.
(大丈夫? 疲れてるみたいだけど。) - B: I’m fine. I just wish I’d slept more last night.
(平気。ただ、ゆうべもっと寝ておけばよかったな。)
「Everything okay here?」近くにいた人が声をかける
さらに後の場面では、近くにいた男性がフィルに声をかけます。
Wise Australian: How’s it going?! Everything okay here?
(調子はどうだい?! 何かあったのか?)Phil: Not really.
(あんまり。)Wise Australian: You don’t mind me saying, you look a bit beaten up.
(こう言っちゃなんだが、ちょっとボロボロに見えるぞ。)Phil: Yeah.
(ああ。)Modern Family Season5 Episode20 (Australia)
Everything okay here? は Is everything okay here? の is を省いた形で、話し言葉ではよく見られます。here が付くことで、相手本人だけでなく「この場で何か起きていないか」と、状況全体を確かめる聞き方になります。事情を知らない人が声をかけるときに使いやすい形です。
Are you okay? が相手の体や気持ちに焦点を当てるのに対し、Everything okay? は周りの出来事も含めて尋ねるため、何が起きたか分からない段階の最初の一言に向いています。直前の How’s it going?! は本来「調子はどう?」というあいさつで、ここでは声をかけるきっかけとして使われています。
フィルの Not really. は「あまり(大丈夫じゃない)」という短い否定で、No とだけ言うよりやわらかく響きます。
You don’t mind me saying, ~ は「こう言ってはなんだけど」と、言いにくいことの前に置く前置きです。If you don’t mind me saying の形で使われることもあります。look a bit beaten up は「look +形容詞」で見た目を伝え、a bit で印象を和らげています。
| 表現 | 誰が・何を尋ねるか |
|---|---|
| Are you okay? | 身近な人が、相手本人の具合を尋ねる |
| Everything okay here? | 事情を知らない人が、その場の状況を確かめる |
| No worries. / I’m fine. | 心配いらないと答える |
| Not really. | あまり大丈夫ではないと答える |
まとめ|気づかう言葉と返す言葉
相手本人に向ける Are you okay? と、場の状況ごと確かめる Everything okay here?。答える側にも No worries.、I’m fine.、Not really. と幅があり、フィルの災難をめぐる会話からその使い分けが見えてきます。
旅先の小さな騒ぎを観ながら、気づかいの英語に耳を澄ませてみましょう。
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