もらった贈り物が気に入らないとき、本音を伝える英語|『モダンファミリー』S05E19で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: もらった贈り物が気に入らないとき、本音を伝える英語|『モダンファミリー』S05E19で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン5第19話では、式の準備を進めるミッチェルとキャメロンのもとに、キャメロンの父から手作りの贈り物が届きます。ウエディングケーキの上に飾る人形ですが、ミッチェルはこれが気に入りません。

今回は、贈り主の家族を前にして本音を隠す返しから、本音が一気に出る一言、そして取り決めを使って折り合う言い方までを、場面の順に見ていきます。

目次

「I really think I could.」本音をにじませる返し

包みを受け取ったキャメロンは、中身を見て感激します。

Cameron: Couldn’t you just die?
(もう、死んじゃいそうだろ?)

Mitchell: I really think I could.
(本当に死ねそうな気がするよ。)

Cameron: My dad made this.
(父さんが作ったんだ。)

Cameron: He’s a world-class soap carver.
(世界レベルの石けん彫刻家なんだよ。)

Modern Family Season5 Episode19 (A Hard Jay’s Night)

Couldn’t you just die? は「たまらないでしょ?」「感激で死にそう」という気持ちを表す、くだけた感嘆の言い方です。ミッチェルはこれを文字どおりに受けて I really think I could.(本当に死ねそう)と返します。同じ言葉を使いながら、喜びではなく「嫌でたまらない」という本音をにじませる返しになっているのが面白いところです。

贈り主の家族を前にして「気に入らない」とは言いにくいとき、相手の言葉に乗る形で返せば、その場の空気は壊れにくくなります。その一方で、相手が文字どおりの意味に気づけば、本音がそのまま伝わってしまう返しでもあります。

ミッチェルがその場で却下しなかった理由は、本人の説明で分かります。

Mitchell: Oh, I would have nixed that wedding topper immediately, but Cam and I have an agreement.
(あのケーキの飾り、すぐにでも却下したかったよ。でも、キャムと僕には取り決めがあるんだ。)

Mitchell: We– we each got three vetoes of each other’s wedding ideas– no questions asked.
(お互い、相手の式のアイデアに3回ずつ拒否権を使える。理由は聞かないってね。)

Mitchell: And it– it worked for a while.
(で、しばらくはそれでうまくいってたんだ。)

Modern Family Season5 Episode19 (A Hard Jay’s Night)

nix は「却下する・はねつける」という意味のくだけた動詞です。veto は「拒否権」、また「拒否権を使って却下する」という動詞としても使われます。no questions asked は「理由は問わずに」という決まった言い方で、返品の条件などでも目にする表現です。worked for a while は「しばらくは機能していた」で、今はそうではないことをほのめかしています。

「I hope it’s not completely ruined」から「I hate it!」へ

のちに人形が水に濡れたと分かった場面で、ミッチェルはこう口にします。

Mitchell: Well, I hope it’s not completely ruined forever.
(まあ、永遠に台無しになってなきゃいいけど。)

Cameron: Oh, no.
(まさか。)

Cameron: Are you kidding me? My daddy uses a special shellac on this thing.
(冗談だろ? パパはこれに特別なニスを塗ってるんだ。)

Cameron: This is water-resistant, heat-resistant– you name it.
(水にも熱にも強い。何でもござれさ。)

Modern Family Season5 Episode19 (A Hard Jay’s Night)

I hope it’s not ~ は相手を気づかう形の言い方ですが、completely や forever まで重ねると大げさに響きます。最初に却下したかったと語っていたことを踏まえると、心配の言葉とは裏腹の気持ちが透けて見えるとも読めます。キャメロンは額面どおりに受け取り、you name it(何でも言ってみて=何にでも強い)と父の仕上げを自慢します。

さらにあとの場面で、キャメロンが人形の型を取り、複製を作って配りたいという計画を話すと、ミッチェルの本音が一気に飛び出します。

Mitchell: No! No! No! Absolutely not! I hate it! It’s awful!
(だめ! だめ! だめ! 絶対にだめ! 大嫌いだ! ひどいよ!)

Cameron: I knew it! I knew it! It just shows up in Lily’s bath, and then, all of a sudden, the dog has it? You have it in for this beautiful topper.
(やっぱりな! やっぱりそうだ! リリーのお風呂に紛れ込んだと思ったら、今度はいきなり犬が持ってるだって? 君はこの美しい飾りを目のかたきにしてるんだ。)

Modern Family Season5 Episode19 (A Hard Jay’s Night)

Absolutely not! は「絶対にだめ」と、はっきり拒むときの強い一言です。キャメロンの I knew it! は「やっぱり」と、前から疑っていたことが当たったときの言い方で、have it in for ~ は「〜を目のかたきにする」という意味になります。

キャメロンは、お風呂の件と犬の件という二つの出来事を並べてから、You have it in for ~ で結論を言っています。I knew it! で切り出し、根拠を挙げ、最後に言い切るという順序は、相手を問い詰める場面の型として参考になります。ここでのキャメロンの言葉は、あくまで疑いとして口にされたものです。

「one more veto」条件をつけて折り合う

言い合いのあと、ミッチェルとキャメロンはこんなやりとりをします。

Mitchell: Well, no, that doesn’t seem fair.
(いや、それは不公平な気がするよ。)

Mitchell: I’ve used up all my vetoes.
(僕は拒否権を使い切っちゃったんだから。)

Cameron: Well, if it– I guess, if it makes you feel better, I could give you one more veto— if you give me one more, too.
(じゃあ、もし……そうだな、それで気が済むなら、拒否権をもう1回あげてもいい。君も僕にもう1回くれるならね。)

Modern Family Season5 Episode19 (A Hard Jay’s Night)

that doesn’t seem fair は「それは公平じゃない気がする」と、seem を挟んで言い方を和らげた形です。use up は「使い切る」で、取り決めの枠をすでに使い果たしたことを伝える一言です。

キャメロンの if it makes you feel better は「それで気が済むなら」と、相手の気持ちを優先する前置きです。そのうえで if you give me one more, too と自分の条件も添えます。一方的に譲るのではなく、お互いに同じものを差し出す形にすることで、話を対等に収めようとしているのが分かります。

最初の I really think I could. のように本音を冗談に包む段階から、I hate it! と口に出す段階、そして条件つきで折り合う段階まで、同じ人形をめぐって言い方が少しずつ変わっていきます。

表現 場面での働き
Couldn’t you just die? 感激を伝える
I really think I could. 同じ言葉で本音をにじませる
nix / veto 却下する・拒否権
I hope it’s not ~ 気づかう形の一言
Absolutely not! / I hate it! はっきり拒む
I knew it! / have it in for ~ 疑いが当たったと言う
if it makes you feel better 相手の気持ちを優先して申し出る

まとめ|本音を隠す言葉と、口に出す言葉

I really think I could. や I hope it’s not completely ruined のように本音をにじませる言い方、I hate it! とはっきり伝える言い方、そして one more veto で折り合う言い方。贈り物への本音をめぐって、英語の距離の取り方が段階ごとに見えてきます。

『モダンファミリー』を観ながら、気持ちの言い分けを拾っていきましょう。

この回の別の場面の英語は、ほかのコラムやフレーズ記事でも扱っています。

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