「blow through something」の意味と使い方|『モダンファミリー』S05E19で学ぶ英会話

「blow through something」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

決まった量しかないはずのものを、気づいたらあっという間に使い切っていた、という経験はありませんか。

そんなときにぴったりの「blow through something」を、『モダンファミリー』シーズン5第19話の中盤、ジェイがミッチェルに向けて「あの拒否権を使い切るべきじゃなかった」と指摘する場面から、一緒に見ていきましょう。

目次

「blow through something」の意味とニュアンス

blow through something
意味:(お金・時間・限られた回数などを)あっという間に使い切る

blow through somethingは、限りのあるお金や資源、機会などを、深く考えずにどんどん使って底をつかせてしまうことを表す表現です。blowは「吹く」、throughは「通り抜けて」という意味で、風が家の中をびゅっと吹き抜けていくように、手持ちのものが勢いよく通り過ぎてなくなる様子を思い浮かべると意味がつかめます。

使い方の基本は、blow through + 使い切るものという形です。blow through my savings(貯金を使い果たす)、blow through the budget(予算を使い切る)のように、後ろに置く名詞が「使い切られたもの」にあたります。過去分詞にして、You shouldn’t have blown through 〜と言えば、「〜を使い切るべきじゃなかった」という後悔や指摘の言い方になります。

似た意味の言葉と比べると、消費の速さと、やや軽率な響きが目立ちます。単にゼロになったという事実だけでなく、「あっという間に」「勢いよく」という速さと、もう少し考えて使えばよかったという含みが伴いやすい表現です。お金だけでなく、時間、休暇、許可された回数など、あらかじめ量や回数が決まっているものにも使えます。

日本語にするときは、「使い果たす」「使い切る」「あっという間に使ってしまう」などが目安です。字面どおりの「吹き抜ける」と訳すと、風の話に聞こえてしまうため、後ろに置かれた名詞が、お金や回数のように使うと減るものなのかを確認するのがコツです。

【ここがポイント!】

  • 「blow through something」の核は、風が吹き抜けるように手持ちのものをあっという間に使い切るイメージ
  • blow through + 使い切るものの形で、お金や時間、回数などに使える表現
  • 消費の速さと、やや軽率な響きを含んだ使い切り方を表すのがコツ

『モダンファミリー』S05E19のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

ジェイとミッチェルが、結婚式のケーキの上に載せる飾りをめぐって言葉を交わす場面です。ミッチェルとキャメロンには、互いの結婚式の案を理由なく断れる権利が3回ずつあり、その権利についてジェイが口にした一言に、blown throughが出てきます。

Jay: You shouldn’t have blown through those vetoes.
(お前、あの拒否権を使い切るんじゃなかったな。)

Mitchell: This is how Cam’s dad sees me– like some fawning damsel.
(キャムのお父さんは、僕をこう見てるんだ。うっとりしてるお姫様みたいだって。)

Jay: If anything, Cam’s the damsel.
(むしろ、お姫様なのはキャムのほうだ。)

Mitchell: Dad! Thank you.
(父さん! ありがとう。)

Jay: A lot can happen before the big day.
(式の日までには、いろいろ起こりうるさ。)

Mitchell: Believe me, I’ve already tried. That thing is indestructible.
(信じてよ、もう試したんだ。あれは絶対に壊れないんだよ。)

Modern Family Season5 Episode19 (A Hard Jay’s Night)

シーン解説と心理考察

ジェイは、あの拒否権を使い切ってしまうべきではなかったと、息子のミッチェルに指摘します。作中では、ミッチェルとキャメロンが互いの結婚式の案を断れる権利を3回ずつ持つと語られていて、ジェイの言葉は、その権利がもう残っていないことを前提にしています。使い切ってしまったことへの指摘という形です。

ミッチェルは、キャメロンの父が自分をこう見ているのだと、「うっとりしてるお姫様」という言葉で語ります。ジェイが「むしろお姫様なのはキャメロンのほう」と返すと、ミッチェルは「父さん! ありがとう」と応じます。返事の短さに、その場のやり取りの軽さが表れています。

続いてジェイは、「式の日までには、いろいろ起こりうる」と告げます。ミッチェルは「もう試したんだ。あれは絶対に壊れない」と応じます。飾りをめぐる話題を、父と息子が短い言葉で交わしていくところに、2人の近さがにじみます。

このシーンでのblow throughは、決まった回数の権利をすでに使い果たしてしまったことを指し示しています。残りがないからこそ、ジェイの指摘には、取っておけばよかったのにという含みがあり、続く「式の日までにはいろいろ起こりうる」という発言と対になっています。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

through(通り抜けて)を使って、風(blow)が家の中をびゅっと吹き抜けていくところを思い浮かべてみましょう。風が通り抜けたあとには何も残らないので、手持ちのお金や権利が、その風のようにあっという間に通り過ぎてなくなる、というイメージにつながります。

ミッチェルの場合、吹き抜けていったのは3回ずつ持っていた拒否権です。ここぞというときのために取っておくはずだった権利が、気づけば風に運ばれるように残っていなかったという構図が、blown throughの一言に凝縮されています。

覚えるときは、後ろに置く名詞を入れ替えて練習するのが近道です。blow through my savings、blow through the budget、blow through my vacation daysのように、「使うと減るもの」を並べていくと、使える場面が広がります。風が吹き抜けたあとに何も残らない光景を思い浮かべると、もう残りがないという結果まで一緒に思い出せます。

例文で覚える「blow through something」

お金や時間、休暇など、身近な場面で使えるblow throughを、3つの例文で確認していきましょう。

He blew through his savings in just six months.
(彼はたった半年で貯金を使い果たしてしまった。)
お金の使い方を話す場面です。in just six monthsと期間を添えると、使い切るまでの速さが伝わります。

We blew through the whole budget before the project was half done.
(プロジェクトが半分も終わらないうちに、予算を使い切ってしまいました。)
進捗と予算を報告するビジネスの場面です。before the project was half doneと続けることで、計画に対して消費が早すぎたことが分かります。

A: Do you still have any vacation days left?
B: No, I blew through all of them by June.
(A:有給はまだ残ってる?)
(B:ううん、6月までに全部使い切っちゃった。)
同僚同士の雑談です。by Juneと期限を添えることで、年の途中でもう残りがない、という軽い調子になります。

あわせて覚えたい関連表現

use up
(使い果たす)
use upは、使って残りをゼロにするという事実を淡々と述べる中立的な言い方です。blow throughは、勢いよく、あっという間にという消費の速さと、やや軽率な響きを含む点が違います。

burn through
(お金や資源を急速に使い果たす)
burn throughも消費の速さを表しますが、燃やすように減らしていく、続いていく減り方のイメージがあります。blow throughは、一気に吹き飛ばしたような響きがあります。

run out of
(〜が底をつく、切らす)
run out ofは、「なくなった」という状態や結果に目を向ける言い方です。blow throughは、使った側の行動、つまり使い切ってしまったことに目を向けます。

Note|「使い切る」の言い分け、blow through・use up・run out of

「使い切る」を表す英語は複数あり、何に注目して述べるかによって、選ぶ言葉が変わります。ここでは、blow through、use up、run out ofの3つを、辞書的な意味の範囲で整理します。

まず、blow throughは「使った側の行動」に、勢いや速さという色を添えて述べる言い方です。We blew through the budget.と言えば、予算を勢いよく使ってしまったという話になります。次に、use upは、「使って残りをゼロにした」という行動を淡々と述べます。We used up the budget.なら、速さや軽率さは含まず、事実だけが伝わります。そして、run out ofは「なくなった」という状態に目を向けます。We ran out of budget.と言えば、使った理由や速さよりも、「予算が底をついた」という結果に焦点が当たります。

同じ「使い切った」でも、行動を述べたいのか、事実だけを伝えたいのか、結果としてなくなったことを述べたいのかで、選ぶ言葉が変わります。ジェイは、使い切ったミッチェルの行動そのものに目を向けて指摘していたため、勢いのある使い切りを表すblow throughがよく合っていました。もし「拒否権がもう残っていない」という結果を伝えたいなら、run out ofの出番になります。

言いたいことの重心を決めてから言葉を選ぶと、3つの使い分けが自然に身についていきます。

まとめ|拒否権を使い切った、を英語で

blow through somethingは、お金や時間、限られた回数などを、あっという間に使い切ることを表す表現です。blow through + 使い切るものの形で、過去分詞にすれば「使い切るべきじゃなかった」という後悔や指摘の言い方にもなります。

貯金や予算、有給休暇など、使うと減るものについて話すときに幅広く使えます。use upやburn through、run out ofとの違いも押さえておくと、行動を述べたいのか、結果を述べたいのかに合わせて言い分けられます。

ジェイの一言は、風が吹き抜けたあとに何も残らないという、この表現のイメージをそのまま映していました。使いどころを思い浮かべながら、表現の引き出しに加えてみてください。

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