海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン4第9話では、劇に控えとして出演するキャメロンが、公園の木を守る騒ぎの最中に舞台へ呼び出されます。控え・主役・演技といった舞台の言葉が、劇場の外の出来事にまで次々と使われていく回です。
今回は、控えや主役といった舞台の役柄を表す語と、それを日常の出来事のたとえに転用する言い方を、話の流れに沿って一つずつ順に見ていきます。
「understudy」と「the lead」で舞台の役柄を表す
キャメロンが抱えていることの一つに劇の役を挙げると、ミッチェルの反応は「Oh, that.」とそっけないものでした。キャメロンは、自分の役がいかに大変かを語り出します。
Cameron: You know what? I don’t like your tone.
(ちょっと、その言い方、気に入らないわ。)Cameron: The understudy‘s the most challenging role in any production.
(控えっていうのは、どんな舞台でもいちばん難しい役なのよ。)Cameron: You have to be ready at a moment’s notice to go on and face a disappointed audience who was there to see Kenny van Heffington.
(急に言われてもすぐ舞台に出られるようにしておいて、Kenny van Heffington を観に来てがっかりしてる観客の前に立たなきゃいけないんだから。)Modern Family Season4 Episode9 (When a Tree Falls)
understudy は、出演者が出られないときに代わりを務める「控え、代役」のことです。at a moment’s notice は「すぐに、急な知らせで」、go on はここでは「舞台に出る」という意味で使われています。キャメロンは、控えは主役目当ての観客の前に急に立たされる難しい役だと説明しています。
その控えの出番が、木の騒ぎの最中にやってきます。木の上で電話を受けたキャメロンは、こう言います。
Cameron: Mitchell, you need to get up here.
(ミッチェル、こっちに上がってきて。)Cameron: I have to go.
(私、行かなきゃ。)Mitchell: Excuse me?
(何だって?)Cameron: That was my theater troupe.
(今のは劇団からよ。)Cameron: An actor’s sick.
(役者が一人、病気なの。)Cameron: I have to go and do the matinee.
(昼の公演に出なきゃいけないの。)Mitchell: What happened to showing Lily the value of taking a stand?
(リリーに立場を貫く大切さを見せるって話はどうなったの?)Cameron: It’s the lead.
(主役なのよ。)Modern Family Season4 Episode9 (When a Tree Falls)
theater troupe は「劇団」、matinee は「昼の公演」を指す語です。the lead は「主役」で、lead role とも言います。ミッチェルの皮肉まじりの問いに、キャメロンは It’s the lead. の3語だけで答え、主役の代わりに立てる機会だから行くしかないという事情を伝えています。控えの苦労を語った最初の場面と、その控えに主役の出番が回ってくる場面が、understudy と the lead の2語でつながっています。
「performance」で演技の感想を聞く
公演のあと、木の上にいるミッチェルから、作業員は暗くなったら引き上げるのでそれまで上にいればいいと聞かされたキャメロンは、軽く引き受けて娘に話を振ります。
Cameron: Easy peasy.
(楽勝よ。)Cameron: Sweetie, tell daddy what you thought of my performance.
(ねえ、パパに私の演技がどうだったか教えてあげて。)Lily: Transcendent.
(神がかってた。)Mitchell: Oh, jeez.
(やれやれ。)Modern Family Season4 Episode9 (When a Tree Falls)
Easy peasy. は「楽勝」「お安いご用」という意味のくだけた言い方で、韻を踏んだ響きが軽さを出しています。performance は舞台の「演技、上演」を指す語で、what you thought of ~ は「〜をどう思ったか」と感想を尋ねる形です。
リリーの Transcendent. は「並外れて素晴らしい、超越した」という格調の高い褒め言葉で、舞台の批評で見かけるような語です。幼い子どもの口から出る語としては大げさで、ミッチェルの Oh, jeez. は、そのやりとりへの呆れを短く表しています。感想を聞く側と答える側が、そろって芝居がかっているのが面白いところです。
- A: What did you think of the play?
(劇はどうだった?) - B: I loved it. The lead was amazing.
(すごくよかった。主役が素晴らしかったよ。)
「like an understudy」で出来事をたとえ直す
作業が止まったあと、2人はこんな言葉を交わします。
Cameron: That’s it?
(これで終わり?)Mitchell: That’s it.
(終わりだよ。)Mitchell: So I’ll go to city hall on Monday and see what I can do, but you did it, Cam!
(月曜に市役所に行って何ができるか確かめてみるけど、やったね、キャム!)Cameron: No, we did it.
(違うわ、私たちでやったのよ。)Cameron: I had to run away, and you stepped in, and like an understudy, you gave a brilliant performance.
(私は抜けなきゃならなかったけど、あなたが代わりに入ってくれた。控えみたいに、見事な演技を見せてくれたのよ。)Mitchell: Yeah, but you’re the star.
(まあね、でも主役は君だよ。)Modern Family Season4 Episode9 (When a Tree Falls)
you did it に No, we did it. と返すのは、手柄を相手に譲られたときに「2人でやった」と分け合う返し方としてよく使われます。step in は「(代わりに)入る、割って入る」で、舞台の代役にも日常の手助けにも使えます。
キャメロンは、自分が抜けた間に木の上に残ったミッチェルを、主役の代わりに立つ控えにたとえ、give a brilliant performance(見事な演技を見せる)とたたえます。それに対してミッチェルは、you’re the star と主役の座をキャメロンに返します。最初の場面で語られた控えと主役の関係が、ここでは2人の役回りのたとえとして使われている点が見どころです。
step in は、仕事で同僚の代わりを務めるときなどにもそのまま使える言い方です。like ~ を付けてたとえる形も、身近な出来事を舞台の言葉で言い直すときに便利と言えます。
- A: Thanks for stepping in when I was sick.
(私が休んだとき、代わりに入ってくれてありがとう。) - B: No problem. You’d do the same for me.
(いいよ。逆の立場なら君もそうしてくれるでしょ。)
| 表現 | 舞台での意味 | この場面での使い方 |
|---|---|---|
| understudy | 控え、代役 | 代わりに木に残った人 |
| the lead / the star | 主役 | 木を守ろうと言い出した人 |
| step in | 代役として入る | 抜けた人の代わりを務める |
| give a brilliant performance | 見事な演技を見せる | 見事にこなす |
まとめ|舞台の言葉で日常を語る
understudy・the lead・matinee で舞台の役柄や公演を表し、step in や like an understudy、you’re the star でその言葉を2人の役回りのたとえに移す。舞台の語彙が、日常の出来事を語る言葉として生きる様子が見えてきます。
舞台の言葉が出てくる場面を楽しみながら、『モダンファミリー』で英語に親しんでいきましょう。
この回のほかのコラムやフレーズ記事でも、同じ場面を別の切り口から取り上げています。


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