「someone’s picked up her daddy’s gift for hyperbole」に見る、大げさな言葉を選ぶ家族と、それを受け流す英語表現|『モダンファミリー』S04E09で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 「someone's picked up her daddy's gift for hyperbole」に見る、大げさな言葉を選ぶ家族と、それを受け流す英語表現|『モダンファミリー』S04E09で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン4第9話では、家族でピクニックをした公園の木が切られると分かり、キャメロンたちの会話が一気に大げさになっていきます。幼いリリーまでが、大人顔負けの大げさな言葉を次々と口にする回です。

今回は、小さな出来事を大きく言う感情の言葉と、そうした大げさな言葉を聞き返したり受け流したりする言い方を、場面の順に一つずつ見ていきます。

目次

「It’s a nightmare」で出来事を大きく言う

キャメロンが、今日公園で木が切られると伝えます。しかも、ただの木ではないと名前まで付けて呼び、家族の反応が続きます。

Cameron: Not just any tree, Tree-ona Elmsly.
(そこらの木じゃないのよ、Tree-ona Elmsly なの。)

Mitchell: Oh, no.
(ああ、そんな。)

Mitchell: That’s terrible.
(ひどいな。)

Mitchell: That’s our picnic tree.
(僕らのピクニックの木じゃないか。)

Lily: It’s a nightmare.
(悪夢だわ。)

Mitchell: Well, someone’s picked up her daddy’s gift for hyperbole.
(おや、誰かさんはパパ譲りの大げさな言い方を覚えたみたいだね。)

Modern Family Season4 Episode9 (When a Tree Falls)

Not just any ~ は「そこらの〜とは違う」と対象を特別扱いする言い方で、木に名前を付けて呼ぶこと自体が大げさな演出になっています。nightmare は本来「悪夢」ですが、会話では「最悪の事態」「うんざりする状況」を大きく言うときによく使われます。

ミッチェルが返した hyperbole は「誇張、大げさな言い方」という語です。pick up は「(癖や言葉を)自然に身につける」、gift for ~ は「〜の才能」で、「親ゆずりの誇張の才能」と少し皮肉を込めて持ち上げる形になっています。

続いて、ミッチェルが「Oh, it’s too bad.」と残念がると、キャメロンは「We have to do something.」と返します。ミッチェルが続けます。

Mitchell: Well, if we knew earlier, we could.
(まあ、もっと早く知ってたら何かできたけどね。)

Cameron: I blame myself.
(私のせいよ。)

Modern Family Season4 Episode9 (When a Tree Falls)

I blame myself. は「自分を責める」、つまり「私のせいだ」と引き受ける一言です。もう間に合わないという含みの仮定法に、責任を一身に背負う言葉で返すあたりに、キャメロンの芝居がかった調子が表れています。

「breathtaking」から「I hate him」へ落とす

話は、キャメロンが控えを務める劇の主役の俳優へと移ります。ミッチェルが聞き返した人物について、キャメロンは最上級の褒め言葉を口にします。

Mitchell: Our insurance guy?
(うちの保険の担当者?)

Cameron: He’s breathtaking.
(息をのむほど素敵なのよ。)

Mitchell: Really?
(本当に?)

Cameron: Yeah, I hate him.
(ええ、大っ嫌い。)

Modern Family Season4 Episode9 (When a Tree Falls)

breathtaking は「息をのむほどの」という強い褒め言葉で、景色や演技をたたえるときに使われる語です。ところが、ミッチェルの短い Really? で聞き返されると、キャメロンはあっさり I hate him. と正反対の本音を出します。大げさな褒め言葉を一言の聞き返しで崩し、本音で落とす流れが見どころです。

大げさな言葉を真に受けず、Really? の一語で確かめるのは、日常会話でも使いやすい返し方です。語尾を上げて短く聞き返すだけで、「本気で言ってる?」という軽い疑いが伝わります。

  • A: This is the best pizza in the world.
    (これ、世界一のピザだよ。)
  • B: Really?
    (本当に?)

このあと、何の話をしていたのかと尋ねたキャメロンは、木の話に戻ります。

Cameron: Right.
(そうだった。)

Cameron: The tree.
(木よ。)

Cameron: I have to do something.
(私、何かしなきゃ。)

Lily: I can’t live like this.
(こんなんじゃ生きていけない。)

Modern Family Season4 Episode9 (When a Tree Falls)

I can’t live like this. は「こんな状態では耐えられない」という、たまった不満をぶつけるときなどに使われる言い回しです。幼いリリーがそれを口にするおかしさは、先ほどのミッチェルの指摘とそのままつながっています。

「Tell me about it」で大げさな言葉を受ける

公園の木の下では、木の上にいるキャメロンを前に、今度はミッチェル自身が同じ語を使います。

Mitchell: Okay, Lily, see, this is a nightmare.
(いいかい、リリー、ほら、これが悪夢っていうんだよ。)

Lily: Tell me about it.
(ほんとそれ。)

Modern Family Season4 Episode9 (When a Tree Falls)

see が付いていることから、「ほら、こういうのを悪夢と言うんだ」と、先ほどのリリーの nightmare を受けているようにも読めます。大げさな言葉を指摘した本人が、同じ語に頼っているのが面白いところです。

リリーの Tell me about it. は、直訳すると「それについて話して」ですが、実際には「まったくだ」「言われなくても分かってる」と強く同意する決まり文句です。相手の大げさな言葉にそのまま乗っかって、話を大きくしすぎずに受け止められる返事と言えます。相手の愚痴に共感を示すときにも使われますが、声の調子によっては皮肉にも聞こえるため、場面に合わせて使い分けたい一言です。

こうして見ると、リリーは nightmare や I can’t live like this. で大げさに言う側にも、Tell me about it. で受ける側にも回っています。大人の口ぶりをそのまま使いこなす幼い娘の姿が、この回の家族の会話に彩りを添えています。

  • A: This traffic is a nightmare.
    (この渋滞、最悪だね。)
  • B: Tell me about it.
    (ほんとそれ。)
表現 働き
Not just any ~ 対象を特別扱いする
It’s a nightmare. / I can’t live like this. 出来事を大きく言う
He’s breathtaking. 最上級に褒める
Really? 大げさな言葉を聞き返す
Tell me about it. 大げさな言葉に同意して受ける

まとめ|大げさな言葉とその受け止め方

nightmare や breathtaking で出来事を大きく言い、Really? で聞き返し、Tell me about it. で受け止める。大げさな言葉と、それへの返し方が、木をめぐる家族の会話に並んでいます。

言葉の大きさの違いに耳を澄ませながら、『モダンファミリー』で英語を楽しんでいきましょう。

この回のほかの場面の英語は、同じ回のコラムやフレーズ記事でも取り上げています。

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