海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回取り上げるのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン9 第12話から、誘いを比べて選ぶときの英語です。週末の予定が空いたシェルドンに、仲間たちがそれぞれの過ごし方を持ちかけ、シェルドン本人が候補を品定めしていきます。
人手を求める控えめな定型から、候補を評価する競い合いの語彙まで。誘う側と選ぶ側、それぞれの言い回しがひとつの場面に詰まっているのが面白いところです。順番に見ていきましょう。
「We could always use an extra pair of hands」人手はいつでも歓迎という誘い方
エイミーが週末は学会で不在になると分かり、シェルドンは、自分は相手をしてもらえる状態だと男性陣に告げます。まず手を挙げたのはハワードです。
Howard: Bernie and I are getting the house ready for the remodel. We could always use an extra pair of hands.
(バーニーと俺は、家の改装に向けた準備をしてるんだ。手が増えるのはいつでも大歓迎だよ。)Sheldon: That sounds awful. Raj?
(それはひどそうだね。ラージは?)Raj: Uh, I’ve got time booked in the telescope room all weekend scanning for rogue planets. You’re more than welcome to join me.
(ええと、僕は週末ずっと望遠鏡室の時間を押さえていて、浮遊惑星を探すことになってるんだ。よかったら一緒にどうぞ。)Sheldon: That’s the one to beat. Leonard?
(それが本命だね。レナードは?)TBBT Season9 Episode12
We could always use an extra pair of hands. のcould use 〜は「〜があると助かる」という控えめな言い方です。間にalwaysを挟むと、「いつ来てくれても助かる」と歓迎の幅がさらに広がります。
an extra pair of hands は、手伝ってくれる人を「もう一組の手」と数える言い方です。人数ではなく手で数えるところに、体を動かす作業を手伝う場面らしさが出ています。
ラージの You’re more than welcome to join me. は、welcomeをmore thanで強めた誘い文句です。一方のシェルドンはハワードの案を That sounds awful.(それはひどそうだね)と一言で退けており、受け手の反応の落差も見どころです。
「stop selling it」勝者の決定と売り込みの終了
シェルドンの問いに、レナードはむしろ自分は関わらない方向だと返します。残る候補はひとつになり、審査の結果が告げられます。
Sheldon: Well, then it looks like we have a winner. Congratulations.
(じゃあ、勝者が決まったようだね。おめでとう。)Raj: Well, I should warn you, it’s just looking at data for hours and hours on a computer screen.
(その、先に言っておくと、ただパソコンの画面で何時間も何時間もデータを見るだけなんだよ。)Sheldon: Uh, stop selling it, kid. You won.
(ああ、もう売り込まなくていいよ、君。君の勝ちだ。)TBBT Season9 Episode12
先ほどの That’s the one to beat. は、「倒すべき相手」すなわち現時点の最有力候補を指す言い方です。the one to beatはto不定詞が後ろから名詞を説明する形で、複数の誘いを競わせているシェルドンの立ち位置がよく表れています。
it looks like we have a winner は、勝者の発表めいた決まり文句です。誘いを選ぶだけの場面に審査会のような語彙を持ち込むところから、笑いが生まれています。
I should warn you, 〜 は、相手の期待が膨らむ前に不利な情報を先に出しておく前置きです。対する stop selling it のsellは「売り込む・良さを説いて納得させる」という口語の用法で、物を売る場面でなくても使われます。売り込み合戦の幕引きまで競技の語彙で進むのが、この場面の楽しさだと言えます。
まとめ|誘う英語と選ぶ英語をセットで
今回は、We could always use an extra pair of hands.という誘いの型と、the one to beatやstop selling itという選ぶ側の語彙を見てきました。誘いが重なる場面では、この両方が同時に飛び交います。
候補を並べて品定めする言い回しが分かると、こうしたやり取りの聞こえ方も変わってきます。次回も『ビッグバン★セオリー』と一緒に英語を学んでいきましょう。
このエピソードの英語表現は、同じ回の他のコラムやフレーズ記事でも扱っています。


コメント