海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回取り上げるのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン9 第12話から、あり得ない比較で不満を表す英語です。帰宅したレナードとペニーのやり取りには、目を回す音という現実には存在しないものを持ち出した、印象的な一言が登場します。
誇張の組み立て方に加えて、相手の言葉を言い換えて確認する受け答えの型もあわせて扱います。夫婦の応酬から、感情の乗せ方を見ていきましょう。
「I cannot roll my eyes any louder」目を回す音に音量を掛ける
レナードが帰宅し、ペニーが首尾を尋ねる場面です。ペニーはある頼み事をレナードに任せていました。
Penny: Hey, how’d it go?
(ねえ、どうだった?)Leonard: Oh, great. Dr. Gallo is terrific. You know, I, I’ve always been insecure that no one cares about what I have to say, but she made me see…
(ああ、すごく良かったよ。ガロ先生は素晴らしい人だ。ほら、僕は、自分の話なんて誰も気にかけてくれないってずっと不安だったんだけど、先生のおかげで気づけたんだ…)Penny: Yeah, no one cares. Did you help me out or not?
(ええ、誰も気にしてないわ。で、私の頼みはやってくれたの、くれなかったの?)Leonard: Okay, now, what I’m hearing is that you feel that I sometimes take too long to express myself, and you wish I’d be more succinct.
(オーケー、つまり今聞き取れたのは、僕が言いたいことを伝えるのに時間をかけすぎるときがあって、君はもっと簡潔に話してほしいと思ってる、ということだね。)Penny: You’re only hearing that because I cannot roll my eyes any louder.
(そう聞こえるのは、私がこれ以上大きな音で目を回せないからよ。)TBBT Season9 Episode12
roll one’s eyes は、呆れたときに目をぐるりと上へ回す仕草を指します。不満やうんざりした気持ちのサインとしてよく使われる動作です。
目を回しても、音は出ません。そこに cannot 〜 any louder(これ以上大きな音では〜できない)という音量の比較を掛けることで、呆れが限界まで達していることを、あり得ない理屈で伝えています。
冒頭の How’d it go? は首尾を尋ねる定型、Did you help me out or not? は文末のor notでイエスかノーかを迫る形と読み取れます。
「what I’m hearing is」言い換えて確認する受け方
レナードの what I’m hearing is that 〜(僕に聞こえているのは〜ということだ)は、相手の発言を自分の言葉で言い直して確認する型です。ここでは、ペニーの素っ気ない返事を、ずいぶん穏やかな要望へと訳し直しています。
続く you wish I’d be more succinct は、wish+wouldで相手への要望を間接的に述べる形です。succinctは「簡潔な」という意味の形容詞で、遠回しな長い言い回しの中にわざわざ硬めの単語を選ぶところに、レナードらしさが表れています。
このあと用件のやり取りを挟んで、レナードがこう受けます。
Leonard: Oh, I actually did hear your eyes roll that time.
(ああ、今のは本当に、目を回す音が聞こえたよ。)TBBT Season9 Episode12
actually did hear のdidは、動詞を強調する用法です。「実際に聞こえた」と力を込めることで、ペニーの作ったあり得ない理屈をそのまま受け取って返す、息の合った切り返しになっています。
一度きりの誇張で終わらせず、少しあとで同じ理屈を拾い直す。この呼応があるからこそ、目を回す音という言い回しが場面全体のオチとして働くという構造です。
まとめ|誇張は理屈で組み立てる
今回は、I cannot roll my eyes any louder.という、音のしない動作に音量の比較を掛けた誇張と、what I’m hearing is 〜という言い換え確認の型を見てきました。cannot 〜 any+比較級の形を覚えておくと、感情の強さを理屈っぽく伝えられます。
『ビッグバン★セオリー』の英語の世界を、これからも一緒に楽しんでいきましょう。
同じエピソードの他のコラムやフレーズ記事とあわせて読むと、この回の英語がより立体的に見えてきます。


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