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『モダンファミリー』シーズン7第13話では、ミッチェルとキャメロン夫婦が貸し出している家の2階に、新しい借り手がやって来ます。キャメロンは借り手の様子が気になって仕方がなく、想像を次々にふくらませていきます。
心配が先走っている相手に、どう声をかければ落ち着いてもらえるのか。二人のやり取りには、前提を問い直す一言から、最後に反省をまとめる言い方までがそろっています。
「So there has to be a ~?」で前提を問い直す
借り手を迎えた後、キャメロンはミッチェルに向かって、気になったことを並べ立てます。
Cameron: Okay, what is that all about? I mean, three adults? Why doesn’t Tommy have a last name? Why doesn’t Tommy talk? Is he their captive? Is Mrs. Wilkerson their captive? Is the captive in the trunk?
(ねえ、あれってどういうこと? だって、大人が3人だよ? なんでトミーには名字がないの? なんでトミーはしゃべらないの? 彼はあの人たちに捕らわれてるの? ウィルカーソン夫人が、あの人たちに捕らわれてるの? 捕らわれてる人はトランクの中?)Mitchell: So there has to be a captive?
(で、誰かが捕らわれてなきゃいけないわけ?)Modern Family Season7 Episode13 (Thunk in the Trunk)
キャメロンの台詞は、What is that all about?(あれはいったい何なの?)で始まり、Why doesn’t ~? と Is ~? の疑問文が続く組み立てです。疑問を重ねるたびに想像が大きくなっていく流れが、文の並びからも読み取れます。
これに対するミッチェルの返しは一文だけです。So there has to be a ~? は「つまり、〜がいなきゃいけないってこと?」という意味で、相手の話の前提をそのまま取り出して問い返す形です。has to be は「〜でなければならない」で、ここでは「なぜそうだと決めつけるのか」というニュアンスを帯びます。
相手の想像を正面から否定するのではなく、前提を言葉にして見せることで、話の飛躍に気づいてもらう返し方と言えます。日常でも、So it has to be my fault?(つまり、僕のせいじゃなきゃいけないわけ?)のように、決めつけを指摘するときに使えます。
「You need to get out of the house」と気分転換を促す
別の場面で、キャメロンが何かを調べているところに、ミッチェルが声をかけます。
Mitchell: What are you doing?
(何してるの?)Cameron: Oh, uh, just a little research.
(ああ、えっと、ちょっとした調べものだよ。)Modern Family Season7 Episode13 (Thunk in the Trunk)
調べものの中身を見たミッチェルは、こう提案します。
Mitchell: Okay, you know what? You need to get out of the house.
(よし、いいかい。君は家から出たほうがいい。)Mitchell: Go get the stamps.
(切手を買ってきなよ。)Mitchell: And a hobby.
(それと、趣味もね。)Modern Family Season7 Episode13 (Thunk in the Trunk)
You need to get out of the house. は「家にこもっていないで出かけたほうがいい」という意味で、気分を変えるよう勧める場面で使われることが多い形です。Okay, you know what? は「ねえ、こうしよう」と提案を切り出す前置きになっています。
続く Go get the stamps. は go get ~ で「〜を取りに行く、買いに行く」を表し、口語では to を入れずに動詞を並べます。Go get some sleep.(少し寝てきなよ)のように、相手に行動を促すときにも同じ形が使えます。最後の And a hobby. は、「切手と一緒に趣味も見つけてきて」という軽いからかいで、前の文に言葉を足すことで冗談に変えています。
「It’s an expression!」と「No more snooping」――言い返しと区切りの英語
キャメロンも黙ってはいません。自分の行動の理由を、次のように説明します。
Cameron: Okay, well, they’re in our home, And I’m just trying to protect our family.
(だって、あの人たちはうちにいるんだよ。僕は家族を守ろうとしてるだけだ。)Cameron: I don’t want to wake up dead.
(朝起きたら死んでた、なんてごめんだからね。)Mitchell: I can’t believe I have to say this to you again.
(また君にこれを言わなきゃいけないなんて。)Mitchell: You cannot wake up and be dead.
(起きたら死んでる、なんてありえないんだよ。)Cameron: It’s an expression!
(そういう言い回しなんだって!)Mitchell: It’s not.
(違うよ。)Modern Family Season7 Episode13 (Thunk in the Trunk)
I’m just trying to ~ は「ただ〜しようとしているだけ」と、自分の行動を弁護するときの形です。just が入ることで、「悪気はない」という気持ちが加わります。
キャメロンの wake up dead に対し、ミッチェルは文字どおりの意味で返します。眠ったまま亡くなった人は「目を覚ます」ことがないので、You cannot wake up and be dead. と理屈で切り返しているわけです。I can’t believe I have to say this to you again. は「前にも言ったのに」というあきれた気持ちを伝える一文です。
キャメロンは It’s an expression!(そういう言い方なんだ)と言い張りますが、ミッチェルは It’s not. と短く否定します。言い回しかどうかをめぐる言い合いそのものが、二人の掛け合いになっています。
借り手の件が一段落した後、二人はこう振り返ります。
Mitchell: Point is, we learned our lesson.
(要するに、僕たちは懲りたってこと。)Mitchell: No more snooping.
(もう詮索はしない。)Cameron: Absolutely.
(もちろん。)Cameron: Although we still don’t have an explanation for those creaky floorboards in the middle of the night.
(夜中に床がきしむ理由は、まだ分かってないけどね。)Modern Family Season7 Episode13 (Thunk in the Trunk)
learn one’s lesson は「(失敗から)教訓を得る、懲りる」、No more ~. は「もう〜はなし」と区切りをつける言い方です。snoop は「こそこそ詮索する」というくだけた動詞で、キャメロンが just a little research と軽く呼んでいた行動を、ミッチェルはこの語で言い表しています。同じ行動でも、どの語を選ぶかで受け止め方が変わることが分かります。
まとめ|相手の想像を落ち着かせる言い方
前提を問い直す So there has to be a ~?、気分転換を促す You need to get out of the house.、反省を区切る we learned our lesson と No more ~.。想像が先走る相手をなだめる英語が、夫婦の会話にそろっています。
『モダンファミリー』の掛け合いを観ながら、言い回しの選び方にも目を向けていきましょう。
同じ回のほかのコラムでは、自信をなくした相手への返し方や、相手を巻き込む一言を、フレーズ記事では個々の表現を取り上げています。


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