「We’re in this together.」――相手を巻き込む一言と、巻き込まれた側の言い返し方|『モダンファミリー』S07E13で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 「We're in this together.」――相手を巻き込む一言と、巻き込まれた側の言い返し方|『モダンファミリー』S07E13で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン7第13話では、グロリアのホットソースの宣伝用に作られた等身大パネルが、車のトランクに収まっています。持ち去ったのはジェイ本人で、その後始末にマニーを付き合わせようとします。

「一緒に乗りかかった船だ」と言われても、素直に応じられないこともあります。二人のやり取りから、相手を引き込む言い方と、それをかわす言い方を見ていきます。

目次

「We’re in this together」で相手を同じ側に置く

ジェイがマニーに切り出した一言は、こうです。

Jay: Your mother’s in the trunk.
(お前の母さんはトランクの中だ。)

Modern Family Season7 Episode13 (Thunk in the Trunk)

「母さん」とは、グロリアの姿をかたどったパネルのことです。聞き返すマニーに、ジェイはパネルを自分で持ち去ったと明かし、こう続けます。

Jay: For both our sakes.
(俺たち2人のためだ。)

Jay: We’re in this together.
(俺たちは一蓮托生だ。)

Manny: How? I didn’t steal it.
(なんでそうなるの? 僕は盗んでないよ。)

Jay: Oh, I see where this is going.
(ああ、話が見えてきたぞ。)

Jay: You complain and complain, I make the problem go away, and you had nothing to do with it.
(お前は文句ばかり言って、俺が問題を片付けたら、自分は何の関係もなかったってわけか。)

Modern Family Season7 Episode13 (Thunk in the Trunk)

We’re in this together. は「この件では私たちは同じ立場だ」という意味で、本来は困難を一緒に乗り越えようと励ます場面で使われることが多い言い方です。ジェイはこれを、マニーを自分の側に引き込むために使っています。直前の For both our sakes.(2人のために)も、マニーにも利益があると言い添える働きをしています。

for one’s sake は「〜のために」で、both our sakes は「私たち2人の両方のために」です。ひとりで決めたことを「みんなのため」と言い換えると、相手は断りにくくなります。この2文の組み合わせは、そうした誘い込みの形をよく表しています。

本来の励ましの意味で使うなら、Don’t worry. We’re in this together.(心配しないで。一緒に乗り越えよう)のように、相手の不安に寄り添う一言として添えられます。

「I didn’t ask for this」で線を引く

マニーの最初の返しは How?(どうして?)と I didn’t steal it.(僕は盗んでいない)です。疑問をはさんでから事実を一つ示し、「同じ立場ではない」と線を引いています。

ジェイの I see where this is going. は「話の行き先が見えた」という意味で、相手の言い分を先回りして言い当てるときに使われます。続く you had nothing to do with it の have nothing to do with ~ は「〜とは無関係だ」です。ジェイは、マニーが自分は無関係だと言い出すのを見越して、皮肉まじりに先に口にしています。

これにマニーはこう答え、ジェイが応じます。

Manny: I didn’t ask for this.
(頼んでないよ、こんなこと。)

Manny: I didn’t ask for any of this.
(こんなこと、何ひとつ頼んでない。)

Jay: Let’s not turn on each other.
(仲間割れはよそう。)

Jay: It’ll make us sloppy.
(ボロが出るからな。)

Modern Family Season7 Episode13 (Thunk in the Trunk)

ask for ~ は「〜を求める、頼む」で、I didn’t ask for this. は「望んだわけじゃない」と、巻き込まれたことへの不満を示す一文です。2回目は any of this と範囲を広げ、「これに関わること全部」を拒んでいます。同じ文を少し変えて重ねると、拒む気持ちの強さが伝わります。

ジェイの turn on someone は「(味方だった人に)背を向けて攻撃する」という意味です。Let’s not ~. は「〜するのはよそう」と相手を引き止める形で、It’ll make us sloppy. の sloppy は「詰めが甘い、ずさんな」を表します。大げさな言い方で、マニーをもう一度同じ側に引き戻そうとしています。

知らないふりと、早とちりを止める一言

後の場面で、パネルがなくなったと知ったグロリアに対し、ジェイは次のように返します。

Jay: Stolen? Damn it! Well, there’s no point in replacing it because it’s just gonna get stolen again.
(盗まれた? くそっ! まあ、置き直しても意味がないな。どうせまた盗まれるんだから。)

Modern Family Season7 Episode13 (Thunk in the Trunk)

there’s no point in ~ing は「〜しても意味がない」という言い方です。自分が持ち去ったことには触れず、パネルを作り直さない方向へ話を進めようとしています。日常では、There’s no point in waiting any longer.(これ以上待っても意味がない)のように、見切りをつけるときにも使えます。

さらに後、グロリアの疑いが別の人物へ向かうと、ジェイはそれを止めに入ります。

Jay: You don’t even know it was her.
(彼女の仕業かどうかも分かってないだろ。)

Jay: Whatever that was, you got to call it off.
(何をしたにせよ、取りやめるんだ。)

Modern Family Season7 Episode13 (Thunk in the Trunk)

You don’t even know ~ の even は「〜すら」の意味で、根拠のなさを指摘する働きをします。call off は「(予定や計画を)取りやめる」で、got to は have got to(〜しなければならない)の口語形です。巻き込む一言から始まった話が、早とちりを止める一言にまで広がっていきます。

まとめ|巻き込む側と巻き込まれる側の英語

We’re in this together. と For both our sakes. で相手を引き込む言い方、I didn’t ask for this. で線を引く言い方、Let’s not turn on each other. で引き止める言い方。立場の違う二人の言葉が、短い文の応酬に表れています。

『モダンファミリー』の家族の駆け引きを観ながら、言葉の向け方にも注目していきましょう。

同じ回のほかのコラムでは、自信をなくした相手への返し方や想像がふくらむ相手との会話を、フレーズ記事では個々の表現を扱っています。

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