海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン4第22話では、ローラースケートをめぐって、フィルとグロリアのやり取りが描かれます。人からどう見えるかを気にするグロリアに、フィルは教える側として、言葉を変えながら声をかけ続けます。
今回は、相手の弱みを言い当てる一言とそれへの切り返し、不安をほどく励まし、そして体の動きを教えるための短い指示の言い方を、順に見ていきます。
「You don’t know how to ~」と「Of course I do.」
ローラースケートの話の途中で、フィルがこう切り込みます。
Phil: You don’t know how to roller-skate.
(ローラースケートのやり方、知らないんだね。)Gloria: Of course I do.
(もちろん知ってるわよ。)Gloria: I know how to do everything.
(私はなんでもできるのよ。)Modern Family Season4 Episode22 (My Hero)
know how to ~ は「〜のやり方を知っている」で、技術や手順を身につけているかを言う表現です。can roller-skate(滑れる)とほぼ同じ意味で使われますが、know how to のほうが「やり方を知っているかどうか」に焦点が当たります。フィルは疑問文ではなく平叙文で言い切っているので、問いかけというより「知らないんでしょう」と言い当てる響きを帯びます。
これに対するグロリアの Of course I do. の do は、know how to roller-skate を受ける代動詞です。同じ語句を繰り返さずに、Of course I do. の4語で「もちろん知っている」と即座に打ち消せます。さらに I know how to do everything. と、範囲を「すべて」に広げて言い返すところに、勢いが感じられます。do everything のように大きく出る言い方は、相手の指摘をはね返したいときの返し方としてよく耳にします。
ただし、範囲を大きく広げるほど、聞き手には「本当に?」と思わせる余地も生まれます。言い返しの強さと説得力は別物だと分かるのが、この短いやり取りの面白いところです。
- A: You don’t know how to cook, do you?
(料理のやり方、知らないでしょ?) - B: Of course I do.
(もちろん知ってるよ。)
「I’m going to look stupid」と「As long as ~」
そのやり取りの後、フィルはこう切り出します。
Phil: But I’m a natural teacher.
(でも、俺は生まれつきの教え上手なんだよ。)Gloria: But I’m going to look stupid.
(でも、私、ばかみたいに見えちゃうわ。)Phil: Gloria Trust me.
(グロリア、信じて。)Phil: As long as you’re standing next to me, you will not look stupid.
(俺の隣に立ってるかぎり、ばかみたいには見えないから。)Modern Family Season4 Episode22 (My Hero)
a natural teacher の natural は「生まれつきの、天性の」という意味です。a natural leader(生まれながらのリーダー)のように、人を表す名詞と組んで「その才能を自然に備えた人」を表します。フィルはこれを自分について言っているので、自信たっぷりの自己紹介と言えます。
グロリアの look stupid は「ばかみたいに見える」で、実際の出来よりも、人からどう見えるかを気にする言い方です。I’m going to ~ は、目の前の状況から「きっとこうなる」と予想するときの形です。
フィルの返しは、Trust me. で受け止めたうえで、As long as ~, you will not ~ と条件をつけて安心させる組み立てです。as long as は「〜しているかぎりは」で、if よりも「その条件が続くあいだはずっと」という含みが強くなります。グロリアの look stupid をそのまま使って打ち消しているので、不安の中身に正面から答えているのが分かります。
「Knees bent.」短い指示で姿勢を教える
後の場面で、フィルはグロリアに滑るときの姿勢を教えます。
Phil: Knees bent.
(膝を曲げて。)Phil: Arms loose.
(腕の力を抜いて。)Phil: Chin up.
(あごを上げて。)Phil: Butt out.
(お尻は後ろに。)Modern Family Season4 Episode22 (My Hero)
4つの指示はどれも2語で、体の部分を表す名詞のあとに、その状態を表す語を置いた形です。Knees bent. は Keep your knees bent.(膝を曲げたままにして)から動詞と所有格を省いたものと考えると分かりやすいでしょう。bent は bend(曲げる)の過去分詞、loose は「ゆるんだ」という形容詞、up と out は向きを表す副詞で、それぞれ膝・腕・あご・お尻の状態を指定します。どの指示も主語も動詞もない形ですが、聞き手が自分の体のことだと分かる場面なので、意味が誤解なく伝わります。
| 指示 | 省略前の形の例 | 意味 |
|---|---|---|
| Knees bent. | Keep your knees bent. | 膝を曲げて |
| Arms loose. | Keep your arms loose. | 腕の力を抜いて |
| Chin up. | Keep your chin up. | あごを上げて |
動きながら聞く人にとっては、長い文よりも、こうした短い指示のほうが頭に入りやすいものです。スポーツやダンス、ヨガなどの指導で耳にすることが多い型で、名詞と状態の語を入れ替えれば、いろいろな場面に応用できます。たとえば Back straight.(背筋を伸ばして)や Eyes forward.(前を見て)も同じ組み立てです。教える側の口から短い指示が続くことで、natural teacher を名乗ったフィルの手ほどきが実際に始まった様子が伝わってきます。
まとめ|不安な初心者にかける英語
You don’t know how to ~ と Of course I do. の応酬から、I’m going to look stupid という不安、Trust me. と As long as ~ で包む励まし、Knees bent. のような短い指示まで、教える側と教わる側の英語がそろった場面です。
これからも『モダンファミリー』の会話を観ながら、場面ごとの英語を一緒に集めていきましょう。
同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事も読むと、この回の会話の英語がより広く見えてきます。


コメント