海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
初対面の相手に、なかなか心を開けない人を紹介しなければならない。そんな場面で、どう説明すれば悪い印象を持たれずに済むか、迷った経験はありませんか。
そんな状況にぴったりの「takes a little time to warm up」を、『モダンファミリー』シーズン4第22話の中盤、グロリアのことを気にするテディに、キャメロンが声をかける一言から、一緒に見ていきましょう。
「takes a little time to warm up」の意味とニュアンス
takes a little time to warm up
意味:(人が)打ち解けるまでに少し時間がかかる
warm up は、もともと「温まる」「体を慣らす」という意味の動詞句です。人を主語にすると、その場や相手に慣れて、少しずつ打ち解けてくる、という意味になります。これに take (a little) time を組み合わせたのが今回の表現で、「打ち解けるまでに少し時間がかかる」という状態を表します。
構文は「主語 + take(s) (a little) time to + 動詞」です。「〜するのに時間がかかる」という形で、今回は動詞に warm up が入っています。主語が三人称単数の she なので、動詞は takes になります。
この表現の特徴は、「時間がかかる」という事実を、悪い意味に取られないように伝えられる点にあります。「最初は控えめだったり緊張していたりするけれど、慣れれば打ち解けるので、少し待ってあげてほしい」という前向きな含みがあります。人見知りの相手を第三者が紹介したり、相手の反応が薄いことを気にしている人に声をかけたりする場面に向いています。
a little が付くと、大げさな話ではなく、ほんの少しの時間があれば十分だという控えめな響きになります。また、今回のシーンでは just が添えられていて、「ただ〜だけ」という言い方が、心配しなくてもよいという取りなしの気持ちを添えています。
【ここがポイント!】
- 「takes a little time to warm up」の核は、慣れれば打ち解けるので少し待ってあげてほしいという含み
- 「take(s) (a little) time to + 動詞」の形で、warm up に「打ち解ける」という意味が入る
- a little と just が加わると、心配いらないという取りなしのやわらかさが出る
『モダンファミリー』S04E22のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
キャメロンが、テディに話しかける場面です。テディは、ミッチェルの元交際相手にあたる人物です。ジェイとテディの間に通じ合うものがありそうだと声をかけたキャメロンが、続けてグロリアとの関係を尋ねると、テディは今夜会ったばかりだと答えます。テディの不安に対するキャメロンの返しに注目です。
Cameron: You and Jay really seem to have a thing, don’t ya? And Gloria– what’s the nature of your relationship with her?
(あなたとジェイって、なんだか気が合ってるみたいじゃない? それでグロリアは──彼女とはどういう関係なの?)Teddy: Well, actually, we just met tonight. You know, I’m not so sure she likes me.
(ええと、実は彼女とは今夜会ったばかりなんだ。それに、彼女に好かれているのかどうか、あまり自信がなくてね。)Cameron: Really? Uh, well, I mean, she just takes a little time to warm up.
(そうなの? えっと、その、彼女はただ、打ち解けるまでに少し時間がかかるだけなんだよ。)Teddy: Oh, thanks. And thank you, again, for coming tonight.
(ああ、ありがとう。それと、今夜は来てくれて、改めてありがとう。)Modern Family Season4 Episode22 (My Hero)
シーン解説と心理考察
キャメロンは、ジェイとテディの様子を見て「なんだか気が合ってるみたい」と声をかけ、そのままグロリアとの関係も尋ねます。ジェイとテディのことを話題にしたあと、グロリアにも話を向けていく問いかけです。
テディの答えは率直です。グロリアとは今夜会ったばかりで、好かれているかどうか自信がないと打ち明けます。初対面の人に好意を持たれているか気になる、という素直な不安が言葉になっています。
そこでキャメロンは、「えっと、その」と言葉を探しながら、グロリアは打ち解けるまでに少し時間がかかるだけだと取りなします。言いよどみを挟みながらの一言で、まだ好かれていないと決めつけるのではなく、時間がたてば変わるかもしれないという見通しをテディに示す形です。
その言葉を受けて、テディは礼を言い、今夜来てくれたことにも改めて感謝を伝えます。取りなす側のキャメロンと、それを受け止めるテディの、短いやり取りになっています。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
寒い朝、車のエンジンをかけた場面を思い浮かべてみましょう。始動した直後はまだ冷えていて動きがぎこちなくても、少し待てば温まって、スムーズに動くようになります。人も同じで、最初は慣れていなくて動きがぎこちなくても、少し時間をかけて場になじめば、打ち解けて動き出す、というイメージです。
キャメロンの言葉も、「まだ冷えているだけ」という見方を伝えるものでした。好かれていないと考える必要はなく、温まるまでの時間が少し必要なだけだ、という意味合いです。
覚えるときは、warm up の「温まる」というイメージから始めて、人を主語にすると「打ち解ける」に変わる、と順番に押さえておくと整理しやすくなります。
グロリアのことを「ただ、少し時間がかかるだけ」と言い表したキャメロンの一言は、この表現の使いどころをそのまま示しています。
例文で覚える「takes a little time to warm up」
ペット、職場、機械と、主語を変えながら、3つの例文で確認していきましょう。
My dog takes a little time to warm up to new people.
(うちの犬は、初めて会う人に慣れるまで少し時間がかかります。)
人見知りをするペットについて説明する場面です。warm up の後ろに to を置くと、誰に慣れるのかを示せます。
A: Do you think she likes the team?
B: I think so. She just takes a little time to warm up.
(A:彼女はチームのことを気に入ってると思う?)
(B:そう思うよ。打ち解けるのに少し時間がかかるだけなんだ。)
新しいメンバーの様子を話し合う往復会話です。just を添えると、心配いらないという取りなしの気持ちが加わります。
The engine takes a little time to warm up on cold mornings.
(寒い朝は、エンジンが温まるまで少し時間がかかります。)
車について話す場面です。主語が人ではなく機械になると、warm up は本来の「温まる」の意味で使われます。
あわせて覚えたい関連表現
warm up to someone
(人に打ち解ける、人に好意を持つようになる)
warm up to は、「誰に打ち解けるのか」を to の後ろで示す形です。takes a little time to warm up は、「打ち解けるまでに時間がかかる」という性質を説明する言い方で、to の後ろに人を続けて組み合わせることもできます。
slow to warm up
(打ち解けるのが遅い)
be slow to warm up の形で、性格を表す言い方です。takes a little time to warm up は「少し時間をかければ大丈夫」という前向きな含みが出やすいのに対し、slow to warm up は打ち解けにくい性質そのものを述べる言い方です。
come out of one’s shell
(殻を破って打ち解ける、心を開く)
内気な人が積極的になる変化そのものを指す表現です。takes a little time to warm up は、その変化に少し時間がかかることを伝えます。
Note|「温まる」と「打ち解ける」のあいだにある意味の動き
warm up は、主語によって訳し分けが必要な動詞句です。同じ warm up でも、主語が機械なのか人なのかで、日本語にしたときの言葉が変わります。
主語がエンジンや部屋、体などの場合、warm up は「温まる」と訳せます。今回の例文にある The engine takes a little time to warm up. の場合、機械が温度を上げて動きやすい状態になることを表します。
主語が人の場合、warm up は「打ち解ける」「なじむ」と訳したほうが自然です。ただし、温度のイメージはそのまま残っています。冷えていた状態から、時間をかけて動きやすい状態に変わる、という点は共通しています。
「温まる」から「打ち解ける」へと訳が変わるのは、冷えた状態から動きやすい状態への変化という共通のイメージが、人の気持ちにも当てはまるためです。主語が人か機械かを確認すれば、どちらの訳を選べばよいか判断できます。
キャメロンが言った she just takes a little time to warm up は、主語が人の例です。「彼女は温まるのに少し時間がかかる」と直訳すると不自然になるため、「打ち解けるまでに少し時間がかかる」と訳すことで、日本語として自然な取りなしの言葉になります。訳し分けの感覚をつかんでおくと、同じ動詞句が出てきたときに迷わず選べるようになります。
まとめ|少し待てば、打ち解ける
takes a little time to warm up は、人が打ち解けるまでに少し時間がかかることを、前向きな含みを持たせて伝える表現です。「take(s) (a little) time to + 動詞」の形を使い、warm up が人を主語にして「打ち解ける」を表します。
人見知りの相手を紹介する場面や、初対面の相手の反応を気にしている人に、心配しなくていいと伝える場面にも向いています。主語がエンジンなら「温まる」と、主語が人なら「打ち解ける」と訳し分けられます。
グロリアのことを気にするテディに、キャメロンが言葉を探しながら伝えた一言には、この表現の取りなしの気持ちが詰まっていました。身近な人を紹介するときの言い回しとして、表現の引き出しに加えてみてください。


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