海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン7第12話は、ジェイの引退初日から始まる一日を描きます。ジェイの身に何か起きる夢を見て落ち着かないグロリアに、ミッチェルが自分なりの見立てを伝え、助言する場面があります。
悩みを打ち明けられたとき、決めつけず、押しつけずに言葉を返すのは英語でも難しいものです。ミッチェルの言葉から、相手の不安を受け止める言い方と、提案の伝え方を見ていきます。
「Maybe you’re afraid that」で不安を言い当てる
この日はジェイの引退初日です。家族が集まった席で、ミッチェルはこう乾杯の言葉を切り出します。
Mitchell: I’d like to toast my dad on his first day of retirement.
(父さんの引退初日に乾杯したいと思います。)Modern Family Season7 Episode12 (Clean for a Day)
その後、グロリアは、ジェイが高いところから落ちる夢を見たことを気にかけています。その話を受けたミッチェルは、夢の意味について自分の見立てを語り始めます。
Mitchell: Gloria, dreams don’t predict the future. They’re windows into the subconscious. Maybe falling from a great height is about my dad retiring.
(グロリア、夢は未来を予言したりしないよ。潜在意識をのぞく窓なんだ。高いところから落ちるっていうのは、父さんの引退のことかもしれない。)Gloria: You think?
(そう思う?)Mitchell: Yeah, it could be. He’s no longer a big shot in the closet industry, which is apparently a thing. Maybe you’re afraid that the two of you are growing apart.
(うん、ありうるよ。父さんはもうクローゼット業界の大物じゃない。そんな業界があるらしいけどね。もしかしたら、二人の心が離れていくのが怖いんじゃないかな。)Gloria: It’s happening already.
(もう、そうなってるのよ。)Modern Family Season7 Episode12 (Clean for a Day)
ミッチェルはまず、dreams don’t predict the future と、夢をそのまま予言として受け取らないよう促すところから話を始めます。続く They’re windows into the subconscious. は、夢を「潜在意識をのぞく窓」にたとえた、ミッチェルなりの見立てです。不安そのものを否定するのではなく、見方を変える言葉から入っている点がポイントです。
Maybe ~ is about ~ は「〜は…のことかもしれない」と、あくまで一つの解釈として示す形です。グロリアの You think? は「そう思う?」と相手の考えを確かめる短い聞き返しで、ミッチェルは Yeah, it could be.(うん、ありうるよ)と可能性を認めて答えます。断言しないこの受け答えが、相談の場の空気をやわらかく保っています。
Maybe you’re afraid that ~ は、相手の気持ちを決めつけずに言い当てるときの言い方です。grow apart は「(人と人の)心が離れていく、疎遠になる」という意味で、夫婦や友人について使われます。グロリアの It’s happening already. は、already を添えて「もう始まっている」と返す形で、ミッチェルの見立てを受け入れています。
自分の会話に置き換えるなら、Maybe you’re afraid that you’ll lose touch with your friends after you move.(引っ越したら友だちと疎遠になるのが怖いのかもね。)のように使えます。
「you may have to」で受け入れやすい提案をする
ミッチェルの見立てを受けて、グロリアはこの日の不満を口にします。グロリアは、ジェイがゴルフに出かけたと思っています。
Gloria: Today we could have done all sorts of fun things together and he decided to go golfing! We could have gone to dance classes, the arboretum, the art gallery!
(今日は二人でいろんな楽しいことができたのに、あの人はゴルフに行くって決めたのよ! ダンス教室にも、植物園にも、美術館にも行けたのに!)Mitchell: You’re kind of swimming upstream with those. Look. If if you want him to do the things that you love, you may have to learn to do the things that he loves.
(それはちょっと流れに逆らってる気がするな。いいかい。自分の好きなことを父さんにしてほしいなら、父さんの好きなことを自分も覚えなきゃいけないかもしれないよ。)Gloria: Like what? Golf?
(たとえば? ゴルフ?)Modern Family Season7 Episode12 (Clean for a Day)
could have done は「〜できたのに(実際にはしなかった)」という、過去についての仮定の形です。グロリアは、ダンス教室や植物園、美術館と、二人でできたはずのことを並べています。実際にはジェイはゴルフではなく飛行訓練に出かけていますが、グロリアはそれを知らないまま話しています。
ミッチェルの swim upstream は「流れに逆らって泳ぐ」が文字どおりの意味で、「無理のあることをする、うまくいきにくい」という意味の比喩表現です。そこに kind of(ちょっと)を添えて、「それは難しい」という指摘をやわらげています。those は、グロリアが挙げたダンス教室などを指しています。
続く Look. は「いいかい」と大事な話を切り出す合図です。そのうえで、If you want him to ~, you may have to ~ と、条件と提案をセットにして伝えます。have to だけなら「〜しなければならない」と強く響きますが、may を加えることで「〜する必要があるかもしれない」と、相手が受け入れやすい形になります。
グロリアの Like what? は「たとえば?」と具体例を求める聞き返しで、すぐに Golf? と自分で候補を挙げます。提案が抽象的なときに、この一言があると話が前に進みます。
似た場面では、If you want your kids to read more, you may have to start reading yourself.(子どもにもっと本を読んでほしいなら、まず自分が読み始める必要があるかもね。)のように応用できます。
まとめ|見立てと提案をやわらかく
Maybe you’re afraid that ~ で相手の不安を言い当て、kind of で指摘をやわらげ、If you want ~, you may have to ~ で条件付きの提案を示す。ミッチェルの言葉には、相談に乗るときの言い方がまとまって表れています。
これからも『モダンファミリー』と一緒に、家族の会話から英語の言い回しを学んでいきましょう。
ジェイの飛行訓練をめぐる場面の英語は、同じ回のほかのコラムで扱っています。


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