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『モダンファミリー』シーズン7第12話では、引退したジェイが、ずっと夢だった飛行機の操縦を習い始めます。その話を聞いていたキャメロンは、グロリアが見た悪い夢を知って、ジェイを止めようとします。
心配だからやめてほしいと伝えるのは、相手の楽しみに水を差すようで言い出しにくいものです。この回には、遠回しに止める言い方、それを受け流す言い方、それでも引き下がらない言い方がそろっています。
「You’re not gonna want to」で先回りして止める
ジェイはキャメロンに、ゴルフに行くのではなく、初めての飛行訓練を受けると打ち明けていました。飛行機に乗り込む直前、キャメロンはジェイにこう切り出します。
Cameron: You’re not gonna want to get in that plane. Gloria had a terrible dream where you fell from a great height and died.
(その飛行機には乗りたくなくなると思うよ。グロリアがひどい夢を見たんだ。ジェイが高いところから落ちて死んじゃう夢を。)Jay: All right, Gus. Up, up, and away.
(よし、ガス。さあ、飛び立とう。)Cameron: No, Jay, she seemed pretty upset, and if something were to happen
(いや、ジェイ、グロリアはかなり動揺してたし、もし何かあったら)Jay: She’s always dreaming about me dying.
(あいつはいつも俺が死ぬ夢を見てるんだ。)Modern Family Season7 Episode12 (Clean for a Day)
You’re not gonna want to ~ は直訳すると「あなたは〜したくなくなるだろう」です。「乗らないで」と命令する代わりに、相手の気持ちを先回りして言い当てる形にすることで、止めたい気持ちを少しやわらげて伝えられます。gonna は going to のくだけた発音を表したつづりです。
if something were to happen は、仮定法の were to を使った「万一何かあったら」という意味になります。起こってほしくない事態を口にするときによく使われ、ここでは言い切る前に途切れています。最悪の結果を最後まで言わないことで、かえって心配の大きさが伝わる場面です。
一方のジェイは、All right, Gus. と教官に声をかけ、キャメロンの話には取り合いません。キャメロンが言いかけた心配も、She’s always dreaming about me dying. の一言で片づけてしまいます。命令ではなく先回りの形、言い切りではなく仮定の形と、止める側が言葉をやわらげて選んでいることが、このやりとりから分かります。
「thanks for your concern」で受け流す
キャメロンの心配に対して、ジェイは自分の考えをこう返します。
Jay: I’m more worried about dying from boredom in retirement than from a fiery crash. Now, thanks for your concern.
(炎上する墜落より、引退して退屈で死ぬほうがよっぽど心配だよ。さあ、心配してくれてありがとな。)Modern Family Season7 Episode12 (Clean for a Day)
I’m more worried about A than B は「BよりAのほうが心配だ」という比較の形です。相手が心配する B を否定するのではなく、自分にとってはもっと大きな心配 A があると示すことで、話の重心をずらしています。引退後の退屈を持ち出すところに、ジェイが飛ぶことにこだわる理由が表れています。日常でも I’m more worried about being late than getting a little wet.(少し濡れるより、遅刻するほうが心配だ。)のように、自分の優先順位を示すときに使えます。
Thanks for your concern. は「心配してくれてありがとう」という感謝の言葉ですが、Now を前に置いたこの場面では、話をここで終わりにしたい合図として働いています。感謝の形をとりながら、やんわりと会話を締めくくっているわけです。言い方や場面によっては素っ気なく聞こえることもあるので、本当に感謝を伝えたいときは I appreciate your concern, but I’ll be fine.(心配してくれるのはありがたいけど、大丈夫だよ。)のように、後ろに一言添えると印象がやわらぎます。
「I’m not going anywhere」で引き下がらない
ジェイが別れを告げても、キャメロンはその場を離れません。
Jay: Anyway, bye, Cam.
(とにかく、じゃあな、キャム。)Cameron: No, you know what? I’m not going anywhere, because in Gloria’s dream, I was alive. So if I’m with you, this plane can’t go down.
(いや、ねえ、僕はどこにも行かないよ。だってグロリアの夢の中では、僕は生きてたんだから。僕が一緒にいれば、この飛行機は落ちないってことさ。)Modern Family Season7 Episode12 (Clean for a Day)
I’m not going anywhere. は直訳すると「どこにも行かない」で、「ここを離れない」「引き下がらない」という意思を表す言い方です。you know what? は「あのね」と、これから自分の考えを言うと切り出す前置きとして使われます。You know what? I’ll come with you.(ねえ、僕も一緒に行くよ。)のように、考えを切り替えて何かを申し出るときにもよく合います。
キャメロンは、夢の中で自分が生きていたことを根拠に、一緒にいれば大丈夫だという独自の理屈を組み立てています。止めるのが無理なら付いていく、という発想の切り替えが面白いところです。
後の場面では、ジェイ自身がグロリアから同じような心配を向けられます。
Gloria: I don’t want you flying around in a little plane, either.
(あなたが小さな飛行機で飛び回るのも嫌なの。)Jay: Well, it’s kind of my life’s dream, but if you want me to stop, I’ll do it for you.
(まあ、一応は俺の人生の夢なんだが、やめてほしいなら、お前のためにやめるよ。)Modern Family Season7 Episode12 (Clean for a Day)
I don’t want you to ~(ここでは flying の形)は、相手にしてほしくないことを率直に伝える形です。受ける側の if you want me to stop, I’ll do it for you は、相手の気持ちを優先して譲るときの返し方として覚えておけます。止めたい側の I don’t want you と、止められる側の if you want me が、ちょうど対になっています。
まとめ|止める・受け流す・譲る
遠回しに止める You’re not gonna want to ~、受け流す thanks for your concern、引き下がらない I’m not going anywhere、そして譲る if you want me to stop。心配をめぐる言葉には、立場ごとにさまざまな言い方があると分かります。
『モダンファミリー』を観ながら、家族の思いやりがどんな英語で交わされているのかにも注目してみましょう。
同じ回のほかのコラムやフレーズ記事では、片づけをめぐる夫婦の言い合いなど、別の場面の英語も取り上げています。


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