海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ビッグバン★セオリー』シーズン10 第15話から、helpとhelp outの違いを取り上げます。この回では、装置の小型化に取り組むレナードとハワードが、列車に夢中のシェルドンに手を貸してほしいと頼み込みます。
同じ「助ける」でも、help outには少し違う響きがあります。断る側と引き受ける側の返事とあわせて、場面に沿って見ていきます。
「help」は動詞にも名詞にもなる基本の語
キッチンの場面で、ラージはプリスクールの順番待ちについて助言しますが、バーナデットにきつく返され、Just trying to help.(助けようとしただけだよ)と言います。主語を省いた短い形で、善意を伝える一言です。
別の場面では、ハワードが階段でレナードに、シェルドンに戻ってもらって help us(僕らを助けて)と頼まなければならないことを嘆きます。help の後に助ける相手を置く、最も基本の形です。行き詰まった後の別の場面でも、ハワードは別の理論物理学者に help us(助けて)もらう案を出し、レナードに機密だから話せないと返されています。
女子会に出かけたバーナデットの電話には、家で赤ちゃんの世話をしているラージとスチュアートの声が届きます。
Stuart: Hang up, we don’t need help.
(電話切っていいよ、助けなんて要らないから。)Raj: I don’t need your help deciding when we need help!
(いつ助けが要るかを決めるのに、君の助けは要らないよ!)TBBT Season10 Episode15
ここでの help は名詞です。need help(助けが要る)と your help ~ing(〜するための君の助け)が一文に重なり、言い合いのおかしさが生まれています。
「help out」は困っている状況に手を貸す
階段の場面に戻ると、レナードはシェルドンに、大佐が装置をもっと小さくしたがっていて、シェルドンなしではできないと頼みます。それに対するシェルドンの返事と、レナードの頼み直しです。
Sheldon: Well, I would love to help you, but since I discovered the satisfaction of working with my hands on a train engine, I don’t think I can go back to theory.
(まあ、ぜひ君たちを助けたいところだが、列車のエンジンを自分の手で扱う満足感を知ってしまったので、理論に戻れるとは思えない。)Leonard: Sheldon, you can still go on the trip in a few weeks. Just help us out.
(シェルドン、数週間後の旅行にはそれでも行けるよ。とにかく手を貸してくれ。)Sheldon: Sorry. I need to work on this engine so when I get to the train yard I won’t look foolish.
(申し訳ない。操車場に着いたときに恥をかかないよう、このエンジンに取り組む必要がある。)TBBT Season10 Episode15
help は「助ける」の広い意味をそのまま表します。一方 help out は、手が足りない・困っているという状況に手を貸すニュアンスで使われることが多い表現です。目的語が代名詞なら help us out のように間に入ります。レナードは Just を添えて、頼みを重ねています。
help は「誰を助けるか」を中心に置く語で、help me や help them のように目的語を変えて幅広く使えます。help out は、Could you help out at the event?(イベントで手伝ってもらえる?)のように、目的語なしで「人手として加わる」意味にも使えます。
I would love to ~, but ~ は、気持ちは前向きだと示してから断る型です。シェルドンは理由を述べ、二度目の頼みにも Sorry. と短く断っています。
引き受ける返事と「help 人 do」
この後、レナードとハワードは別の場面で、わざと間違った計算をシェルドンに見せて直させる段取りを立てます。シェルドンとエイミーの部屋で間違いを指摘したシェルドンに、ハワードは Can you fix it for us?(直してくれない?)と頼み、シェルドンは this is the last time(これが最後だ)と念を押して引き受けます。
Can you fix it for us? の for us は「僕らの代わりに」の意味で、作業を相手に任せる頼み方です。help us fix it と言えば、一緒に直すのを手伝ってもらう形になります。さらにレナードは、help us build(作るのを手伝う)と誘います。help 人 do は「人が〜するのを手伝う」で、do の前の to は省かれています。
Leonard: So, what do you say?
(で、どうする?)Sheldon: Oh, what choice do I have? You need me. I’m like the crankshaft of this team.
(ああ、選択の余地などあるか?君たちには僕が必要だ。僕はこのチームのクランクシャフトのようなものだ。)TBBT Season10 Episode15
what choice do I have? は「選びようがないだろう」と、しかたない体で引き受ける返事です。You need me. は、頼まれる側から見た help の裏返しとして読めるのが面白いところです。
まとめ|助ける語と、手を貸す語
helpは「助ける」の基本語で、help 人やhelp 人 do、名詞としても使えます。help outは困っている状況に手を貸す響きがあり、Just help us outのように頼みを重ねる場面に合う形です。断る I would love to ~, but と、引き受ける what choice do I have? も押さえておくと便利です。
列車に夢中のシェルドンと二人のやり取りから、helpの使い分けが見えてきます。
この話を起点にしたほかのコラムやフレーズ記事も、別の角度からこの回の英語を扱っています。


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