「if I may」目上の相手に丁寧に異を唱えるときの前置き|『ビッグバン★セオリー』S10E15で学ぶ英会話

『The Big Bang Theory』コラム: 「if I may」目上の相手に丁寧に異を唱えるときの前置き|『ビッグバン★セオリー』S10E15で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回は『ビッグバン★セオリー』シーズン10 第15話から、目上の相手に反対意見を伝えるときの前置き if I may を取り上げます。空軍との共同研究の場面で、レナードとハワードは「装置をこれ以上小さくしなくていい」という同じ意見を、相手によって言い分けています。

同僚に向けた率直な言い方と、大佐に向けた丁寧な言い方を見比べると、前置きと根拠の置き方の違いが見えてきます。

目次

同僚には「That’s great, but」で率直に

冒頭のラボの場面で、シェルドンは計算を見直した結果、装置を8〜10%小さくできると言い出します。これを受けたレナードとハワードの返事が次のやり取りです。

Leonard: That’s great, but the Air Force approved the specs. We’re good to go.
(それはすごいけど、空軍は仕様を承認してるんだ。このままで準備は万端だよ。)

Howard: Yeah. It doesn’t need to be smaller.
(そうだよ。小さくする必要はない。)

TBBT Season10 Episode15

That’s great, but ~ は、相手の提案をいったん受け止めてから反対を述べる型です。レナードは空軍が仕様を承認しているという事実を理由に挙げ、We’re good to go.(準備は整っている)で話を締めています。ハワードの It doesn’t need to be ~ は、「〜である必要はない」と結論だけを短く伝える形です。

同じ場面の少し後で、ハワードはシェルドンに小さくする必要はないと重ねて言い、Go home.(家に帰れ)とまで告げます。前置きを挟まずに結論から入るのは、気心の知れた同僚同士だから成り立つ言い方と言えます。自分で使うなら、That’s a great idea, but we’re already on schedule.(いい案だけど、もう予定どおりなんだ)のように、but の後に理由を一つ置くと角が立ちにくくなります。

大佐には「Sir, if I may」と根拠を添えて

別の場面で、ラボに空軍のウィリアムズ大佐が進捗を確かめに来ます。シェルドンは自宅でマニュアルを勉強中で、その場にいません。大佐は装置をさらに小さくするための計算に目を留め、それが欲しいと言い出します。

ハワードは agreed upon specs(合意済みの仕様)をすでに満たしていると反対し、新しい計算には weeks’ worth of(何週間分もの)作業が要ると続けます。大佐が計算は別の人物にやらせればいいと返すと、レナードが口を開きます。

Leonard: Sir, uh, if I may, uh, we’ve put a lot of thought and effort into this current prototype. It’s a really elegant solution, and most importantly, it works.
(失礼ですが、えー、もしよろしければ、えー、私たちはこの現行の試作機に多くの検討と労力を注いできました。とても洗練された解決策ですし、何より、ちゃんと機能します。)

TBBT Season10 Episode15

if I may は「もしよろしければ」にあたる前置きで、後ろの say so や add something などが省かれた形と説明されます。意見を差し挟む前に発言の許可を求める形をとるため、目上の相手や改まった場に向く前置きです。

その後には根拠が三つ続きます。put a lot of thought and effort into ~(〜に検討と労力を注ぐ)で手間を、elegant solution(洗練された解決策)で質を示し、最後に most importantly, it works で一番の論点を置いています。If I may, I’d like to suggest another approach.(よろしければ、別の進め方を提案させてください)のように、提案を続ける形も自然です。

「You both make excellent points」は受け止めの言葉

レナードの後にハワードも反論を重ね、大佐がそれに答えます。

Howard: Okay, but that’s just a theory. It’s not even a complete thought.
(分かりました、でもそれはただの理論です。まだ考えとしてまとまってもいません。)

Col Williams: You both make excellent points, and thank you for presenting it so articulately. Make this.
(二人とももっともな指摘だ。筋道立てて説明してくれて感謝する。これを作れ。)

TBBT Season10 Episode15

make a point は「もっともな指摘をする」という意味で、You make a good point.(いい指摘だね)の形で相手の意見を認めるときに使えます。大佐は excellent で強め、thank you for presenting it so articulately と礼まで添えていますが、最後の一言は Make this. です。You both で反論した二人をまとめて受け止めている点も、この返し方の特徴です。丁寧な受け止めの言葉が、そのまま結論の変更を意味するとは限らないという対比が印象的です。

ハワードの It’s not even a complete thought. は、案がまだ形になっていないという反論です。少し前のレナードの It’s just a theory. と同じく、二人とも案の未完成さを理由にしています。

まとめ|前置きと根拠で丁寧さを調える

同僚には That’s great, but で率直に、目上の相手には Sir, if I may の前置きに労力・質・実績という根拠を添える。反対の中身は同じでも、相手によって言葉の量を変える工夫が見えてきます。受け止める側の You both make excellent points も、流れをつかむ手がかりになります。

次回も『ビッグバン★セオリー』と一緒に英語を学んでいきましょう。

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