海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン8第2話では、ジェイとグロリアの幼い息子ジョーが「外で暮らしたい」と言い出します。グロリアはやめさせようとしますが、ジェイの昔話は援護にならず、最後には話が思わぬ方向へ転がります。
子どもの突拍子もない宣言に、英語ではどう返すのでしょうか。この回には、話を打ち切る一言から、援護を頼む言い方、きっぱり言い切る形までがそろっています。
「we’re not having that argument anymore」で話を打ち切る
朝、ジョーが自分の希望を口にするところから始まります。
Joe: I want to live outside.
(お外で暮らしたい。)Gloria: No, Señor, we’re not having that argument anymore.
(だめよ、坊や。その言い合いはもうしないの。)Joe: Mowgli lives outside.
(モーグリはお外で暮らしてるもん。)Modern Family Season8 Episode2 (A Stereotypical Day)
have an argument は「言い合いをする」で、argument は激しいけんかだけでなく、意見がぶつかるやりとり全般に使えます。グロリアの we’re not having that argument は現在進行形を使って「その言い合いはしないことにしている」と、すでに決まった方針として伝える形です。
ポイントは anymore です。「もう〜しない」という意味なので、同じ言い合いが以前にもあったことがこの一語から読み取れます。何度も持ち出される話題を打ち切りたいとき、We’re not having this conversation again. のように again を使う言い方もあります。
that argument の that にも注目です。目の前のやりとりを「例のあの言い合い」とまとめて指すことで、議論の中身に入らずに済ませています。理由を一から説明し直すのではなく、話題そのものを閉じる返し方と言えます。
対するジョーは、物語の登場人物の名前を挙げて Mowgli lives outside. と言い返します。「〇〇だってそうしている」と別の誰かを引き合いに出して希望を通そうとする返し方で、短い一文でも粘り強さが伝わってきます。
「tell him he can’t」で援護を頼む
ジョーが引き下がらないため、グロリアはジェイに助けを求めます。ところがジェイは、自分の子ども時代の話を始めます。
Gloria: Jay, tell him he can’t.
(ジェイ、だめだって言ってやって。)Jay: First time I saw Tarzan, I wanted to live outside.
(俺も初めてターザンを見たときは、外で暮らしたくなったもんだ。)Jay: Dad said fine.
(親父は「いいぞ」と言った。)Jay: I walked in the woods, met a hobo.
(森を歩いて、放浪者に会った。)Jay: Taught me how to open a can with a bird’s beak.
(鳥のくちばしで缶を開ける方法を教わったよ。)Gloria: That story’s not helping!
(その話、全然助けになってない!)Joe: I’m doing it.
(やるもん。)Gloria: No! Jay!
(だめ! ジェイ!)Modern Family Season8 Episode2 (A Stereotypical Day)
tell him he can’t は「彼に、だめだと言って」で、he can’t の後ろにある live outside が省かれています。直前の話題が明らかなときは、このように助動詞で文を止めるのが自然です。第三者に「あなたからも言って」と頼む形なので、自分ひとりでは説得しきれないときの援護要請として使えます。
ジェイの Dad said fine. は「父さんはいいと言った」です。say fine で「許可する、OKを出す」の意味になり、許可した側の言葉をそのまま報告する言い方として覚えやすい形です。ジェイの昔話は、外で暮らしたい気持ちに理解を示す内容になっていて、グロリアの頼みとは逆向きに働きます。
そこでグロリアが返すのが That story’s not helping! です。not helping は「役に立っていない、むしろ逆効果だ」という口語的な言い方で、援護のつもりの発言が裏目に出たときにぴったりです。続くジョーの I’m doing it. は、現在進行形で「もうやると決めた」という決意を示しています。
「you’re not going to ~」と「That’s it.」
別の場面で、グロリアはジョーにきっぱり言い渡します。
Gloria: Joe, you’re not going to live outside!
(ジョー、外で暮らしたりしないの!)Joe: Fine!
(わかったよ!)Modern Family Season8 Episode2 (A Stereotypical Day)
you’re not going to ~ は、本来は「あなたは〜しないだろう」という予測の形ですが、親が子どもに強い調子で言うと「〜させない」という宣言になります。You can’t よりも、結論はもう出ているという響きが強い言い方です。ジョーの Fine! は「わかったよ」と不満を残しつつ引き下がる返事で、短い一語にも気持ちが表れます。
ところが話はここで終わりません。夜、カメラの映像を見たジェイが気づいたことをきっかけに、グロリアは朝とは逆のことを言い出します。
Gloria: That’s it.
(もういいわ。)Gloria: He lives outside now.
(あの子はこれから外で暮らすの。)Gloria: Come.
(来て。)Gloria: We’ll watch him from the cameras.
(カメラで見ていればいいわ。)Modern Family Season8 Episode2 (A Stereotypical Day)
That’s it. は「もうたくさん」「これで決まり」と、態度を切り替える合図になる一言です。続く He lives outside now. は現在形と now の組み合わせで、「これからはそういうことにする」と決定事項として言い渡しています。you’re not going to live outside と言い切っていた人物が、同じ動詞で正反対の結論を口にする構図が、この筋の落ちになっています。
まとめ|子どもの思いつきに返す英語
we’re not having that argument anymore で話を打ち切り、tell him he can’t で援護を頼み、you’re not going to ~ で言い切る。子どもの希望に向き合う親の英語が、ジョーをめぐる短いやりとりにまとまっています。
ジョーの一言にジェイとグロリアが振り回されていく様子も、この家族らしい見どころと言えます。
use の使い分けや、イライラして言いすぎたときの英語は、同じ回のほかのコラムで、個々の表現の意味はフレーズ記事で取り上げています。


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