「in the spirit of」の意味と使い方|『モダンファミリー』S08E02で学ぶ英会話

「in the spirit of」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

つらかったことを認めつつ、立派な理由を添えて「受け入れたよ」とまとめてしまうことはありませんか。

そんなときに使える「in the spirit of」を、『モダンファミリー』シーズン8第2話の後半、ミッチェルとキャメロンがカメラに向けて語る場面から、一緒に見ていきましょう。

目次

「in the spirit of」の意味とニュアンス

in the spirit of
意味:〜の精神で、〜の気持ちで、〜の趣旨にそって

in the spirit of は、「〜という気持ち・理念・趣旨にそって」行動することを表す前置詞句です。spirit は「精神、気持ち」、in は「〜の中で」という意味で、「〜という気持ちの中で動く」という組み立てが、そのまま意味になっています。

of のあとには、friendship、fairness、teamwork のように、理念や気持ちを表す名詞が来ます。In the spirit of fairness, let’s hear both sides. なら、「公平を期して、双方の言い分を聞こう」という意味です。実際の行動に、その理念を理由づけとして添える言い方になります。

文の中での位置は、文頭に置いて前置きにする形と、行動の説明に続けて添える形の二通りです。文頭に置くと、「〜ということで」という切り出しの役目を果たします。今回の台詞のように、but のあとへ挟み込む形もあり、前の内容との対比をつけながら理由を添えられます。

理念を表す名詞を差し替えるだけで、さまざまな場面の行動に気持ちの理由を添えられるのが、この形の使いやすさです。訳は「〜の精神で」が基本ですが、場面によっては堅く響くので、「〜の気持ちで」「〜ということで」「〜を考えて」と軽さを調整します。

【ここがポイント!】

  • 「in the spirit of」の核は、理念や気持ちを掲げて行動するという組み立て
  • of のあとに friendship や fairness など、気持ちを表す名詞を置く形
  • 文頭の前置きにも、文中の理由づけにも使える表現

『モダンファミリー』S08E02のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

ミッチェルが、二人の飾った絵をめぐる出来事を振り返るように語り、そこへキャメロンが冗談を重ねます。フレーズは、ミッチェルの最初の一言に出てきます。

Mitchell: It was hard for us to hear, but in the spirit of tolerance, we accepted the fact that a 9-year-old might not want to fall asleep under the watchful eyes of her half-naked fathers.
(聞くのはつらかったけれど、寛容の精神で、僕たちは受け入れたんだ。9歳の子が、半裸の父親たちに見守られながら眠りにつきたくないかもしれない、という事実をね。)

Cameron: Call the Sistine Chapel. I guess art is out.
(システィーナ礼拝堂に電話しなきゃ。もう芸術はお呼びじゃないみたいだ。)

Modern Family Season8 Episode2 (A Stereotypical Day)

シーン解説と心理考察

ミッチェルの台詞は、It was hard for us to hear, but と、つらかったという事実を先に述べるところから始まります。そのあとに in the spirit of tolerance と、本来は前向きな理念を表す言葉を置き、「寛容の精神で受け入れた」と続けます。つらさを認めたうえで、立派な言葉でそれを包む組み立てです。

この組み立てが、台詞のおかしさを支えています。tolerance は「寛容」を表す、やや改まった名詞です。そこに続くのが、we accepted the fact that … と、長く丁寧に言い切る言い回しで、理念を掲げて受け入れたことを、大げさなほど整った形で語っています。堅い言葉の並びが、語りの皮肉な調子を際立たせています。

そこにキャメロンが、Call the Sistine Chapel. と重ねます。システィーナ礼拝堂に電話をかけろ、という言い方で、大げさな嘆きの冗談になっています。続く I guess art is out. で、芸術はもう用済みだ、と締めます。ミッチェルが理念の言葉で受け入れたことを語ったあとで、キャメロンが芸術の側から嘆きを足す役割分担が、会話の温度を変えています。

二人の語りでは、寛容という立派な言葉と、芸術という大きな言葉が、台詞の中心に置かれています。大げさな言葉を重ねることで、出来事が軽やかな笑い話の形に整えられていく語り口が、台詞の組み立てから見えてきます。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

in the spirit of は、「友情」「公平」といった言葉を書いた旗と、その旗の下で動く人たちの組み合わせで覚えられます。spirit は「気持ち、精神」、in は「その中で」。旗の言葉が示す気持ちの中で動く、という像が、「〜の精神で」という意味につながります。

ミッチェルの台詞では、その旗に tolerance という大きな言葉が掲げられています。掲げられた言葉が立派であるほど、その下で語られる出来事とのあいだに、おかしみが生まれます。旗と行動をセットで頭に描き、旗の側に of のあとの名詞が入る、と整理しておくと、形も意味も一緒に残ります。

例文で覚える「in the spirit of」

友人との日常、会議、同僚との会話を例に、in the spirit of を置く位置ごとに使い方を見ていきます。

We shared the snacks in the spirit of friendship.
(友情の気持ちで、お菓子を分け合った。)
行動の気持ちを説明する日常の場面です。行動の説明に続けて添えると、なぜそうしたのかという理由づけの役目を果たします。

In the spirit of fairness, let’s hear both sides first.
(公平を期して、まず双方の言い分を聞こう。)
会議で意見を整理する場面です。文頭に置くと、これから述べる提案の前置きになります。

A: Why did you bring coffee for everyone?
B: In the spirit of the holidays, I wanted to do something nice.
(A:どうしてみんなにコーヒーを持ってきたの?)
(B:休暇の気分で、ちょっとした親切をしたくてね。)
同僚に差し入れの理由を話す会話です。理由を問う質問への答えに使うと、気持ちを添えた説明になります。

あわせて覚えたい関連表現

in the interest of
(〜のために、〜を考えて)
in the interest of は、〜の利益や目的のためにという理由を示します。in the spirit of が、行動の背景にある気持ちや理念を示すのに対し、こちらは目的や利益に重点があります。

for the sake of
(〜のために)
for the sake of は、〜を良くする、守る目的を表します。in the spirit of が、その行動を貫く理念や雰囲気を表す点で、焦点が異なります。

in keeping with
(〜にそって、〜に合わせて)
in keeping with は、決まりや雰囲気に調和していることを表します。in the spirit of が気持ちや理念にそって行動することを表すのに対し、こちらは調和している状態を述べます。

Note|「〜の精神で」と訳すと堅くなる、in the spirit of の日本語の選び方

in the spirit of は、「〜の精神で」と訳すと、日本語としては少し堅くなる場面があります。構成している語の意味と、台詞の使い方を手がかりに、訳し分けを整理します。

spirit は「精神、気持ち、趣旨」といった幅のある語です。「精神」と訳すと、理念や信条のような重い響きになります。「気持ち」と訳せば、軽い善意や雰囲気を示せます。「趣旨」なら、決まりや目的にそって、という意味に寄ります。同じ in the spirit of でも、of のあとの名詞と場面によって、どの訳が合うかが変わります。

In the spirit of friendship なら「友情の気持ちで」、In the spirit of fairness なら「公平を期して」と、名詞に合わせて日本語の形を変えます。文頭に置かれたときは、「〜ということで」「〜にならって」と、前置きとして訳すこともできます。

ミッチェルの台詞では tolerance と組み合わさっているため、「寛容の精神で」という堅めの訳が合います。この堅さが、大げさに理念を掲げる語り口を表すうえで役に立っています。軽い場面で同じ訳を使うと、重く聞こえすぎることがあるので、日本語の側で重さを調整します。

堅い訳か、軽い訳か。選ぶときは、of のあとの名詞と、場面の重さを見ます。

まとめ|立派な言葉で包む、語りの一言

in the spirit of は、理念や気持ちを掲げて行動することを表す前置詞句です。of のあとに friendship や fairness のような名詞を置き、文頭の前置きにも、文中の理由づけにも使えます。

日本語にするときは、「〜の精神で」を基本にしながら、「〜の気持ちで」「〜ということで」へ訳し分けると、場面の重さに合った言い方になります。理念を表す名詞を差し替えるだけで、例文を作れる点も実用的です。

つらかった出来事を、寛容という大きな言葉で包んで語るミッチェルと、そこに冗談を重ねるキャメロン。二人の掛け合いには、in the spirit of が持つ「理念を掲げる」響きがそのまま生きています。

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