痛い処置を怖がる相手をなだめるときの英語|『ビッグバン★セオリー』S10E08で学ぶ英会話

『The Big Bang Theory』コラム: 痛い処置を怖がる相手をなだめるときの英語|『ビッグバン★セオリー』S10E08で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回は『ビッグバン★セオリー』シーズン10 第8話から、痛みを怖がる相手をなだめるときの英語を取り上げます。研究のために皮膚のサンプルを採られることになったシェルドンと、採る側のエイミーが、短い言葉をやり取りしながら場面を進めていきます。

怖がる側が何を確かめたがり、なだめる側がどう言葉を返すのか。前・最中・後という流れに沿って、声のかけ方を順番に見ていきます。

目次

前:「How much will it hurt?」への返し方

舞台はエイミーの研究室です。採取を前にしたシェルドンが、まず痛みの程度を確かめます。

Sheldon: How much will it hurt?
(どのくらい痛むのだ?)

Amy: It’s just a tiny skin sample. You saw me do it to myself.
(ほんの小さな皮膚のサンプルよ。私が自分でやるのを見ていたでしょう。)

TBBT Season10 Episode08

How much will it hurt?は、これから受けることの痛みの程度を前もって尋ねる質問です。willを使って、まだ起きていない痛みを確かめています。Is it going to hurt?(痛いの?)のように、going toで尋ねることもできます。

エイミーの返しには、なだめる言葉の基本が2つ入っています。1つはIt’s just ~で「ただの〜だよ」と相手の不安を小さく言い直すこと、もう1つはYou saw me do it to myself.で「自分でもやったのを見ていたでしょう」と実例を示すことです。justには「ほんの、ただの」と程度を小さく見せる働きがあり、tinyと重なることで、心配するほどのことではないという響きが強まっています。

続けてエイミーは、何十回もやってきたと前置きしたうえで、if you’re too scared you don’t have to(怖いならやらなくていい)と逃げ道も残します。無理強いせず、選ぶ余地を相手に残す一言です。これに対して、シェルドンは自分で決めて応じます。

Sheldon: No, this is for science. I can be brave for science.
(いや、これは科学のためだ。科学のためなら、僕は勇敢になれる。)

Amy: Thank you.
(ありがとう。)

TBBT Season10 Episode08

I can be brave for ~は「〜のためなら勇気を出せる」と、自分を奮い立たせる言い方です。断る道があると示されたことで、やると決めた側の言葉になっている点が面白いところです。エイミーのThank you.は、その決断への短い礼になっています。

最中と後:予告、カウントダウン、振り返り

続いてシェルドンはOh, jiminy, that’s cold.(うわっ、冷たい)と声を上げます。jiminyは軽い驚きを表す間投詞です。エイミーはJust think how happy you’ll be ~(〜したらどんなにうれしいか考えてみて)と、先の楽しみに気持ちを向けさせます。その後の短いやり取りがこちらです。

Sheldon: All right, just warn me before you do it.
(わかった、やる前に一言言ってくれ。)

Amy: Okay. Three, two, and we’re done.
(いいわ。3、2、はい終わり。)

Sheldon: You tricked me. You didn’t say one.
(だましたな。1と言わなかったじゃないか。)

Amy: It didn’t hurt, did it?
(痛くなかったでしょう?)

TBBT Season10 Episode08

warn me before you do itは、心の準備のために予告を頼む言い方です。エイミーは数え始めたものの、1を言う前にwe’re done(はい終わり)と済ませてしまいます。シェルドンのYou tricked me.(だましたな)はその抗議です。

最後のIt didn’t hurt, did it?は、文末にdid it?を添えた付加疑問で、「痛くなかったでしょう?」と相手に同意を求める形です。痛みを尋ねるというより、終わったことを確かめて安心させる働きをしています。

別の場面で、2人は研究室で実験の結果を確かめ、エイミーは見たことのない結果だと口にします。そのうえで、こう振り返ります。

Amy: Aren’t you glad you participated in this?
(参加してよかったでしょう?)

Sheldon: Oh, I am.
(ああ、よかったとも。)

TBBT Season10 Episode08

Aren’t you glad ~?は「〜してよかったでしょう?」とyesを見込んで尋ねる否定疑問です。答えるときはOh, I am.のように、gladを繰り返さずbe動詞だけで肯定できます。

段階 なだめる側 怖がる側
前 It’s just ~ / if you’re too scared you don’t have to How much will it hurt? / Just warn me before you do it. / I can be brave for ~
最中 Just think how happy you’ll be ~ / Three, two, and we’re done —
後 It didn’t hurt, did it? / Aren’t you glad ~? Oh, I am.

まとめ|前・最中・後で変わる声のかけ方

今回は、It’s just ~と逃げ道を示す返し方、最中のwarn meとカウントダウン、終わった後の付加疑問と否定疑問を見てきました。段階ごとに言葉を選ぶと、怖がる相手との会話が落ち着いて進みます。

とげを抜く、ばんそうこうをはがすといった身近な場面でも、同じ流れで言葉をかけられます。次回も『ビッグバン★セオリー』の会話から、短い一言の働きを追っていきましょう。

ほかのコラムやフレーズ記事でも、この回の英語表現をさまざまな角度から取り上げています。

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