「challenging」と「difficult」はどう違う?|『ビッグバン★セオリー』S10E22で学ぶ英会話

『The Big Bang Theory』コラム: 「challenging」と「difficult」はどう違う?|『ビッグバン★セオリー』S10E22で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回は『ビッグバン★セオリー』シーズン10 第22話から、「難しい」を表す英語の使い分けを取り上げます。対戦ゲームで年下の相手に負けたシェルドンは、脳を鍛えようと、クロワッサン作りやジャグリングに次々と手を出していきます。

その過程で交わされるのが、challenging、difficult、hard、demanding、daunting といった「難しさ」の言葉です。同じ「難しい」でも、選ぶ語によって話し手の構えが変わる様子を見ていきます。

目次

「challenging」は自分から求める前向きな難しさ

コミックブックストアの場面で、シェルドンはゲームでの負けを「屈辱」と振り返り、脳を comfort zone(居心地のよい範囲)の外へ押し出す必要があると語ります。別の場面、ハワード家のキッチンでは、その考えが習い事の条件として口にされます。

Howard: All right, this is everything. What do you want to learn?
(よし、これで全部だ。何を習いたい?)

Sheldon: It really doesn’t matter, as long as it’s challenging.
(何でも構わないよ。挑みがいのあるものでさえあればね。)

TBBT Season10 Episode22

challenging は「難しい」と訳されることが多い語ですが、一般に「骨は折れるが、取り組む価値がある」という前向きな含みを伴って使われます。as long as ~(〜でありさえすれば)と組み合わせることで、シェルドンが難しさを避けるどころか条件として求めていることが伝わってきます。

動詞の challenge も冒頭から登場しています。ゲームに負けた直後、ハワードは challenge them again(もう一度あいつらに勝負を挑め)とレナードに再戦の申し込みを促していました。challenge 系の語には、難しさに自分から向かっていく向きが含まれていると言えます。

「daunting」「demanding」「hard」で難しさの種類を言い分ける

ラージからクロワッサン作りを教わる場面では、エイミーに、これも脳を鍛える取り組みの一環かと聞かれたシェルドンがこう答えます。

Sheldon: Yes. Yeah, it seemed daunting at first, but then I realized, it’s like the chemistry set I had as a kid.
(ああ。そう、最初は手ごわそうに思えた。だがそのうち、子どもの頃に持っていた化学実験セットと同じだと気づいたんだ。)

TBBT Season10 Episode22

daunting は、取りかかる前に気後れするほどの難しさを表します。at first(最初は)と組み合わせると、「始める前は身構えていたが、やってみたら違った」という流れが作れます。

ハワード家のキッチンの場面では、手品の提案をシェルドンに断られ、バーナデットにも茶化されたハワードが、サーカス芸は physically and mentally demanding(体にも頭にも負担が大きい)だと彼女に言い返します。demanding は、体力や集中力を多く「求められる」負担の大きさを表す語です。バーナデットが冗談で切り返すと、ハワードは And it’s hard, isn’t it?(で、大変だろ?)と応じます。hard は口語で最も幅広い「大変」です。

語 主なニュアンス 劇中での使われ方
challenging 骨は折れるが取り組みがいがある 習い事の条件として求める
demanding 体力や頭を多く求められる サーカス芸の負荷を説明する
daunting 始める前に気後れする 最初の印象を振り返る
hard 口語で幅広い「大変」 冗談への返し
difficult 困難で、負担に感じる 投げ出すかどうかの問いかけ

「difficult」は困って投げ出したくなる難しさ

後の場面で一輪車に乗っていたシェルドンは、そのわけを I hurt myself juggling.(ジャグリングでけがをした)と説明しています。さらに別の場面で、ハワードに物を返すと言うシェルドンに、エイミーはジャグリングもくだらないと言っていたことを指摘し、こう問いかけます。

Amy: Sheldon, is it possible that when things get really difficult, you just give up?
(シェルドン、物事が本当に難しくなると、あなたはあっさり投げ出してしまう、ということはないかしら?)

Sheldon: Are you calling me a quitter?
(僕を、途中で投げ出す人間だと言うのか?)

TBBT Season10 Episode22

ここで選ばれているのは challenging ではなく difficult です。difficult は、困難さそのものや、それを負担に感じる側の視点で使われることが多い語です。get difficult(難しくなる)と変化の形にすると、「状況が厳しくなったとき」という意味合いが加わります。

シェルドンが自分で選んだ challenging な挑戦が、エイミーの言葉では difficult な状況として捉え直されている点が見どころです。quitter(途中で投げ出す人)と言われたと受け取ったシェルドンは、エイミーが言いかけたところで This conversation is over.(この話は終わりだ)と会話を打ち切っています。

まとめ|選ぶ難しさと困る難しさ

今回は、自分から求める challenging、負担の大きさを表す demanding、始める前の気後れを表す daunting、口語で幅広い hard、そして困難として捉える difficult を見てきました。語を選び分けると、難しさに向き合う自分の構えまで伝えられるようになります。

「難しい」の一語にも話し手の姿勢が表れることが、シェルドンの挑戦の場面から見えてきます。

同じ回のほかのコラムやフレーズ記事でも、この話の別の場面の英語を取り上げています。

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