海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ビッグバン★セオリー』シーズン10 第2話から、努力して築いた立場を失う不安を打ち明けるときの英語を取り上げます。妊娠が職場に知られたバーナデットが、大きな研究を任せてもらえなくなるのではないかと、エイミーやペニーに胸の内を語ります。
漠然と「心配」と言うのではなく、何を失いそうなのかを具体的に言葉にする。そのための表現を、場面ごとに見ていきます。
「be up for」で、手にしかけている機会を伝える
ペニーの部屋で、バーナデット、ペニー、エイミーが話していると、バーナデットは職場の男性から妊娠のお祝いを言われたと話します。職場ではまだ誰も知らなかったはずの話です。そこでエイミーが理由を尋ねます。
Amy: Why don’t you want anyone to know?
(どうして誰にも知られたくないのかしら?)Bernadette: ‘Cause I’m up for a major immunotherapy study, and if they find out I’m pregnant they might give it to someone else.
(だって、大規模な免疫療法の研究の候補に挙がってるの。妊娠してるって知られたら、ほかの人に回されちゃうかもしれない。)Penny: Would they really do that?
(本当にそんなことするの?)TBBT Season10 Episode02
be up for ~ は「(仕事や役職の)候補に挙がっている」という意味です。まだ確定ではないものの、手が届きそうな位置にいることを伝えられます。昇進や賞の話でも、I’m up for a promotion. のように使えます。
続く they might give it to someone else は、機会がほかの人に回るかもしれないという不安を、might で可能性として述べる言い方です。if they find out ~ と条件を先に置くことで、何が起きたら困るのかがはっきりします。
別の場面、バーナデットの職場では、バーナデットが遅くまで働いているとハワードから聞いたエイミーが夕食を持ってやって来ます。
Amy: Well, I came to see how you were feeling, but I’m guessing still angry?
(ええと、あなたの様子を見に来たのだけれど、察するに、まだ怒っているのかしら?)Bernadette: I’m sorry. My boss wants to meet with me, and I’m stressing.
(ごめんなさい。上司が私と面談したいって言ってて、ストレスを感じてるの。)TBBT Season10 Episode02
I’m stressing. は stress を自動詞として使った、くだけた言い方です。I’m stressed. と同じく「気が張りつめている」状態を表し、話し言葉ではこの形が使われることもあります。
「get sent back to square one」で、失いたくないものを言葉にする
エイミーが、職場での扱いが本当に変わると思うのかと尋ねると、バーナデットはこう返します。
Amy: You really think they’re gonna start treating you differently?
(本当に、あなたへの扱いが変わると思っているの?)Bernadette: Are you kidding? I’ve always been treated differently.
(冗談でしょ? 私はずっと違う扱いを受けてきたのよ。)TBBT Season10 Episode02
treat ~ differently は「〜の扱いを変える」で、受け身の be treated differently にすると「違う扱いを受ける」になります。同じ表現を能動と受け身で投げ合うことで、不安の中身が具体的になっていくのが分かります。
やり取りは、バーナデットの本音に進みます。
Bernadette: I’ve worked so hard to get where I am, and I don’t want to get sent back to square one because I’m pregnant.
(ここまで来るのに本当に頑張ってきたの。妊娠したからって、振り出しに戻されたくない。)Amy: I understand how you feel.
(あなたの気持ちは分かるわ。)Bernadette: Thank you.
(ありがとう。)Amy: I wish there were some way I could make it better.
(何か良くしてあげられる方法があればいいのだけれど。)Bernadette: Well, you brought me French fries. That’s a start.
(まあ、フライドポテトを持ってきてくれたじゃない。それが第一歩よ。)TBBT Season10 Episode02
get where I am は「今の位置までたどり着く」で、work hard と組み合わせると積み上げてきた道のりを語る一言になります。back to square one は「振り出しに戻る」という意味で、get sent と受け身にすることで、自分の意思ではなく戻されるという不安が表れています。
聞き手のエイミーは、I understand how you feel. で気持ちを受け止め、I wish there were some way ~ と仮定法で、力になりたい思いを伝えます。バーナデットの That’s a start. は「手始めにはなる」と軽く受ける返しで、直後に、エイミーが持ってきたのは実はアップルスライスだったと分かります。
まとめ|失いたくないものを具体的に言う
be up for で手にしかけている機会を示し、treat differently や get sent back to square one で失いそうなものを具体的に言う。聞き手の I understand how you feel. まで押さえると、打ち明ける側にも受け止める側にも回れます。
次回も『ビッグバン★セオリー』の会話を手がかりに、気持ちを伝える英語を一緒に見ていきましょう。
同じ回のほかのコラムやフレーズ記事と読み比べると、この回の会話の広がりが見えてきます。


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