「I’ll cut to the chase」前置きを切り上げて本題に入る一言|『ビッグバン★セオリー』S10E02で学ぶ英会話

『The Big Bang Theory』コラム: 「I'll cut to the chase」前置きを切り上げて本題に入る一言|『ビッグバン★セオリー』S10E02で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回は『ビッグバン★セオリー』シーズン10 第2話から、I’ll cut to the chase という一言を中心に、面談で本題に入るときの英語を取り上げます。ハワード、レナード、シェルドンの3人が、研究に関心を示す空軍の大佐と会合で顔を合わせる場面です。

あいさつ、本題、懸念、そして気まずい沈黙。会合の流れに沿って、それぞれの段階で使われる表現を順に見ていきます。

目次

「exchange pleasantries」から「I’ll cut to the chase」へ

ハワードの工房では、会合を前にレナードとハワードが、会合の間は話さないようシェルドンに求めます。シェルドンは、どこまでなら許されるのかを確かめます。

Sheldon: Okay. Quick question. Am I allowed to exchange pleasantries upon meeting this colonel?
(よし。ひとつ質問だ。その大佐に会ったとき、儀礼的なあいさつを交わすことは許されるのか?)

Leonard: Yes.
(いいよ。)

TBBT Season10 Episode02

exchange pleasantries は「社交辞令のあいさつを交わす」という意味で、pleasantries は複数形で使われます。当たり障りのないあいさつのやり取りを指します。Am I allowed to ~? は「〜はしてもいいのか」と、許される範囲を確かめる言い方です。

会合の場で大佐は、自己紹介に続けて Thank you for meeting with me. と礼を述べます。面談の冒頭にそのまま使える一文です。

少し後、ジャイロスコープの実演の場面で、大佐は自分がエンジニアでMITの出身だと話し、ハワードも同じ出身だと分かります。そこで大佐が切り出すのが、次の台詞です。

Colonel Williams: I should have known. Behind every great invention is an MIT mind. I’ll cut to the chase. The Air Force believes there’s an application for this technology, and we’re interested in funding your research.
(そうだと思った。偉大な発明の陰にはMITの頭脳ありだ。単刀直入に言おう。空軍はこの技術に使い道があると考えていて、君たちの研究に資金を出すことに関心がある。)

TBBT Season10 Episode02

cut to the chase は「前置きを省いて要点に入る」という意味のイディオムです。I’ll を付けると、ここから本題だと宣言する一言になります。出身校の話から資金提供の話へ、会話を切り替える合図になっているのが見どころです。

似た言い方に Let me get straight to the point. があります。どちらも話を急ぐ合図で、相手の話を遮って使うとせっかちな印象を与える場合があります。

本題のあとに続く懸念と迷い、そして沈黙

資金提供の話を受けて、ハワードが懸念を伝えます。

Howard: Well, thanks, but you should know we’re a little concerned about this being used in weapons.
(ええ、ありがとうございます。ただ、お伝えしておくと、私たちはこれが兵器に使われることを少し心配しているんです。)

Colonel Williams: Oh, well, let me put your mind at ease. What we use it for is none of your business.
(ああ、それなら安心させてあげよう。我々がそれを何に使うかは、君たちの知ったことではない。)

Leonard: I don’t know how I feel about this.
(これをどう受け止めればいいのか、分からないな。)

TBBT Season10 Episode02

you should know (that) ~ は「お伝えしておくと」と、相手が知っておくべき事情を前もって示す前置きです。a little concerned と控えめに言うことで、角を立てずに懸念を伝えています。

大佐の let me put your mind at ease は、本来は相手の不安を取り除く言い方です。ここでは直後の一文で相手を突き放しており、その落差が笑いどころです。レナードの I don’t know how I feel about this. は、賛成とも反対とも言わずに、気持ちの整理がついていないことを伝えています。

その後、大佐はMITの同僚なら4か月でできるという見立てを示します。すると、話さないことになっていたシェルドンが、2か月でやると口を挟みます。

別の場面、再び工房では、期限に同意した理由をラージが尋ねます。ハワードは同意したのはシェルドンだと答え、それを止めなかったのかと聞かれると、レナードは国のためであり資金も大きいと理由を挙げます。続くハワードの答えがこちらです。

Howard: No, but mostly, there was an awkward pause, and I broke it by saying okay.
(いや、でも一番の理由は、気まずい間があって、俺が「オーケー」って言ってそれを破ったことさ。)

TBBT Season10 Episode02

awkward pause は「気まずい間」、break it はその間を破ることです。もっともらしい理由が挙がった後で、ハワードが挙げるのは、気まずい間を自分の「オーケー」で破ったという理由でした。

まとめ|あいさつから本題、そして沈黙まで

exchange pleasantries で始まり、I’ll cut to the chase で本題に入り、you should know で懸念を、I don’t know how I feel about this で迷いを伝える。面談の流れに沿って並べると、英語の打ち合わせの見取り図になります。

気まずい間ひとつで期限が決まる展開も含めて、『ビッグバン★セオリー』らしい会合の場面を味わえる回です。

この回のほかのコラムやフレーズ記事からも、同じ会話の別の側面が見えてきます。

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