「We haven’t settled on anything yet」に見る、共同作業で主語を言い直す英語|『ビッグバン★セオリー』S09E12で学ぶ英会話

『The Big Bang Theory』コラム: 「We haven't settled on anything yet」に見る、共同作業で主語を言い直す英語|『ビッグバン★セオリー』S09E12で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回取り上げるのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン9 第12話から、共同作業で主語を言い直す英語です。シェルドンとラージは一緒に小惑星を発見しますが、名前を決める段になると、シェルドンの主語がIに偏り始めます。

IとWeの入れ替わりに注目すると、英語の主語がどれだけ多くを語るかが見えてきます。ラージの静かな抵抗を軸に、やり取りを追っていきましょう。

目次

「this isn’t about us」論点をずらす受け答え

シェルドンとラージは、望遠鏡室で集めた観測データから中くらいの小惑星を発見しました。発見者の二人には、名前をつける役目が回ってきます。

ラージは二人の名前を組み合わせる案を出しますが、やがてシェルドンは、自分が発見して自分が命名すると言い出します。そこでラージが問いかけます。

Raj: Wait, what happened to us?
(待って、僕たちはどうなったの?)

Sheldon: Now, this isn’t about us, this is about what’s best for the asteroid.
(いいかい、これは僕たちの話じゃない。小惑星にとって何が最善かという話だよ。)

TBBT Season9 Episode12

What happened to us? は、直訳すると「僕たちに何が起きたのか」。共有していたはずの前提が急に消えたときに、「あの話はどこへ行ったのか」と問いただす言い方です。

シェルドンの返しは this isn’t about A, this is about B の型で受けています。論点をAからBへ移す定型で、ここでは命名の主導権の話を、小惑星への配慮の話へとずらしています。what’s best for 〜(〜にとって最善のこと)も、そのままよく使われるかたまりです。

「We haven’t settled on anything yet」主語のIをWeに言い直す

レナードも加わり、話は具体的な名前へ進みます。

Leonard: Well, what are you thinking of naming it?
(で、何て名づけるつもりなの?)

Sheldon: I haven’t settled on anything yet.
(僕はまだ何も決めていないよ。)

Raj: We haven’t settled on anything yet.
(僕たちは、まだ何も決めていない。)

TBBT Season9 Episode12

settle on 〜 は「いくつかの候補の中から〜に決める・〜で落ち着く」という句動詞です。候補を比べて絞り込んでいく含みがあり、名前を検討しているこの場面によく合っています。

聞きどころは、ラージの返しが主語をIからWeに替えただけの同じ文である点です。文をまるごと繰り返しながら一語だけ直すことで、その決定は君ひとりのものではない、という主張が反論の形を取らずに伝わります。

英語は主語を省きにくい言語だからこそ、IとWeの選び方そのものが意思表示になります。代名詞ひとつで立場を言い当てる、教科書ではなかなか出会えないやり取りです。

「You know what’d be nice?」提案を切り出す前置き

こじれかけた命名の相談に、レナードが助け舟を出します。

Leonard: You know what’d be nice? Name it after your girlfriends. Show them how much you care.
(何がいいと思う?二人の恋人にちなんで名づけるんだよ。どれだけ大切に思っているかを示すんだ。)

Raj: That is a great idea.
(それはすごくいい案だね。)

TBBT Season9 Episode12

You know what’d be nice? は、what would be niceを縮めた前置きです。いきなり案を述べるのではなく、「いいことを思いついたんだけど」と一拍置くことで、聞き手の注意を集めてから本題に入れます。

name A after B は「BにちなんでAを名づける」という定型です。続く Show them how much you care. は提案に理由を添えるひと押しで、how much you careという間接疑問のかたまりも会話によく登場します。

ラージの That is a great idea. は、That’sと縮めずにThat isと区切ることで、同意が力強く響く形です。主語をめぐって張り合っていた二人が同じ案にうなずく、場面の転換点になっています。

まとめ|主語の選び方が関係を語る

今回は、this isn’t about A, this is about Bで論点をずらす型、settle on 〜という「候補から決める」句動詞、そして主語をIからWeへ言い直す静かな抗議を見てきました。You know what’d be nice?の前置きも、提案の場面ですぐに役立ちます。

小惑星の名前をめぐる会話を観ながら、主語の選び方にも耳を澄ませてみると、新しい発見がありそうです。

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