海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回扱うのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン8 第20話に登場する、手作りの砦の中でシェルドンがエイミーとのデートナイトのルールを特別に緩める場面の言い回しです。just this onceで例外を提案する言い方から、堅い契約用語を日常の約束事に転用するユーモア、同じ文型を繰り返して意味をずらす言葉遊びまで扱います。
普段は決め事に厳格なシェルドンが、その場の流れで少しずつ譲歩していく過程が見どころです。
“just this once”で特別にルールを緩めて提案する言い方
手作りの砦の中でデートナイトを過ごしていたシェルドンは、時間を延ばしたいとこう切り出します。
Sheldon: Well, wait. What if, just this once, we suspend the date night parameters and you stay later?
(待って。もし、今回だけ特別に、デートナイトの取り決めを一時停止して、もっと遅くまでいてくれるとしたら?)TBBT Season8 Episode20
just this once は「今回だけ特別に」と、普段のルールに一度だけ例外を作りたいときに添える言い方です。What if ___? という控えめな仮定の形と組み合わさることで、押し付けるのではなく相手の意向をうかがいながら提案する響きになっています。ルールに厳格な人物が自分から例外を持ち出しているところに、この提案の意外性が表れています。「今回だけ」と限定することで、普段の決め事そのものを壊すわけではないという安心感を相手に与えている点も、この言い方の効果のひとつです。suspend the date night parameters の suspend は「一時的に停止する」という意味で、廃止するのではなくあくまで一時的な措置だと示す言葉選びにもなっています。
堅い契約用語を日常の約束事に転用するユーモア
提案を受けたエイミーは、こう返します。
Amy: Well, as long as we’re suspending the parameters, I could stay really late and we could have our first sleepover.
(それなら、取り決めを一時停止するっていうんなら、うんと遅くまでいて、初めてのお泊まりにしてもいいかも。)TBBT Season8 Episode20
parameters は本来、条件や制約の範囲を指す堅い言葉で、契約や交渉の場で使われることが多い単語です。それをデートナイトという私的な約束事に当てはめているところに、この2人らしいユーモアが生まれています。as long as we’re suspending the parameters は「取り決めを一時停止するっていうんなら」と、相手が持ち出した条件をそのまま受け止め、そこに乗っかって話を広げる言い方です。as long as ___ は「〜という条件のもとでなら」と、相手の提案を前提として受け入れ、その上に自分の希望を重ねるときに便利な形です。堅苦しい言葉づかいのまま、話の中身はどんどんくだけていく組み合わせの面白さがあります。
同じ文型を繰り返して意味をずらす言葉遊び
エイミーの提案に、2人の間で短いやり取りが続きます。
Sheldon: That’s a big step.
(それは大きな一歩だな。)TBBT Season8 Episode20
Amy: It’s a big fort.
(大きな砦だもの。)TBBT Season8 Episode20
That’s/It’s a big ___. という同じ文型を、シェルドンは関係の節目という比喩的な意味で、エイミーは目の前の砦の大きさという文字どおりの意味で使い、テンポよく意味をずらしています。少し照れくさくなりかけた空気を、あっさりとかわす言葉遊びです。
まとめ|例外の提案から言葉遊びまで
just this onceで特別にルールを緩める提案から、parametersという堅い言葉を日常に転用するユーモア、That’s/It’s a bigという文型を繰り返す言葉遊びまで、砦の中の会話には表現の工夫が詰まっています。普段のルールをどう崩すか、その言い方ひとつで関係の空気が変わっていく様子が読み取れます。
次回も『ビッグバン★セオリー』と一緒に英語表現を見ていきましょう。
このエピソードの英語表現は、フレーズ記事やエピソードまとめでも扱っています。


コメント