「今は忙しい」と門前払いされたら、英語でどう食い下がる?|『モダンファミリー』S06E07で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 「今は忙しい」と門前払いされたら、英語でどう食い下がる?|『モダンファミリー』S06E07で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン6第7話では、ヘイリーがスタイリストのギャビンのもとへ、アシスタントの仕事の件で会いに行きます。会う約束をしていたと話すヘイリーに、ギャビンは「今は忙しい」と取り合おうとしません。

断られたときにすぐ引き下がるか、ひと言返すかで、会話の行方は変わります。門前払いをする側の言い方と、それに切り返す側の言い方を、場面の順に見ていきます。

目次

「I was supposed to see you」——名乗りと約束の確認

ギャビンがニッキーにオレンジの皮をむくよう頼んだところで、ヘイリーが声をかけます。

Haley: Mr. Sinclair, it’s Haley Dunphy.
(シンクレアさん、ヘイリー・ダンフィーです。)

Haley: I was supposed to see you for the assistant job.
(アシスタントの仕事の件で、お会いすることになってたんですけど。)

Haley: I have been studying your work, and I have to say the looks that you did for New York Fashion Week put you
(お仕事、ずっと研究してきました。言わせてもらうと、ニューヨーク・ファッションウィークのスタイルで、あなたは——)

Gavin Sinclair: Ah! I’m really too busy right now.
(ああ! 今はほんとに忙しいんだ。)

Modern Family Season6 Episode7 (Queer Eyes, Full Hearts)

名乗りの it’s + 名前 は、電話や来訪の場面で「〜です」と自分を名乗るときに使われる形です。

続く I was supposed to see you for ~ は「〜の件でお会いすることになっていた」という意味です。be supposed to は予定や約束を表し、ここでは「約束はあったはず」という確認の働きをしています。いきなり要件を切り出すより、約束があったことを先に示すほうが、相手も話を聞く理由を見つけやすくなります。

さらにヘイリーは I have been studying your work と、相手の仕事を調べてきたことを伝えます。現在完了進行形を使うことで、「前から続けてきた」という準備の積み重ねがにじみます。

ところが、言い終わる前にギャビンがさえぎります。I’m really too busy right now. は、right now で「今は」と区切り、相手の話を受け付けないことを伝える断り方です。理由を詳しく言わずに済むぶん、言われた側は次の一手を考えなければならなくなります。この一言から、ヘイリーの切り返しが始まります。

「But I drove all the way down here」——手間と約束を盾にする

ヘイリーはここで引き下がりません。

Haley: But I drove all the way down here.
(でも、わざわざここまで車で来たんですよ。)

Haley: We had an appointment!
(約束してましたよね!)

Modern Family Season6 Episode7 (Queer Eyes, Full Hearts)

ギャビンの返事は、約束の話ではありませんでした。

Gavin Sinclair: Yeah, I looked at your blog.
(ああ、君のブログは見たよ。)

Gavin Sinclair: It’s a little too cutesy for me.
(僕にはちょっとかわいすぎるね。)

Gavin Sinclair: I need someone with edge.
(僕に必要なのは、エッジのある人なんだ。)

Haley: I have edge.
(エッジならあります。)

Gavin Sinclair: You really don’t.
(いや、ほんとにないよ。)

Modern Family Season6 Episode7 (Queer Eyes, Full Hearts)

But I drove all the way down here. の all the way は「はるばる、わざわざ」と、かけた手間の大きさを強める言い方です。逆接の But で始めることで、「忙しいのは分かるけれど」という含みを残しながら食い下がっています。続く We had an appointment! は、約束という事実そのものを短く突きつける一言です。

ギャビンは約束には触れず、ブログを見たうえでの評価に話を移しています。cutesy は「かわいらしすぎる」「かわいこぶった」というやや否定的な響きを持つ語で、単なる cute とは印象が異なります。edge は服装やデザインの文脈で「とがった個性、鋭さ」を指して使われます。

ヘイリーの I have edge. は、相手の言葉をそのまま使って言い返す形です。これに対するギャビンの You really don’t. は、have edge をくり返さずに don’t だけで否定しています。英語では、直前の動詞を助動詞で受けて短く返すことがよくあります。

場面 表現
予定の確認 I was supposed to see you for ~
かけた手間を伝える I drove all the way down here.
約束を示す We had an appointment!
相手の言葉で言い返す I have edge.

「Thanks for coming by, though」のあとの切り返し

ギャビンはさらに言葉を重ねたうえで、話をこう締めくくります。

Gavin Sinclair: Thanks for coming by, though.
(でも、来てくれてありがとう。)

Modern Family Season6 Episode7 (Queer Eyes, Full Hearts)

Thanks for coming by は「立ち寄ってくれてありがとう」というお礼ですが、文末の though が「とはいえ」の働きをして、会話を終わらせる合図になっています。丁寧な言葉のまま相手を帰そうとする言い方と読み取れます。

それでもヘイリーは、ギャビン自身の仕事を例に挙げて言い返します。

Haley: I think it’s weird you don’t like cutesy considering half your clients at the Grammys looked like they just stepped out of a My Little Pony fever dream.
(かわいいのが嫌いなんて変だと思いますけど。グラミー賞であなたが担当したお客さんの半分は、マイリトルポニーの悪夢から抜け出してきたみたいでしたよ。)

Gavin Sinclair: That’s good.
(いいね。)

Gavin Sinclair: But not at me.
(でも、僕に向けるな。)

Gavin Sinclair: Never at me.
(絶対に僕には向けるな。)

Modern Family Season6 Episode7 (Queer Eyes, Full Hearts)

I think it’s weird you don’t like ~ は「〜が嫌いだなんて変だと思う」と、相手の言い分の食い違いを指摘する入り方です。後半の considering ~ は「〜を考えると」という意味で、根拠を添えて反論を組み立てる語です。相手自身の実績を根拠にしているので、言い返しに説得力が生まれています。

これに対するギャビンの That’s good. は、言い返しの出来を認める一言です。続く But not at me. Never at me. は「でも自分には向けるな」という意味で、認めながらも線を引く返し方になっています。門前払いの言葉に、手間・約束・根拠の順で切り返していく流れが分かります。

まとめ|断られたときの切り返し方

予定を確認する I was supposed to ~、手間を伝える all the way、根拠を添える considering ~。門前払いの I’m really too busy right now や Thanks for coming by, though と並べると、断られた側がどんな言葉で踏みとどまれるかが見えてきます。

『モダンファミリー』の場面とともに、これからも英語の引き出しを増やしていきましょう。

仕事を頼む側の切り出し方は同じ回のほかのコラムで、ひとつひとつの表現はフレーズ記事でも扱っています。

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