海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ビッグバン★セオリー』シーズン10 第6話から、アメリカのミニバンをめぐる文化を取り上げます。ハワードが試乗用のミニバンを借りてきて、乗り気でないバーナデットにその良さを売り込みます。ディーラーから24時間の試乗用に借りたと、本人が説明する車です。
車の呼び方や装備の言い方には、その国の暮らしぶりが映ります。ミニバンにまつわるイメージと英語を、場面ごとに見ていきます。
「mom car」と呼ばれるミニバンのイメージ
台所の場面で、ハワードとラージが赤ちゃんのための買い物から戻り、バーナデット抜きでベビーベッドを買ったことを打ち明けます。気に入らなければ返品できるという話の流れで、ハワードは新しいミニバンに触れます。
Bernadette: You bought a minivan?
(ミニバンを買ったの?)Howard: It’s for the baby, and I didn’t buy it. The dealer loaned it to me for a 24-hour test drive.
(赤ちゃんのためだよ。それに買ってない。ディーラーが24時間の試乗用に貸してくれたんだ。)TBBT Season10 Episode06
minivan は、多人数が乗れる箱型の車を指す語で、スライドドアと3列シートを備えたものが多いとされます。test drive は「試乗」です。台本では、ディーラーが24時間の試乗用に貸してくれたとハワードが説明しています。ラージは、ベビーベッドで車の後ろをかなりぶつけたので、買ったことになるかもしれないと付け足します。dealerは自動車の販売業者を指す語で、ハワードは続く発言で販売店を表すdealershipも使っています。
Bernadette: I don’t want to drive that. It’s such a mom car.
(あれは運転したくないわ。いかにもママの車じゃない。)Howard: The guy at the dealership said they’re not just for moms anymore.
(販売店のやつが言ってたぞ、もうママだけのものじゃないって。)TBBT Season10 Episode06
mom car は、子育て中の母親が乗る車というイメージを込めた言い方です。アメリカではミニバンが子どもの送り迎えに使われる家族の車として語られることが多く、子どもの習い事の送迎をする母親を指すsoccer momという言葉と結びつけられることもあるとされます。バーナデットの拒否も、このイメージを踏まえた反応と読み取れます。
ハワードが伝えた not just for moms anymore は、そのイメージを打ち消す売り文句として働いています。anymoreは否定文で「もう〜ない」を表し、以前はそうだったという前提を含む語です。販売店の人の言葉を伝える形なので、売り手側の宣伝文句として読むと場面の流れがつかみやすくなります。
ファミリー向けの装備と売り込みの英語
ガレージの場面では、ハワードがバーナデットに車の装備を見せていきます。後方を映すカメラを指す rearview camera や DVD player に続いて、ラージがトランクを見せるよう促し、ハワードが使う場面を想定して説明します。
Howard: Imagine this, you’ve got the baby in one hand, groceries in the other, and you’re thinking, how am I gonna open this trunk?
(想像してみろよ。片手に赤ちゃん、もう片手に食料品で、このトランクをどう開けようって考えてる。)Bernadette: I’m probably thinking, where’s my husband, and why isn’t he helping me?
(たぶん私が考えてるのは、夫はどこにいて、なんで手伝ってくれないのか、ってことね。)Howard: You don’t need my help when you can open the trunk with a simple kick of the foot.
(足でちょっと蹴るだけでトランクが開くなら、俺の助けはいらないだろ。)TBBT Season10 Episode06
ハワードの Imagine this, は、相手を具体的な場面に置いてから利点を示す、売り込みに向いた切り出しです。groceriesは食料品などの買い物を指し、ここでは両手がふさがる状況を描く語として使われています。これに対するバーナデットの返しは、手伝おうとしない夫を想定した皮肉になっています。
台本ではトランクが足の動きで開く機能として紹介され、ラージが「そっと蹴るんだ」とやり方を直す流れも続きます。両手がふさがる場面を想定した装備は、子育て世帯向けの車の売り文句として挙げられることがあるとされます。trunkはアメリカ英語で車の荷物入れを指し、イギリス英語ではbootと呼ぶのが一般的です。
ハワードはさらに、荷室の広さを示す cargo space にも触れ、バーナデットに試乗を勧めます。後の車内の場面では、バーナデットが車の売り込みをやめてと言い、ハワードは説明しなくても良さが伝わるという意味の sell itself を使って返します。sell someone on ~ は「〜の良さを人に売り込む」という意味です。やり取りの最後に、バーナデットはその車を買うと口にしますが、購入の場面までは描かれていません。
まとめ|ミニバンの英語に見える家族の暮らし
今回は、minivan、test drive、mom car、rearview camera、cargo space、sell itselfなど、ミニバンをめぐる英語を見てきました。車の呼び方や売り文句を知ると、海外ドラマの家族の場面で交わされる会話の背景がつかみやすくなります。
赤ちゃんを迎える準備が車選びにまで広がる様子も、『ビッグバン★セオリー』の夫婦の場面らしい一幕です。
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