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『モダンファミリー』シーズン6第12話では、キャメロンがミッチェルに相談しないまま、リリーをピエロの学校に連れて行きます。それを知ったミッチェルとの間で、夫婦の言い合いが始まります。
相手に黙って何かを決められたとき、どう問い詰め、言われた側はどう言い返すのか。2人のやりとりには、その両方の英語がそろっています。問い詰める一言から、責任を押し付け合う仮定法まで、順に見ていきます。
「Behind my back?」——黙って決められたと問い詰める
キャメロンは、まず軽い調子でこう打ち明けます。
Cameron: Okay, look.
(いいかい、聞いて。)Cameron: It’s no big deal but I took Lily to a junior clown college this morning.
(たいしたことじゃないんだけど、今朝リリーを子ども向けのピエロ学校に連れて行ったんだ。)Mitchell: Are you serious? Behind my back?
(本気かい? 僕に黙って?)Cameron: I knew you wouldn’t approve.
(君が賛成しないのは分かってたからね。)Cameron: What was I supposed to do?
(じゃあ、どうすればよかったっていうんだい?)Mitchell: Not take her because you know how I feel about all this mumbo jumbo.
(連れて行かなきゃよかったんだよ。こういうまやかしを僕がどう思ってるか、知ってるだろ。)Modern Family Season6 Episode12 (The Big Guns)
behind someone’s back は「人の背後で」が転じて「本人の知らないところで」を表す言い回しです。ミッチェルは Behind my back? と3語だけで問い返し、黙って決められたことへの不満をはっきり示しています。You did this behind my back?(僕に黙ってやったの?)のように文の形にもできますが、短く問い返すほうが驚きと非難が強く出ます。
キャメロンの It’s no big deal but ~ は、話の重みを先に軽く見せてから本題を切り出す前置きです。続く I knew you wouldn’t approve. は、反対されると分かっていたと認める一言で、黙っていた理由の説明にもなっています。What was I supposed to do? は「ほかにどうしろと?」という開き直りの問いで、答えを求めているわけではない言い方です。
ところがミッチェルは、その問いに Not take her と正面から答えます。さらに you know how I feel about ~ で「僕の考えは知っているはずだ」と念を押し、反対の理由を相手の側に返しています。理屈で切り返すミッチェルらしさが出た場面です。
「we agreed」と「Let’s say we’re even」——約束を持ち出す側と、おあいこにする側
キャメロンは冗談で受け流し、最初から隠し立てはしていないと言ったうえで、こう続けます。
Cameron: You knew going in that I wanted to raise our child as a clown.
(最初から分かってただろ、僕が娘をピエロとして育てたいって。)Mitchell: Yes, but then I finally realized that you weren’t joking and we agreed we would wait until she was old enough to decide for herself.
(ああ、でもそのあと君が冗談じゃなかったってやっと気づいて、あの子が自分で決められる年になるまで待とうって決めたじゃないか。)Cameron: You do stuff with her all the time and you don’t ask me for my permission.
(君だっていつもあの子とあれこれやってるのに、僕に許可なんて取らないじゃないか。)Cameron: Just last week, you took her to the doctor without even asking!
(先週だって、ひと言もなしに病院に連れて行っただろ!)Mitchell: Because she had an ear infection!
(耳の感染症だったからだよ!)Cameron: Let’s say we’re even!
(じゃあ、これでおあいこってことで!)Modern Family Season6 Episode12 (The Big Guns)
You knew going in that ~ の going in は「始める時点で」という意味で、「最初から承知していたはずだ」と相手の了解を盾にする言い方になります。
それに対してミッチェルは we agreed we would wait until ~ と、2人で決めたことを持ち出します。until she was old enough to decide for herself は「本人が自分で決められる年齢になるまで」という条件で、約束の中身を具体的に示すことで反論の根拠を固めています。
キャメロンはここで話題を変え、you don’t ask me for my permission と without even asking で、ミッチェルも同じことをしていると指摘します。病院の件にはもっともな理由があったとミッチェルが返すと、キャメロンは Let’s say we’re even! と言い切ります。even は「貸し借りがない」状態を表し、Let’s say ~ を付けると「そういうことにしておこう」と、一方的に話を引き分けに持ち込む響きになります。
仮定法で責任を押し付け合う
リリーが芸を披露した次の日、リリーのいたずらに手を焼くキャメロンに、ミッチェルはこう言います。
Mitchell: You wouldn’t be in this position if you hadn’t gone behind my back.
(僕に黙って勝手なことをしなきゃ、こんな目に遭ってないんだよ。)Cameron: I wouldn’t be in this position if I had a supportive husband.
(協力的な夫がいれば、こんな目に遭ってないさ。)Mitchell: Okay.
(なるほど。)Mitchell: Really, I would love to hear how this is my fault.
(ぜひ聞かせてほしいね、これがどうして僕のせいなのか。)Modern Family Season6 Episode12 (The Big Guns)
ミッチェルの文は、if you hadn’t gone(過去にしなかったなら)と wouldn’t be(今そうなっていない)を組み合わせた形で、過去の行動が今の困りごとを招いたと責める言い方です。キャメロンは同じ I wouldn’t be in this position を借り、if I had ~(今〜があれば)と現在の仮定で切り返します。同じ型を使って矛先を相手に向け直しているのが面白いところです。
I would love to hear how ~ は「ぜひ聞かせてほしい」という丁寧な形をとりながら、納得していないことを伝える皮肉な受け流しです。口調しだいで本気の依頼にも皮肉にもなるため、言い合いの最中に使うと角が立ちやすい点には注意が必要です。
キャメロンは、そう言われて自分の言い分を順に並べます。
Cameron: Yesterday, Lily performed her heart out for you.
(昨日、リリーは君のために全力で演じたんだよ。)Cameron: She was so excited to do that broom routine, and you gave her nothing.
(あのほうきの出し物をすごく楽しみにしてたのに、君は何の反応もしなかった。)Cameron: So she got desperate and she resorted to mean-spirited gags.
(だから追い詰められて、意地の悪いギャグに走ったんだ。)Modern Family Season6 Episode12 (The Big Guns)
perform one’s heart out は「全力で演じる」、resort to ~ は「ほかに手がなくて〜に頼る」という意味です。Yesterday で時を示し、So で結果へつなぐ順序立てによって、責任がミッチェルにあるという筋道を作っていることが分かります。
まとめ|問い詰める言葉と言い返す言葉
Behind my back? の短い問い詰め、we agreed we would wait until ~ で約束を持ち出す反論、Let’s say we’re even! の引き分け宣言、そして同じ型を借りた仮定法の応酬を見てきました。言い合いの英語は、相手の言葉をどう受けて返すかで形が決まっていきます。
2人の言い合いの続きを、これからも『モダンファミリー』の場面とともに追っていきましょう。
隣家のボートをめぐる張り合いやリリーの本音の伝え方は、同じ回のほかのコラムやフレーズ記事でも扱っています。


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