「Phil, this is nothing personal.」に見る、本気の通告を冗談と受け取る返しと、私情ではないと伝える英語表現|『モダンファミリー』S04E16で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 「Phil, this is nothing personal.」に見る、本気の通告を冗談と受け取る返しと、私情ではないと伝える英語表現|『モダンファミリー』S04E16で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン4第16話では、ジェイのチームでボウリング大会に出るのを楽しみにしていたフィルが、突然チームを外されます。ところがフィルは、はっきり告げられたその知らせを、なかなか本気だと受け取りません。

今回は、悪い知らせの前置き、冗談として受け取る返し、そして「私情ではない」と念を押す言い方を、1本の電話のやり取りの流れに沿って見ていきます。

目次

「I like you too much to sugarcoat」と前置きつきの通告

ジェイとの電話で、フィルは試合への期待を話し始めます。

Phil: Super excited about our big match.
(大一番、めちゃくちゃ楽しみだよ。)

Phil: I dreamt about it last night.
(昨日の夜、夢に見たんだ。)

Phil: Guess what? We won!
(当ててみて。勝ったんだよ!)

Jay: Phil, I like you too much to sugarcoat what I’m about to say— You’re off the team.
(フィル、お前のことは気に入ってるから、これから言うことを甘く包むつもりはない。お前はチームから外れてもらう。)

Phil: Good one.
(うまいこと言うね。)

Phil: Loosen me up with some pre-match humor.
(試合前のジョークで緊張をほぐしてくれるわけだ。)

Phil: I like it.
(気に入った。)

Modern Family Season4 Episode16 (Bad Hair Day)

sugarcoat は「砂糖でくるむ」から転じて、「不快なことを甘く言う、ごまかして伝える」という意味の動詞です。too much to ~ は「〜するには…すぎる」で、「気に入っているからこそ、ごまかさずに言う」という理屈になっています。悪い知らせの前に相手への好意を置き、そのうえで遠慮しないと宣言する、二段構えの前置きと言えます。

続く You’re off the team. は、off で「チームから外れている」状態を一言で示しています。前置きは長いのに本題はとても短い、この落差が場面の可笑しさにつながっています。

  • A: I’m not going to sugarcoat it. The project is behind schedule.
    (はっきり言うよ。プロジェクトは予定より遅れてる。)
  • B: Thanks for being honest.
    (正直に言ってくれてありがとう。)

「Good one.」と「Stickin’ with the bit.」

フィルの最初の反応 Good one. は「うまいこと言うね」と、相手の冗談をほめる決まった返しです。さらにジェイが代わりの人物の名前まで挙げても、フィルの受け取り方はそのままです。

Jay: Nah, I found somebody better– Rudy Sorrenson.
(いや、もっといいやつを見つけた。ルーディ・ソレンソンだ。)

Jay: He’s in, you’re out.
(あいつが入って、お前は外れる。)

Phil: Hilarious! Stickin’ with the bit.
(最高! まだそのネタを続けるんだ。)

Phil: I love that this is our relationship now.
(俺たち、こういう関係になれたんだね。うれしいよ。)

Modern Family Season4 Episode16 (Bad Hair Day)

He’s in, you’re out. は in と out を対にして、入れ替えを短く言い切る形です。それに対するフィルの bit は、お笑いでいう「ネタ」「お決まりのくだり」を指します。stick with ~ は「〜を続ける、やめない」なので、Stickin’ with the bit. は「まだそのネタで押し通すんだね」という返しになります。

フィルは Good one.、Hilarious!、I love that ~ と、ほめ言葉を重ねて冗談として受け取り続けます。ジェイの言葉が具体的になるほど、フィルの返しとのずれが大きくなっていくのが見どころです。

  • A: I’m moving to Paris next month.
    (来月パリに引っ越すんだ。)
  • B: Good one. Wait, you’re serious?
    (うまいこと言うね。……え、本気なの?)

「nothing personal」と受け入れて切り上げる

ジェイが試合の大切さを理由に挙げたところで、会話の空気が変わります。

Jay: I’m sorry.
(すまんな。)

Phil: Jay I’m not sure I like where this is headed.
(ジェイ、この話の行き先、なんだか嫌な予感がするんだけど。)

Jay: Phil, this is nothing personal.
(フィル、これは個人的な話じゃない。)

Jay: It’s bowling.
(ボウリングの話だ。)

Modern Family Season4 Episode16 (Bad Hair Day)

この返事のあと、フィルの受け答えが変わります。

Phil: No, no, no.
(いやいやいや。)

Phil: I get it.
(分かったよ。)

Phil: Listen, um I should get goin’.
(あのさ、えっと、そろそろ行かなきゃ。)

Phil: My allergies are starting to cry.
(アレルギーが泣き出してきた。)

Modern Family Season4 Episode16 (Bad Hair Day)

I’m not sure I like where this is headed. は「この話がどこへ向かっているのか、好きになれそうにない」、つまり雲行きの怪しさを感じたときの言い方です。

ジェイの this is nothing personal は「個人的な感情からではない」と念を押す言い回しです。英語では It’s nothing personal, it’s business.(私情ではなく仕事上の判断だ)という形がよく知られていると言われ、ジェイは business の位置に bowling を入れています。ボウリングを仕事並みに真剣なものとして扱う、ジェイらしい一言と読み取れます。

  • A: I’m sorry, but we chose another candidate. It’s nothing personal.
    (申し訳ありませんが、別の候補者に決めました。個人的な理由ではありません。)
  • B: I understand.
    (分かりました。)

フィルは I get it.(分かった)で受け入れます。相手の事情をのみ込んだと伝える短い返しで、No, no, no. に続けて口にしています。そして I should get goin’. で会話を切り上げます。最後の一言は、アレルギーで目がうるむことを「泣く」と混ぜた、取り繕いの冗談と読み取れます。

まとめ|前置き、誤読、そして念押し

I like you too much to sugarcoat ~ の前置き、Good one. や Stickin’ with the bit. の冗談扱い、そして nothing personal の念押し。悪い知らせを伝える側と受け取る側の言葉が、1本の電話に詰まっています。

フィルとジェイの間合いを追いかけながら、『モダンファミリー』の英語をこれからも楽しんでいきましょう。

同じ回のほかのコラムやフレーズ記事では、かつらの騒ぎやマニーをめぐる場面の英語を扱っています。

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