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『モダンファミリー』シーズン4第17話では、ヘイリーに新しいブーツを褒められたクレアが、娘との距離がまた縮まり始めたのではと期待します。ところが後の場面では、一度その場を離れたヘイリーが戻ってきた理由をめぐって、母と娘の本音が食い違います。
子育てをたとえる言い方、娘を誘うときの言い回し、そして「義務感ではなく本心で」と求める一言を、会話の順に見ていきます。
「Raising a kid is like ~」で子育てをたとえる
ヘイリーはクレアの新しいブーツに気づき、「I love them.」「They’re so cute!」と褒めます。クレアはフィルに「First she complimented my fashion sense, then she told me I did something right.」と話し、「I think it’s happening.」と期待を口にします。続けてクレアは、子育てをこうたとえます。
Claire: Raising a kid is like sending a rocket ship to the moon.
(子育てって、月にロケットを飛ばすようなものなの。)Claire: You spend the early years in constant contact, and then one day, around the teenage years, they go around the dark side and they’re gone.
(最初の何年かはずっと交信してるのに、ある日、10代になる頃に月の裏側に回って、いなくなっちゃう。)Claire: All you can do is wait for that faint signal that says they’re coming back.
(親にできるのは、戻ってくるっていうかすかな信号を待つことだけ。)Claire: I think Haley is sending me that signal.
(ヘイリーがその信号を送ってきてる気がするの。)Phil: And?
(それで?)Claire: And Phil gave me that analogy.
(それで、このたとえはフィルが考えたの。)Phil: Yeah.
(そう。)Modern Family Season4 Episode17 (Best Men)
A is like B は「AはBのようなものだ」と、身近でない話を別のものに置き換える基本の型です。クレアは、親子の交流が途絶える10代を、月の裏側に回って交信が届かなくなるロケットに重ねたわけです。go around the dark side と they’re gone で「見えなくなる、連絡がつかなくなる」を言い表し、faint signal で「かすかな兆し」を表しています。
フィルに「And?」と促されて、クレアは、このたとえを考えたのはフィルだと付け足します。analogy は「たとえ、類推」を指す語で、たとえ話そのものを話題にするときに使われます。gave me that analogy は「このたとえを授けてくれた」という言い方で、凝ったたとえを披露したあとで出どころを明かす流れが落ちになっているのが面白いところです。
- A: Learning a language is like building a house.
(語学を学ぶのって、家を建てるようなものだよ。) - B: That’s a good analogy.
(うまいたとえだね。)
「ask her out」と「out of guilt」
期待をふくらませたクレアは、ヘイリーを誘うと決めます。
Claire: You know what? I think I’m gonna ask her out to dinner tonight.
(ねえ、今夜あの子を夕食に誘ってみようと思うの。)Claire: Do you think she’ll say yes?
(OKしてくれると思う?)Phil: If you want, I can pass her a note in study hall.
(なんなら、自習の時間に俺が手紙を回してやろうか。)Modern Family Season4 Episode17 (Best Men)
ask ~ out は「〜を誘い出す」で、デートに誘う場面でよく使われる言い回しです。Do you think she’ll say yes? まで続くと、まるで好きな相手を誘う相談のように聞こえます。フィルの返しは、学校で友達の恋を取り持つ役を買って出るような冗談で、クレアの言い方に乗っかった軽口と読み取れます。
後の場面で、ヘイリーは一度その場を離れたあと、クレアのところへ戻ってきます。
Claire: What are you doing here?
(ここで何してるの?)Haley: I knew you were upset I left, and I felt bad, so I came back,
(私が抜けてママが嫌な気分になってるの分かってたし、悪いなって思って、戻ってきたの、)Claire: You’re here out of guilt?
(罪悪感で来たってこと?)Haley: I know.
(でしょ。)Haley: I’m growing up.
(私だって大人になってるんだから。)Modern Family Season4 Episode17 (Best Men)
I felt bad は「悪いと思った、気がとがめた」という意味で、謝りや埋め合わせの理由を話すときにも使われる言い方です。クレアはそれを out of guilt(罪悪感から)と言い換えて聞き返します。ヘイリーは I know. と認めたうえで I’m growing up. と続け、気がとがめて戻れるようになった自分を成長として語っています。
一方のクレアが問題にするのは、続く一言で分かるとおり、戻ってきたこと自体より、その動機のほうです。
- A: Did you call me out of guilt?
(罪悪感から電話してきたの?) - B: Partly. I felt bad about last night.
(それもある。昨日のことが気になってて。)
「because you want to be here」で本心を求める
続く場面で、ヘイリーはクレアの反応に不満を返します。そこでクレアが口にするのが、タイトルの一言です。
Haley: Why are you rolling your eyes at me? I’m doing a nice thing.
(なんで私に呆れた顔するわけ? いいことしてるのに。)Claire: Because I want you to be here because you want to be here.
(あなた自身がここにいたいと思うから、いてほしいのよ。)Haley: Okay, you’re being really needy right now.
(ちょっと、今のママ、めっちゃかまってちゃんなんだけど。)Modern Family Season4 Episode17 (Best Men)
roll one’s eyes は目をぐるりと上に回すしぐさで、呆れやうんざりした気持ちを表します。ヘイリーは、自分は「いいこと」をしているのにと、クレアの反応への不満を口にしています。
I want you to be here because you want to be here. は、want を2回使って「私がいてほしい」と「あなたがいたい」を並べた文です。来てくれたこと自体ではなく、来た理由が本心であってほしいという気持ちを、短い単語だけで言い表しています。義務感の have to ではなく want to を選んでいる点が、この一言の核と言えます。
ヘイリーの needy は「かまってほしがりの、依存的な」という意味の形容詞です。be being needy と進行形にすると、「今だけそうなっている」というニュアンスになります。母の本音を軽い一語で受け流すところに、母と娘の温度差が表れています。
| 表現 | 場面での働き |
|---|---|
| Raising a kid is like ~ | 子育てを別のものにたとえる |
| ask ~ out to dinner | 相手を夕食に誘う |
| I felt bad, so I came back | 気がとがめた理由を話す |
| out of guilt | 罪悪感からの行動だと指摘する |
| because you want to be here | 本心からであってほしいと伝える |
まとめ|たとえ話と、本心を求める一言
Raising a kid is like ~ のたとえ、ask ~ out の誘い方、out of guilt の指摘、そして want を重ねた because you want to be here。want という同じ単語の使い分けから、義務感か本心かという親子の気持ちのずれがはっきり伝わってきます。
次回も『モダンファミリー』の会話を観ながら、家族の本音の英語を拾っていきましょう。
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