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『モダンファミリー』シーズン5第8話では、クローゼットの会社を営むジェイと、その会社で働くクレアが、クローゼット業界の見本市に参加します。張り切って予定表を読み込むクレアと、経験者らしい助言をするジェイの温度差も見どころです。
今回は、見本市のプログラムを表す英語や、会場での過ごし方、新人をめぐる恒例行事を、2人の会話を起点に紹介します。仕事で海外の展示会に参加するときにも役立つ語彙です。
「trade show」と「convention」
ジェイは、この見本市について次のように説明します。
Jay: Closetcon is the premier North American trade show for the closet industry. I stopped going years ago ‘cause it’s a trade show for the closet industry.
(クローゼットコンは、北米随一のクローゼット業界の見本市だ。何年も前に行くのはやめたよ。クローゼット業界の見本市だからな。)Modern Family Season5 Episode8 (ClosetCon ’13)
trade show は、特定の業界の企業が製品やサービスを展示し、取引先や同業者と交流する催しを指します。日本語では「見本市」や「展示会」と訳されることが多い語です。premier は「最高の」「随一の」という意味で、催しの格をうたうときによく添えられます。North American と地域を添えて、北米で随一の催しだとうたっている点もポイントです。
劇中では同じ催しが convention とも呼ばれています。convention は大規模な集会や大会を広く指す語で、業界の催しにも、ファンの集まりにも使われると言われます。Closetcon という名前は、業界名に con(convention の略)を付けた形です。ジェイが口にする Cabinetcon も、cabinet(戸棚)に con を付けた同じ作りの名前です。
ジェイの説明は、業界随一の催しだと持ち上げたあとで、同じ言葉を繰り返して「だから行かなくなった」と落とす組み立てです。前半の誇らしげな紹介を、後半で同じ言葉のまま冗談に変えているのが面白いところです。
「session」「panel」「breakout session」
一方のクレアは、予定表を手に張り切っています。
Claire: This schedule is incredible. Dad, there’s a 10:45 session on sustainable materials. We have got to hit that. Mm, but it overlaps with the 11:00 A.M. panel on paneling. And a breakout session on shoe storage.
(このスケジュール、すごいわ。パパ、10時45分から持続可能な素材のセッションがある。絶対行かなきゃ。うーん、でも11時からの羽目板のパネルと重なってる。それに靴の収納の分科会も。)Modern Family Season5 Episode8 (ClosetCon ’13)
見本市や大会では、展示とは別に講演や討論の予定が組まれていることが多いと言われます。session は時間を区切った個々の講演や講座、panel は複数の登壇者が意見を述べ合う討論の場です。breakout session は、全体の会から分かれて少人数でテーマごとに行う分科会を指します。呼び方や形式は、業界や催しによって異なります。
hit は「(行事などに)顔を出す」というくだけた言い方で、We have got to hit that. は「それは絶対に行かなきゃ」という意気込みを表します。overlap with ~ は「〜と時間が重なる」という意味で、予定を組むときに使える表現です。panel on paneling は、討論会の panel と羽目板の paneling を並べた言葉遊びにもなっています。
これに対し、ジェイは別の過ごし方を勧めます。
Jay: Little advice — the convention floor is for suckers. All work is done at the bar — unless Tony G. and Layla are singing standards, in which case, no work — prepare to be entertained.
(ひとつ助言だ。展示会場なんてカモの行くところさ。仕事は全部バーで片づくんだ。トニー・Gとレイラがスタンダードを歌ってるなら話は別で、仕事はなし、楽しむ準備をしとけ。)Claire: Dad, I came here to learn, not sit at the bar and drink.
(パパ、私は学びに来たの。バーで座って飲むためじゃない。)Jay: You do what you want.
(好きにしろ。)Modern Family Season5 Episode8 (ClosetCon ’13)
the convention floor は展示ブースが並ぶ会場を指します。商談や人脈づくりは会場の外で進む、というジェイの持論と、学ぶために来たクレアの考えが、ここで分かれます。見本市の楽しみ方が人によって違うことがよく表れた場面です。
「rookie」と恒例のいたずら
見本市には、新人を迎える側の楽しみもあるようです。ジェイはこう明かします。
Jay: We have a little tradition at Closetcon for rookies, which Claire is this year. We take a skeleton. We hide it in their closet. They open the door and scream, and we all have a good laugh. Can’t take full credit for the idea. We stole it from Cabinetcon.
(クローゼットコンには新人向けのちょっとした伝統がある。今年はクレアがその新人だ。骸骨を用意して、新人のクローゼットに隠す。扉を開けて悲鳴を上げたら、みんなで大笑いだ。このアイデアは全部俺たちの手柄ってわけじゃない。キャビネットコンから拝借したんだ。)Modern Family Season5 Episode8 (ClosetCon ’13)
rookie は「新人」「初参加者」を表すくだけた語で、スポーツの新人選手にも、職場や催しの新顔にも使われます。業界の集まりで新顔をからかう恒例行事があるかどうかは、団体や地域によってさまざまです。この骸骨のいたずらも、あくまでこの見本市の仲間内の恒例としてジェイが語っているものです。
tradition は「伝統」と訳されますが、a little tradition のように小さな言葉を添えると、家族や仲間内で毎年続けている「お決まり」くらいの軽い響きになります。Can’t take full credit for the idea. は「このアイデアを全部自分の手柄にはできない」という意味で、元ネタがあることを打ち明けるときの言い方です。
後の場面で、ジェイと顔を合わせたクレアはこう話します。
Claire: Yeah, well, the lecture got done a little early, and I was kind of the star of the evening. I got a huge laugh when I coined the phrase “shelf-esteem.
(ええ、講演が少し早く終わってね。今夜はちょっとした主役だったの。「シェルフ・エスティーム」って言葉を作ったら大ウケだったのよ。)Modern Family Season5 Episode8 (ClosetCon ’13)
coin the phrase は「新しい言葉を作る」という意味です。shelf-esteem は shelf(棚)と self-esteem(自尊心)を掛けたしゃれで、業界の人が集まる場ならではの笑いと読み取れます。
まとめ|見本市の英語と過ごし方
trade show や convention といった呼び方、session・panel・breakout session などのプログラムの英語、rookie をめぐる恒例行事。ジェイとクレアのやり取りからは、業界の見本市の雰囲気がのぞきます。
見本市に臨む2人の温度差に注目しながら観ると、『モダンファミリー』の会話がまた違って見えてきます。
模型の修理に奮闘するフィルたちや、ジェイとクレアの親子の会話の英語は、同じ回のほかのコラムやフレーズ記事でも扱っています。


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