「If anything, my little test proved how much he loved you.」——昔の裏工作を指摘されて開き直る英語|『モダンファミリー』S05E08で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 「If anything, my little test proved how much he loved you.」——昔の裏工作を指摘されて開き直る英語|『モダンファミリー』S05E08で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン5第8話では、クレアとジェイが業界の見本市に参加します。その会期中、ジェイが昔フィルに対してしていたことを、クレアが問いただす場面があります。

今回は、問いただされたジェイが指摘を小さく見せ、むしろ相手のためだったと言い換える英語と、そのあとの歩み寄りの言葉を見ていきます。都合の悪い話を持ち出されたときの受け答えとして、日常の会話にも通じるやり取りです。

目次

「It doesn’t mean anything.」で指摘を小さく見せる

見本市の会期中、ジェイはクレアに古い知り合いのリタを紹介します。

Jay: Claire, this is Rita.
(クレア、こちらはリタだ。)

Rita: Your dad and I go way back. First time we met, I told him he needed a course in “hanger” management.
(お父さんとは古い付き合いなの。初めて会ったとき、「ハンガー」マネジメントの講座を受けたほうがいいって言ってやったのよ。)

Jay: It’s still funny.
(今でも笑えるな。)

Modern Family Season5 Episode8 (ClosetCon ’13)

~ and I go way back は「〜とは古くからの付き合いだ」という意味で、昔からの知り合いを紹介するときによく使われる言い方です。”hanger” management は anger management(怒りを抑える訓練)に、クローゼットのハンガーを掛けたしゃれです。

後の場面で、「フィルを追い払う(get rid of)」とはどういう意味かとクレアが問いただします。ジェイの答えは次のとおりです。

Jay: It doesn’t mean anything. You had just started dating. You know I was never hot on the guy. I told Rita to offer him a sales job in Texas.
(何の意味もない。お前たちは付き合い始めたばかりだった。俺があいつを気に入ってなかったのは知ってるだろ。リタに頼んで、あいつにテキサスの営業の仕事を持ちかけてもらったんだ。)

Claire: I remember that, but that wasn’t when we were dating. We were engaged.
(それは覚えてる。でも、付き合ってた頃じゃない。私たち、婚約してたのよ。)

Modern Family Season5 Episode8 (ClosetCon ’13)

It doesn’t mean anything. は「何の意味もない」と、相手が気にしている点を小さく見せる言い方です。be hot on ~ は「〜に乗り気だ」「〜を気に入っている」で、never を添えると「最初から好きではなかった」とはっきり認めることになります。

クレアの I remember that, but ~ は、相手の説明の一部を認めつつ、肝心な点を正す組み立てです。時期をめぐる2人の言い分は、「付き合い始めたばかり」と「婚約していた」で食い違っています。

「If anything」で裏工作を手柄にすり替える

クレアに時期を正されても、ジェイは引き下がりません。

Jay: Doesn’t matter. Phil didn’t take the job anyway. If anything, my little test proved how much he loved you. You’re welcome.
(関係ない。どのみちフィルはその仕事を受けなかったんだ。むしろ、俺のちょっとしたテストで、あいつがどれだけお前を愛してるかが証明されたってわけだ。礼には及ばんよ。)

Modern Family Season5 Episode8 (ClosetCon ’13)

Doesn’t matter. は It doesn’t matter. の主語を省いた形で、「そんなことはどうでもいい」と相手の指摘を退けます。続く anyway は「どのみち」「いずれにせよ」の意味で、結果が変わらなかったことを強調しています。

ここで効いているのが If anything です。「どちらかと言えば」「むしろ」という意味で、相手の予想とは逆の見方を差し出すときに使われます。ジェイはこれを使い、フィルを遠ざけようとした裏工作を my little test(ちょっとしたテスト)と呼び直しています。

最後の You’re welcome. は本来、お礼を言われたときの返事です。お礼を言われていない場面で先に口にすると、「感謝してくれてもいいくらいだ」という恩着せがましい響きになります。指摘を小さく見せる言い方から、手柄にすり替える言い方へと進む流れが、このやり取りの見どころです。

  • A: You told everyone about the party before I could.
    (私より先にパーティーのことを全員に話したでしょ。)
  • B: If anything, I saved you some time. You’re welcome.
    (むしろ手間を省いてあげたんだよ。礼はいらないって。)

「come to like」で歩み寄る

そのあと、ジェイはクレアにこう切り出します。

Jay: You know, Claire, I’ve really come to like Phil.
(なあ、クレア。俺は本当にフィルが好きになったんだ。)

Claire: I know. And the irony is, he would really love that skeleton gag.
(分かってる。それに皮肉なことに、あの人ならあの骸骨のいたずらを本当に気に入るわ。)

Jay: Try it out on him. You got to take care of that thing till next year.
(あいつで試してみろ。来年まであれを預かっておかなきゃならないんだからな。)

Modern Family Season5 Episode8 (ClosetCon ’13)

come to like ~ は「だんだん〜が好きになる」という意味で、come to + 動詞 は時間をかけて気持ちや考えが変わったことを表します。昔は never hot on the guy だったジェイが、今の気持ちをこの形で伝えている点が印象的です。

クレアの And the irony is, ~ は「皮肉なことに〜」と、意外な事実を差し出す前置きです。骸骨のいたずらは、この見本市で新人に仕掛ける恒例のものとしてジェイが話していたもので、フィルならそれを喜ぶだろうとクレアは言います。Try it out on him. は「彼で試してみろ」という意味で、try ~ out on 人 で「〜を人に試す」を表します。新しい料理やジョークを身近な人に試してみる、といった場面でも使える組み立てです。

開き直っていたジェイが、最後はフィルへの好意を口にし、クレアもそれを I know. と受け止めています。込み入った話のあとに相手との距離を戻す言葉として、このやり取りは参考になります。

まとめ|開き直りの言葉と歩み寄りの言葉

ジェイは It doesn’t mean anything. や Doesn’t matter. で指摘を小さく見せ、If anything と You’re welcome. で裏工作を手柄に言い換えています。そのあとの come to like には、時間をかけて変わった気持ちが表れています。

言い訳の英語と歩み寄りの英語が並ぶ親子の会話を、場面ごとに味わえる回です。

模型の修理に奮闘するフィルたちの英語は、同じ回のほかのコラムやフレーズ記事でも扱っています。

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