「to each his own」の意味と使い方|『モダンファミリー』S05E08で学ぶ英会話

「to each his own」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

自分とは違う考えや好みを聞いたとき、否定も賛成もせずに、さらっと受け止めたくなったことはありませんか。

そんな場面にぴったりの「to each his own」を、『モダンファミリー』シーズン5第8話の後半、キャメロンの祖母がミッチェルの言葉を受けて口にする一言から、一緒に見ていきましょう。

目次

「to each his own」の意味とニュアンス

to each his own
意味:人それぞれだ、好みや考え方は人によって違う

to each his own は、相手の好みや考え方に口出しせず、「それはその人の自由だ」と受け止める短い言い方です。直訳は「それぞれの人に、その人自身のものを」で、each は「それぞれ」、his own は「その人自身のもの」を表します。人にはそれぞれ自分の好みや考えがある、という受け止め方が、この形の中に詰まっています。

自分には理解しにくいことでも、相手にはそれなりの好みや理由があるのだから、とりあえず認めておこう。そんな気持ちで使うのが、この表現の基本です。食べ物や趣味、服装など、自分とは合わない相手の選択を聞いたときに、「まあ、人それぞれだね」と軽く受け流す場面がよく似合います。賛成しているわけでも、反対しているわけでもない、という中立の立ち位置を示せる点が便利です。

一言で言い切って終わる形なので、後ろに but を続けて、自分の言いたいことへ話を移す形にもなじみます。相手の考えは認めたうえで、自分の話に入っていく、というつなぎの働きです。日本語の「人それぞれだね」に近い響きで、訳すときも「人それぞれ」「好みは人による」と短くまとめると、原文の調子が保たれます。

【ここがポイント!】

  • 「to each his own」の核は、相手の好みや考えを「その人の自由」と受け止める姿勢
  • 賛成も反対もせず、中立の立場で話を受け流せる短い一言
  • 後ろに but を続けて、自分の話へ移るつなぎとしても使える

『モダンファミリー』S05E08のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

キャメロンの祖母とバーブ、ミッチェルが言葉を交わす場面です。ミッチェルの返しを受けた祖母の口から、「to each his own」が短く出てきます。そのあとに何が続くかにも注目です。

Grams: Well, I never thought I’d live long enough to see that.
(そんなことがあるなんて、生きているうちに思ってもみなかったよ。)

Barb: None of us did.
(私たちも誰も思ってなかったわ。)

Grams: But I guess there’s nothing more important than family No matter how they come.
(でも、家族ほど大事なものはないんだろうね。どんな形でやって来てもね。)

Mitchell: Well, that is mighty open-minded of you. Some folks ‘round these parts don’t share that progressive — I say progressive — sensibility.
(それはずいぶんと心の広いことをおっしゃいますね。この辺りには、その進歩的な、あえて進歩的と言わせてもらいますが、そういう感覚を持たない人もいるので。)

Grams: To each his own. But I do wish I had another little one like that to spoil.
(人それぞれだね。でも、あんな小さな子がもう一人いて、甘やかせたらいいのにとは思うよ。)

Modern Family Season5 Episode8 (ClosetCon ’13)

シーン解説と心理考察

「生きているうちに思ってもみなかった」という祖母の一言から、この場面は始まります。そんなことがあるなんて、と驚きを口にする祖母(驚いた中身は、ミッチェルが養子を迎えて一人で育てているという話です)に、キャメロンの母バーブも「私たちも誰も思ってなかった」と重ねます。二人の言葉は、目の前で聞いた話に対する素直な驚きとして並んでいます。

続けて祖母は、「家族ほど大事なものはない、どんな形でやって来てもね」と語ります。「I guess」を添えることで、言い切りを避けた言い方になっています。驚きを口にしたあとに、家族の大切さを語る言葉が続く流れです。

これを受けてミッチェルは、「ずいぶんと心の広いことをおっしゃいますね」と返し、この辺りには同じ感覚を持たない人もいる、と続けます。「進歩的な、あえて進歩的と言わせてもらいますが」と、ミッチェルは途中で言葉を重ねています。

それに対する祖母の返事が、「To each his own.」です。ミッチェルが、この辺りには同じ感覚を持たない人もいると話したのに対して、祖母は「人それぞれだね」と短く受け止めます。反論することも、同意して長く語ることもせず、ひとこと受け流す形です。そして、すぐに「でも」と続けて、「あんな小さな子がもう一人いて、甘やかせたらいいのに」と、自分の願いを口にします。人それぞれと認めたうえで、自分が思っていることへ話を移す、この二つの文の流れが、この表現の使い方をよく示しています。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

パーティーのテーブルに並んだ料理を、みんなが自分の皿に好きなものだけ取っていく様子を思い浮かべてみましょう。取るものは人それぞれで、誰かが正しくて誰かが間違っている、ということはありません。「each(それぞれ)に his own(その人自身のもの)」が用意されている、という光景が、to each his own のイメージです。

キャメロンの祖母の一言も、その皿の光景に重ねると分かりやすくなります。ミッチェルの言葉に対して、祖母は、それぞれの人がそれぞれの皿を持っている、という受け止め方で返しました。相手の話を否定せず、そのまま受け入れる短い言葉です。

自分には理解しにくいと感じる話を聞いたとき、「それぞれの皿がある」と心の中でつぶやいてみましょう。to each his own を使うときの気持ちの置き方が、自然と身につきます。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「to each his own」

相手の好みや選択を受け止める to each his own を、3つの例文で確認していきましょう。

I don’t like spicy food, but to each his own.
(辛いものは苦手だけど、好みは人それぞれだね。)
食べ物の好みが分かれる場面です。but の後ろに置くと、自分の好みを述べたうえで、相手の好みも認める言い方になります。

He spends his weekends fixing old radios. Well, to each his own.
(彼は週末に古いラジオを直して過ごしてるんだって。まあ、人それぞれだね。)
同僚の趣味を聞いたときの場面です。Well を前に置くと、少し考えてから受け流すような、柔らかい調子になります。

A: I’d never eat breakfast for dinner.
B: To each his own. I love it.
(A:夕食に朝食メニューなんて絶対食べないな。)
(B:人それぞれよ。私は大好き。)
食の好みを話す往復会話です。To each his own のあとに自分の好みを続けると、相手を否定せずに違いを伝える言い方になります。

あわせて覚えたい関連表現

different strokes for different folks
(人にはそれぞれのやり方がある)
different strokes for different folks は少し長く、やり方や好みの違いを説明する言い方で、to each his own は短く受け流す言い方です。

live and let live
(自分は自分、他人は他人で干渉しない)
live and let live は他人の生き方に干渉しない姿勢そのものを表し、to each his own は相手の好みを受け止める一言として使われます。

it takes all sorts
(世の中にはいろんな人がいるものだ)
it takes all sorts は人のタイプの多様さに感心したり、あきれたりするニュアンスで、to each his own は相手の選択を認めて流すニュアンスです。

Note|each に his own を割り当てる短い型と、his を their に置き換える言い方

to each his own は、動詞のない短い形なのに、それだけで一つの文として成り立っています。形を分解すると、この表現の仕組みがよく見えてきます。

前半の to each は、「それぞれの人に」という意味です。後半の his own は、「その人自身のもの」を表します。この二つを並べただけで、「それぞれの人に、その人自身のものを」という意味の文になります。動詞を足さなくても意味が通るのは、「それぞれの人に〜を」という関係が、to each の形で示されているからです。文の頭に置いても、but の後ろに添えても、そのまま一つの言い方として使えます。

もう一つ知っておきたいのが、his の置き換えです。ここでの his は、男性だけを指すのではなく、「その人の」という意味で使われています。性別を限定しない言い方にしたいときは、his を their に置き換えて、to each their own と言うこともできます。意味は変わらず、「人それぞれ」のままです。

キャメロンの祖母が口にしたのは、his を使った形でした。動詞を使わず、to each his own という形だけで、ミッチェルの話を短く受け止め、そのあとの「But」へつなげています。短い型が、話の流れをスムーズに切り替える役目を果たしている一例です。

まとめ|相手の皿を、そのまま認める一言

to each his own は、相手の好みや考え方に口出しせず、「人それぞれ」と受け止める表現です。動詞を使わない短い型で、but の後ろに置いて自分の話へ移るつなぎにもなります。

his を their に置き換えても意味は変わりません。different strokes for different folks や live and let live といった近い言い方と比べながら、短く受け流す一言として覚えておくと便利です。

キャメロンの祖母が、ミッチェルの話をひとこと「人それぞれ」と受け止め、すぐに自分の願いへ話を移していく。短い言葉が会話の流れを変える、そんな場面でした。

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