海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン6第23話は、気持ちを表に出すかどうかが、二つの家族で話題になる回です。クレアは父ジェイの本心が見えないと迫り、ミッチェルとキャメロンは娘リリーの感情表現を心配します。
「気持ちが見えない」と言われたとき、英語ではどう答えればよいのでしょうか。指摘する側の言葉と、本心や理由を伝える返し方を、二つの家族の会話から見ていきます。
「you don’t show it」と言われたジェイの答え
仕事のオファーをめぐって、クレアはジェイに正面から問いかけます。
Claire: Don’t you even care if I stay or go?
(私が残ろうが辞めようが、どうでもいいわけ?)Jay: Of course I do.
(そんなわけないだろう。)Claire: Well, you don’t show it.
(だって、そうは見えないもの。)Jay: Well, maybe because I didn’t want that to be a factor.
(それはたぶん、判断材料にしてほしくなかったからだ。)Jay: It would kill me if I thought that what I felt would hold you back from getting something that you wanted.
(俺の気持ちのせいで、おまえが欲しいものを逃すと思ったら、たまらないからな。)Jay: But trust me, when I saw that job offer my heart almost fell out of my chest.
(だがな、あのオファーを見たときは、心臓が飛び出しそうだった。)Jay: I love us working together.
(おまえと一緒に働くのが好きなんだ。)Modern Family Season6 Episode23 (Crying Out Loud)
you don’t show it は「(気持ちがあるとしても)それを表に出していない」という指摘です。「気にかけていない」と決めつけるのではなく、見えないことを問題にしている点に、クレアの言い分が表れています。
これに対するジェイの返しは、三つの段階で組み立てられています。まず Of course I do. で気持ちがあることを短く言い切り、次に maybe because ~ で表に出さなかった理由を説明し、最後に trust me で本心を打ち明けます。
my heart almost fell out of my chest は「心臓が胸から飛び出しそうだった」という比喩で、驚きや動揺の大きさを伝えます。理由を先に述べてから気持ちを言葉にする順番が、ぶっきらぼうなジェイらしい本心の伝え方と言えます。
同じ返し方は日常でも応用できます。Of course I care. Maybe I just didn’t want to pressure you.(もちろん気にしてるよ。ただ、プレッシャーをかけたくなかったのかもしれない。)のように、気持ちがあることを先に言い切り、表に出さなかった理由を続けると、相手の不満を受け止めながら本心を伝えられます。
この会話のあと、ジェイは I pour my heart out, and that’s all I get?(胸の内をさらけ出したのに、それだけか?)とこぼします。pour one’s heart out は「心の内をすべて打ち明ける」という意味で、ジェイ自身が先ほどの言葉をそう受け止めていることが伝わってきます。
「show feelings」をめぐる親の心配
一方、ミッチェルとキャメロンは、リリーの様子が気になっています。
Mitchell: We’re getting concerned that Lily hasn’t developed an adequate sense of empathy.
(リリーに、人の気持ちを思いやる心がちゃんと育ってないんじゃないかって、心配になってきてるんだ。)Cameron: Insofar as she doesn’t have any at all.
(まったく無いって意味でね。)Modern Family Season6 Episode23 (Crying Out Loud)
empathy は「共感・人の気持ちを思いやる力」を指す語で、get concerned that ~ は「〜ではないかと心配になってくる」という意味です。キャメロンの Insofar as ~ は「〜という意味で」と相手の言葉を補う形ですが、ここでは言い足す形で、ミッチェルの心配をさらに強めています。
別の場面では、ミッチェルが自分を責めるような言葉を口にします。
Cameron: Mitchell, what’s wrong?
(ミッチェル、どうした?)Mitchell: I feel like Lily’s inability to show feelings for other people might be my fault.
(リリーが人に対して気持ちを見せられないのは、僕のせいかもしれない気がするんだ。)Cameron: Oh, honey, I think that too.
(ああ、ハニー、僕もそう思う。)Modern Family Season6 Episode23 (Crying Out Loud)
show feelings は「気持ちを表に出す」で、クレアの you don’t show it と同じ動詞 show が使われています。inability to ~ は「〜できないこと」と名詞の形で問題を言い表す言い方です。I feel like ~ を前に置くと、断定せずに自分の考えを打ち明ける響きになります。
キャメロンが慰めるのではなく同意で返す流れは、このドラマらしい笑いどころです。自分のことを打ち明けるときは、I feel like it might be my fault.(自分のせいかもしれない気がする。)のように、I feel like と might を重ねると、角の立たない言い方になります。
「I feel stuff.」——決めつけに短く返す
ミッチェルとキャメロンは、リリー本人と気持ちについて話します。
Mitchell: Okay, Lily, we think that maybe you don’t get emotional because Daddy gets, you know, so emotional because he kind of handles the emotions for the entire house.
(いいかい、リリー。君があまり感情的にならないのは、ダディがほら、すごく感情的だからじゃないかと思うんだ。家じゅうの感情を、ダディが引き受けてるようなものだから。)Modern Family Season6 Episode23 (Crying Out Loud)
話はさらに続きます。
Cameron: Okay.
(そう。)Cameron: And that maybe that’s why you don’t feel anything.
(だから君は何も感じないのかもしれないって。)Lily: I feel stuff.
(感じてるよ。)Mitchell: Really? Because when we were sick a few weeks ago, you didn’t seem to care.
(本当に? 何週間か前に僕たちが具合を悪くしたとき、気にしてないみたいだったけど。)Lily: I didn’t care.
(気にしてなかった。)Cameron: Well, she’s not a liar.
(まあ、うそつきじゃないってことだ。)Cameron: We did something right.
(僕たちも何かはうまくやれたな。)Modern Family Season6 Episode23 (Crying Out Loud)
you don’t feel anything という決めつけに、リリーは I feel stuff. と短く返します。stuff は「いろいろなもの」をばくぜんと指すくだけた語で、「ちゃんと感じてる」と言い返すのにちょうどよい一言です。
続くミッチェルの you didn’t seem to care は、seem を使って「気にしていないように見えた」と、見え方として指摘する言い方です。ジェイに向けたクレアの you don’t show it と同じく、相手の内心を断定しない形になっています。ところがリリーは I didn’t care. と、見えたとおりだと認めてしまいます。
キャメロンがその正直さを she’s not a liar と拾い、We did something right. と自分たちのしてきたことを少しだけ肯定する流れも印象的です。決めつけに言い返す短い一言と、指摘をそのまま認める率直な返事。どちらも、気持ちを言葉にする一つの形として見ることができます。
| 表現 | 場面での働き |
|---|---|
| you don’t show it | 気持ちが見えないと指摘する |
| Of course I do. | 気持ちがあることを言い切る |
| maybe because ~ | 表に出さなかった理由を伝える |
| I feel stuff. | 決めつけに短く言い返す |
| you didn’t seem to care | 見え方として指摘する |
まとめ|気持ちを言葉にする返し方
you don’t show it や you didn’t seem to care のように見え方を指摘されたとき、Of course I do. で言い切り、maybe because ~ で理由を添え、trust me で本心を伝える流れが見えてきます。短い I feel stuff. も一つの答え方です。
気持ちを言葉にする場面を探しながら、これからも『モダンファミリー』の会話を楽しんでいきましょう。
同じ回のほかのコラムでは仕事のオファーや学校行事の英語を、フレーズ記事では一つひとつの表現を扱っています。


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