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『モダンファミリー』シーズン8第4話では、マニーが芸術系の大学 Juilliard に出す出願用の動画を作り、出願の締め切りを前にジェイが手伝いを申し出ます。
人の作品をまねたのか、敬意を込めて取り入れたのか。言葉の選び方ひとつで印象ががらりと変わる場面から、遠慮のないダメ出し、人と違う一手を勧める助言まで、ジェイとマニーのやりとりには、自己PRをめぐる英語が詰まっています。
「copy」と「homage」はどう違う?
朝食の席で、マニーは出願用の動画が完成したと報告し、I think they’re going to be blown away.(きっと圧倒されると思う)と自信を見せます。ところが、その動画を見たジェイの反応はこうです。
Jay: You copied that from that play “Hamilton,” right?
(それ、あの『ハミルトン』って芝居のパクリだろ?)Manny: I’m not sure “copied” is the word.
(「パクリ」って言葉は違うと思うな。)Manny: It’s more of an homage.
(どちらかと言えばオマージュだよ。)Jay: Well, I homaged it about two weeks on “Jay Talking.”
(俺も2週間ほど『Jay Talking』でオマージュしたぞ。)Jay: You saw that episode, right?
(あの回、見ただろ?)Modern Family Season8 Episode4 (Weathering Heights)
copy は「写す、まねる」で、copy A from B の形になると「B から A をそのまま取ってきた」という含みが強まります。一方の homage は、尊敬する作品や作り手への敬意を込めて、その要素を取り入れることを指します。同じ行為でも、copy と言えば盗用に近く、homage と言えば敬意の表明に聞こえる点が、この二語の大きな違いです。
マニーの I’m not sure “~” is the word. は「〜という言葉は違うと思う」と、相手の言葉選びをやんわり訂正する形です。It’s more of ~. は「どちらかと言えば〜だ」と、より近い言葉を差し出すときに使えます。ジェイが名詞の homage を homaged と動詞にして返しているのも、会話の面白いところです。
このあとマニーは、有名なミュージカルのパロディは山ほどあると嘆きます。
Manny: Oh, good God.
(ああ、なんてことだ。)Manny: There are thousands of “Hamilton” parodies, and half of them are college applications.
(『ハミルトン』のパロディなんて何千もあって、その半分は大学の出願書類なんだ。)Modern Family Season8 Episode4 (Weathering Heights)
parody は、元の作品をもじって笑いや風刺に変えたものです。copy・homage・parody の三つを並べると、元の作品との距離の取り方の違いが見えてきます。
「It’s smug」——遠慮のないダメ出しの英語
マニーが The deadline for early admission is tomorrow. と締め切りが迫っていることを打ち明けると、ジェイは Yes, you will, and I’ll help. と手伝いを買って出ます。別の場面で、二人は動画の中身を練り直します。
Jay: What have you got? What says to Juilliard, “I’m your guy: “?
(で、何がある? ジュリアードに「俺こそ適任だ」って伝わるのは何だ?)Manny: I look straight into the camera and say, “Molière, Beckett, Delgado.”
(カメラをまっすぐ見て言うんだ。「モリエール、ベケット、デルガド」って。)Manny: Yes, it’s bold to include my own name, but so is the sheer act of putting pen to paper.
(確かに自分の名前を並べるのは大胆だよ。でも、ペンを紙に走らせること自体が大胆なんだ。)Modern Family Season8 Episode4 (Weathering Heights)
この案を聞いたジェイの反応は、容赦のないものでした。
Jay: You’re kidding, right?
(冗談だろ?)Manny: Why? What’s wrong?
(なんで? 何がいけないの?)Jay: It’s smug and privileged and precious.
(鼻持ちならなくて、恵まれてて、気取ってる。)Jay: No art school’s gonna want that.
(そんなの欲しがる芸術学校はないぞ。)Modern Family Season8 Episode4 (Weathering Heights)
ジェイの What says to ~ “I’m your guy”? は、「何が〜に『自分こそ適任だ』と伝えるのか」と、自己PRの核を問う聞き方です。say の主語を人ではなく物にすると、「その物が〜を物語る」という意味になります。
マニーの案は、有名な劇作家の名前の後に自分の名前を並べるというものでした。それに対するジェイの評価が smug(独りよがりで得意げな)、privileged(恵まれた立場の)、precious(気取りすぎた)の三語です。precious は「貴重な」が基本の意味ですが、作品や話し方について使うと「わざとらしく凝りすぎた」という否定的な響きになります。No ~’s gonna want that. は「そんなもの誰も欲しがらない」と、相手の案をばっさり切り捨てる一言です。
「You’ve got to stand out.」人と違う一手を勧める
マニーが別の案を言いかけたところで、ジェイがさえぎります。
Manny: Fine.
(わかったよ。)Manny: The year is 18–
(時は18……)Jay: No! You’re on the wrong track here.
(違う! 方向がずれてるぞ。)Jay: They’re gonna get a million applications from artsy little snots.
(芸術かぶれの生意気なガキからの出願が山ほど届くんだ。)Modern Family Season8 Episode4 (Weathering Heights)
ライバルが多いことを示したうえで、ジェイは助言を続けます。
Jay: You’ve got to stand out.
(目立たなきゃだめだ。)Jay: When everybody else zigs, you’ve got to zoink.
(みんながジグに行くなら、お前はゾインクだ。)Manny: Isn’t it “zag“?
(「ザグ」じゃないの?)Jay: Exactly.
(そのとおり。)Modern Family Season8 Episode4 (Weathering Heights)
stand out は「目立つ、際立つ」で、大勢の中で埋もれないことを表します。zig と zag はジグザグに進む向きのことで、When everyone zigs, zag.(みんなが右に行くなら左へ)は、人と逆を行けという意味で使われることが多い言い回しです。ジェイはそこをあえて zoink と言い、「zag では?」と聞き返すマニーに Exactly. と返します。on the wrong track(見当違いの方向に進んでいる)はフレーズ記事で詳しく扱っているので、ここでは「さえぎって方向を正す一言」として押さえておけば十分です。
その後、ジェイは I think I took a stab at finishing your video essay. と、自分で仕上げた動画をマニーに見せます。take a stab at ~ は「試しに〜をやってみる」というくだけた言い方です。ところが、見終えたマニーの答えはこうでした。
Manny: I can’t send this to Juilliard.
(これはジュリアードに送れないよ。)Manny: It’s all lies.
(全部嘘なんだから。)Modern Family Season8 Episode4 (Weathering Heights)
目立つことと、事実を曲げることは別の話だという線引きが、マニーの短い二文から伝わってきます。その後、マニーが自分の口で語る動画を見たジェイが少し泣いていたと、グロリアは話しています。
まとめ|まねる、目立つ、偽らない
copy と homage の言い分けで作品との距離を伝え、smug や precious で遠慮のない評価を表し、stand out で人と違う一手を勧める。出願動画をめぐる会話には、自己PRに欠かせない言葉がそろっていると言えます。
これからも『モダンファミリー』の会話を手がかりに、英語の言い回しを集めていきましょう。
天気予報士とフィルのやりとりや、家族のゲームをめぐる英語は、同じ回のほかのコラムで紹介しています。


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