海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン8第4話では、体調を崩して休学中のアレックスに、ルークとクレアが単語を作るボードゲームで、どうにか勝とうと手を組みます。
家族とのゲームでも、一度も勝てていない相手となると、勝ちたい気持ちは案外本気になるものです。勝ちたい相手を言い表す一言から、ゲーム中の駆け引き、ズルを打ち明けて本音を伝える場面まで、この回の会話から順に拾っていきます。
「beat」したい相手を言い表す
きっかけは、家でアレックスがクロスワードパズルに手こずっていた場面です。手伝いを申し出たクレアに、アレックスはこう返します。
Claire: What’s the clue? Maybe I can help.
(ヒントは何? 手伝えるかも。)Alex: Thanks, Mom.
(ありがと、ママ。)Alex: Feels good to laugh.
(笑うと元気が出る。)Claire: What is so funny? I am a well-read college graduate.
(何がおかしいのよ。私は本をよく読む大卒よ。)Claire: I think I’m capable of doing a crossword puzzle.
(クロスワードくらい解けるわ。)Modern Family Season8 Episode4 (Weathering Heights)
自分の学歴を持ち出して言い返すクレアに、アレックスはパズルのヒントをそのまま投げかけます。
Alex: Okay, professor.
(はいはい、教授。)Alex: Six-letter word, Archimedes’ exclamation.
(6文字、アルキメデスの叫び。)Claire: I don’t like you right now.
(今のあんた、嫌い。)Modern Family Season8 Episode4 (Weathering Heights)
Feels good to laugh. は主語の It を省いた口語で、クレアの申し出を笑ったことを示しています。Okay, professor. は相手を「教授」と呼んで、その自信を軽くいなす皮肉な呼びかけです。クレアの I don’t like you right now. は「今のあなたは嫌い」と、むっとした気持ちを短く返す一言です。
このやりとりの後、ルークは次のように話します。
Luke: We may never know the answer to that clue, but it made me realize this was my chance to finally beat Alex at Scrabble.
(あのヒントの答えは永遠に分からないかもしれないけど、おかげで気づいたんだ。ついにスクラブルでアレックスに勝つチャンスだって。)Luke: I have never beaten her.
(一度も勝ったことがないんだ。)Luke: She’s not the nicest winner.
(勝ったときの態度があんまり感じよくないんだよ。)Modern Family Season8 Episode4 (Weathering Heights)
beat 人 at ~ は「〜で人に勝つ」で、win と違って負かす相手を目的語に取ります。I have never beaten her. は現在完了で「これまで一度も勝ったことがない」と、積み重なった悔しさを表します。not the nicest winner は「いちばん感じのいい勝者ではない」という控えめな言い方で、勝ったときの振る舞いが感じよくないことを遠回しに伝えています。
「So do I.」本気の気持ちとためらい
ゲーム中、アレックスはルークの手持ちのタイルを成績にからめて皮肉り、声をかけたクレアの前で Wake me when it’s my turn.(私の番になったら起こして)とも言います。その後、ルークとクレアの間でこんな会話が交わされます。
Luke: I just want her to lose so bad.
(とにかくアレックスに負けてほしいんだ。)Claire: Yeah.
(そうね。)Claire: So do I.
(私もよ。)Luke: Cheating? Are we really doing this?
(ズル? 本気でやるの?)Modern Family Season8 Episode4 (Weathering Heights)
確かめるように聞き返すルークに、クレアはこう続けます。
Claire: That smug sister of yours needs to be taken down a peg.
(あの得意げなお姉ちゃんは、鼻をへし折られる必要があるの。)Luke: Ooh! Peg.
(おっ! ペグ。)Claire: Think bigger.
(もっと大きく考えて。)Luke: Pegs.
(ペグズ。)Modern Family Season8 Episode4 (Weathering Heights)
I just want her to lose so bad. の so bad は「すごく、どうしても」という口語の強調で、want ~ so bad の形で強い願望を表します。So do I. は肯定文への「私も」で、相手の動詞の形に合わせて do を使う点がポイントです。否定文への「私も」なら Neither do I. になります。
ルークの Cheating? という聞き返しから、二人がズルをする話になっていることが分かります。Are we really doing this? は「本当にやるの?」と、本当にやるのかを確かめる言い方です。take someone down a peg(高慢な人の鼻を折る)はフレーズ記事で詳しく扱っているので、ここではクレアの言い分の中心にある言葉として押さえておけば足ります。ルークが peg という語に飛びつく流れも、この場面のおかしみです。
「We cheated.」打ち明けて本音を伝える
ゲームの終盤、ルークは Admit it, it’s over.(認めなよ、もう終わりだって)と迫り、I’m ahead by 50 points(50点リードしてる)と点差を突きつけます。クレアはアレックスに It’s just a game.(ただのゲームじゃない)と声をかけます。そして、アレックスが弱気な言葉を口にしたところで、クレアは打ち明けます。
Claire: We cheated.
(私たち、ズルしたの。)Claire: Luke and I messed with the tiles.
(ルークと私でタイルに細工したのよ。)Alex: What?!
(は?!)Claire: Yeah, it’s just that, you’re the smartest one in the family, and you always rub it in, and it doesn’t make us feel good.
(そう、ただね、あんたは家族で一番頭がいいし、いつもそれを見せつけるでしょ。こっちはいい気分じゃないのよ。)Modern Family Season8 Episode4 (Weathering Heights)
mess with ~ は「〜をいじる、細工する」というくだけた言い方です。rub it in は「(相手の失敗や劣勢を)わざわざ思い知らせる」という意味で、傷口に塩を塗り込むような感覚に近い表現です。it doesn’t make us feel good は、相手を責める言葉ではなく、自分たちの気持ちを主語にして伝える形になっています。
これを聞いたアレックスの返事はこうです。
Alex: Wow.
(わあ。)Alex: I am so sorry.
(本当にごめん。)Alex: I feel terrible that I’ve been making you guys feel this way.
(みんなにそんな思いをさせてたなんて、すごく申し訳ない。)Alex: Thank you for opening up to me about it.
(打ち明けてくれてありがとう。)Alex: Otherwise, I never would have known that you cheated, which means that I win, you lose!
(じゃなきゃ、ズルされたなんて気づかなかった。つまり、私の勝ち、そっちの負け!)Modern Family Season8 Episode4 (Weathering Heights)
I feel terrible that ~ は「〜で本当に申し訳なく思う」、open up to someone about ~ は「〜について人に心を開いて話す」という意味です。謝罪の言葉を丁寧に並べた直後に、そのまま which means ~(つまり〜ということ)と勝ちを宣言するのが、この場面の面白いところです。
まとめ|勝ちたい気持ちと本音の伝え方
beat 人 at ~ で勝ちたい相手を言い表し、So do I. で気持ちをそろえ、rub it in や it doesn’t make us feel good で本音を伝える。家族のゲームという身近な場面に、気持ちを率直に言葉にする英語が詰まっていることが分かります。
『モダンファミリー』を観ながら、こうした家族の掛け合いの英語を楽しんでいきましょう。
天気予報士とフィルのやりとりや、出願動画をめぐる英語は、同じ回のほかのコラムで、個々の表現はフレーズ記事でも扱っています。


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