「not do oneself any favors」の意味と使い方|『モダンファミリー』S05E07で学ぶ英会話

「not do oneself any favors」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

周りに合わせたくて選んだ道が、じつは自分にとって遠回りになっている。そんな場面が、誰にでもあるはずです。

そんな忠告の一言に使われている「not do oneself any favors」を、『モダンファミリー』シーズン5第7話の前半、ジェイがマニーにケーキコンテストのことで釘を刺すシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「not do oneself any favors」の意味とニュアンス

not do oneself any favors
意味:自分のためになっていない、自分で自分を不利にしている

not do oneself any favorsは、「その行動は自分に得をもたらしていない」と指摘する言い方です。oneselfの部分は、主語に合わせてyourself、himself、herselfなどに変わります。

土台になっているのは、do someone a favor(人のために親切にする、頼みを聞く)という形です。someoneの位置に自分自身を入れ、否定を付けると、「自分に対して、少しの親切もしていない」という組み立てになります。直訳すると不自然ですが、「自分のためになっていない」と訳すと、意味がすっと通ります。

anyが入っているのは、否定文で「少しも」「ひとつも」を表すためです。do oneself a favorが「自分のためになることをする」なのに対し、not do oneself any favorsは、「自分のためになることを何ひとつしていない」という響きになります。

進行形のyou’re not doing yourself any favorsにすると、「いま現に自分を不利にしている」という指摘になります。相手を頭ごなしに責めるより、「それは得策ではない」と穏やかに止めるときに向いた形です。命令や禁止の形ではなく、「いまの選び方は自分に得をもたらしていない」という事実の指摘として伝わるため、相手が自分で考え直す余地を残せます。

【ここがポイント!】

  • 「not do oneself any favors」の核は、do someone a favorのsomeoneを自分自身に入れ替えた形
  • oneselfは主語に合わせて変わり、否定のanyが「ひとつも〜ない」感じを作る
  • 進行形にすると「いま現に自分を不利にしている」という忠告になる

『モダンファミリー』S05E07のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

ジェイがマニーに向かって「これを言うのは最後にする」と切り出すと、グロリアが横から返事をします。ジェイは、周りに溶け込みたいのならケーキコンテストは自分のためにならないと、マニーに忠告を重ねます。マニーの返事と、ジェイの言い返しまで続く会話の流れに注目です。

Jay: You know, Manny, I’m just gonna say this one last time.
(なあ、マニー、これを言うのは最後にするぞ。)

Gloria: I doubt that.
(それはどうかしらね。)

Jay: Give me that. You want to fit in? You’re not doing yourself any favors with this cake contest.
(それをよこせ。周りに溶け込みたいんだろ? このケーキコンテストに出たって、自分のためにならないぞ。)

Manny: I don’t know. Chefs get all the girls.
(どうかな。シェフは女の子にモテるんだよ。)

Jay: You’re a baker. Bakers are girls Betty Crocker, Mrs. Fields, Little Debbie.
(お前はベイカー(パンや菓子を焼く人)だろ。ベイカーは女だ。ベティ・クロッカー、ミセス・フィールズ、リトル・デビー。)

Modern Family Season5 Episode7 (A Fair to Remember)

シーン解説と心理考察

ジェイは「これを言うのは最後にする」と、念を押すような切り出しで話を始めます。それに対するグロリアの「それはどうかしらね」が、その宣言をそのまま受け取っていない空気を作っています。

ジェイは、マニーに「周りに溶け込みたいんだろ?」と問いかけたうえで、not doing yourself any favorsを使い、ケーキコンテストが自分のためにならないと告げます。問いかけで相手の動機を確かめてから忠告に入る順番には、理由を添えて伝えようとする構えが表れています。

一方のマニーは「シェフは女の子にモテる」と、自分なりの理由を返します。ジェイは「ベイカー」と言い換え、3つの名前を挙げて応じます。マニーの理由とジェイの見方が食い違ったまま会話が進んでいく、二人の考え方の違いが表れた場面です。ジェイの忠告に対して、マニーが「どうかな」と自分の考えを保っている点も、会話の温度を変えています。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

ものさしを一本、思い浮かべてみましょう。目盛りの片側が「自分のためになる」、反対側が「自分のためにならない」です。do oneself a favorはプラス側の目盛りに、not do oneself any favorsはゼロかマイナス側の目盛りに立っている状態です。

ジェイがマニーに向けた言葉は、「そのコンテストに出ても、目盛りはプラスに動かないぞ」という忠告として読めます。favorを「好意」と訳すと堅くなりますが、「自分への得点」というイメージに置き換えると、not doing yourself any favorsは「自分に得点が入っていない」という感覚で頭に残ります。誰かに忠告したいとき、頭の中でこのものさしを思い浮かべ、相手の選び方がどちら側に寄っているかを確かめる、という使い方もできます。

例文で覚える「not do oneself any favors」

自分のためになっていない行動を、やんわり指摘するときに使うnot do oneself any favorsを、3つの例文で確かめてみましょう。

You’re not doing yourself any favors by skipping breakfast.
(朝ごはんを抜いても、自分のためにならないよ)
友人の生活習慣に助言する、日常の場面です。by ~ingを添えると、何が自分を不利にしているのかがはっきりします。

He didn’t do himself any favors by arriving late to the interview.
(面接に遅刻したことで、彼は自分を不利にしてしまった)
採用面接の結果を振り返るビジネスの場面です。主語がheなので、oneselfがhimselfに変わり、過去形のdidn’tで「してしまった」という結果を述べています。

A: I’ll just tell her everything I think.
B: You’re not doing yourself any favors.
(A:思ってることを全部彼女に言うつもり。)
(B:それは自分のためにならないよ。)
感情的になっている友人を止める会話です。短く言い切ると、「やめておいたほうがいい」という気持ちが伝わります。後ろに理由を付けず、You’re not doing yourself any favors.だけで終える形も自然です。

あわせて覚えたい関連表現

shoot oneself in the foot
(自滅する、自分で自分の首を絞める)
not do oneself any favorsが「得にならない」という穏やかな指摘であるのに対し、shoot oneself in the footは、失敗して自分を傷つける結果まで含めた強い言い方です。

be counterproductive
(逆効果である)
行動が目的と逆の結果を生む点を、客観的に述べる言い方です。not do oneself any favorsは、本人に向けた忠告として使う点が違います。

do someone a favor
((人)のために親切にする、頼みを聞く)
not do oneself any favorsの土台になっている形です。someoneの位置が自分自身になり、否定が付くと、「自分を助けていない」という意味に変わります。

Note|not doing yourself any favorsの後ろに、byやwithで理由を続ける形

not doing yourself any favorsは、それだけでも忠告になりますが、後ろに続けると「何が自分を不利にしているのか」まで言えます。

いちばん基本になるのは、by ~ing(〜することで)を続ける形です。You’re not doing yourself any favors by skipping breakfast.なら、「朝ごはんを抜くことで、自分のためになっていない」という意味になります。作中ではby ~ingではなく、with this cake contestというwith + 名詞の形が使われていました。「このケーキコンテストに関しては」と、話題になっている物事をそのまま置く形です。byの後ろは動作で、withの後ろは物事や状況を置く、と整理できます。

もうひとつ、when節を続ける形もあります。You’re not doing yourself any favors when you argue with everyone.のように、「〜するとき」の場面を示す言い方です。

作中のジェイの言葉も、「ケーキコンテストに出ること」がマニーにとって得にならない、という指摘を、with this cake contestで手短にまとめたものでした。

後ろに続く形を決めておくと、忠告の中身を具体的に伝えられます。理由を添えるかどうかで、忠告の強さも変わります。理由を添えれば説明的に、添えなければ短く言い切る響きになります。

まとめ|「自分のためになっていない」を、やんわり伝える一言

not do oneself any favorsは、do someone a favorのsomeoneを自分自身に入れ替えて、「自分のためになっていない」と指摘する言い方です。oneselfは主語に合わせて変わります。

友人の習慣、仕事の進め方、感情的な行動など、相手が自分で自分を不利にしている場面で、穏やかに止める一言として働きます。by ~ingやwith + 名詞を続ければ、何が得にならないのかも具体的に伝えられます。

周りに溶け込みたいマニーに、ケーキコンテストが得にならないと忠告するジェイの言葉には、家族に向けた率直さが表れていました。相手に一言だけ伝えたい場面でも、理由まで丁寧に添えたい場面でも、同じ形で言い分けられます。忠告の言葉を選びたくなったときの引き出しに加えてみてください。

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