「Yeah, it’s a verb.」に見る、名詞から生まれた動詞buttleと言い張る返し|『ホワイトカラー』S05E05で学ぶ英会話

『White Collar』コラム: 「Yeah, it's a verb.」に見る、名詞から生まれた動詞buttleと言い張る返し|『ホワイトカラー』S05E05で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回は『ホワイトカラー』シーズン5第5話の前半から、ウォルコット家の件で証拠の集め方を話し合うニールとピーターのやり取りを取り上げます。執事を意味する名詞 butler から生まれた動詞 buttle を、ニールが持ち出す場面です。

聞き慣れない語を聞き返されたときの押し返し方から、この動詞のでき方、別の場面での使われ方まで、順番に見ていきます。

目次

「I can buttle.」と名乗り出て「it’s a verb」と押し返す

妻を潜入捜査官として送り込むつもりはないとピーターが言うと、ニールは代わりに自分を送り込むよう持ちかけます。

Neal: So send me in.
(じゃあ、僕を送り込めばいい。)
Peter: How?
(どうやってだ?)
Neal: The Wolcotts need a new butler. I can buttle.
(ウォルコット家は新しい執事を探してる。僕なら執事が務まるよ。)
Peter: Buttle?
(執事する、だと?)
Neal: Yeah, it’s a verb.
(そう、動詞だよ。)

White Collar Season5 Episode5 (Master Plan)

send ~ in は「〜を現場に送り込む」という句動詞です。文頭の So は前の話を受けて「それなら」と代案を出す合図になっています。

聞き慣れないのが buttle です。名詞 butler(執事)の語尾 -er を取り去る形で作られた動詞で、「執事として仕える」という意味を持ちます。英語には、-er で終わる名詞を「〜する人」と見なし、そこから逆に動詞を取り出す語形成があり、「逆成」と呼ばれます。

元の名詞 取り出された動詞
babysitter(ベビーシッター) babysit(子守をする)
editor(編集者) edit(編集する)
butler(執事) buttle(執事として仕える)

ピーターの Buttle? は、相手の語をそのまま繰り返す聞き返しです。「今なんて言った?」と、耳慣れない語への戸惑いが一語で伝わります。それに対するニールの Yeah, it’s a verb. は、品詞の名前を言い切って「れっきとした言葉だ」と言い張る一言と言えます。説明を重ねずに文法用語一つで済ませる身軽さが、ニールらしいところです。

「He buttled ~」と使ってみせる側と、some で茶化す一言

buttle は、そのあとピーター自身の口からも出てきます。エリザベスの推薦で後任の執事に雇われたと、ニールが元執事のスタントンに伝える場面で、ピーターはニールの経歴をこう紹介します。

Peter: He buttled in a castle in Hampshire.
(こいつはハンプシャーの城で執事をしてたんだ。)

White Collar Season5 Episode5 (Master Plan)

buttled は buttle の過去形です。e で終わる規則動詞なので、-d を足すだけで過去形が作れます。普通に言えば He worked as a butler in a castle. となるところを、buttle 一語で済ませているため、文が短く引き締まります。

前の場面で Buttle? と聞き返していたピーターが、ここでは同じ語を当たり前の動詞として使っています。耳慣れない語でも、規則どおりに活用させれば普通の文に収まることが分かります。相手の造語めいた言葉を自分でも使ってみせると、話に乗ったことが自然に伝わる点も見どころです。

本話の後半、容疑者を見失った直後にも、執事にまつわる一言が出てきます。

Peter: That must be some butler college.
(よっぽど立派な執事学校なんだな。)

White Collar Season5 Episode5 (Master Plan)

must は「〜に違いない」という強い推量で、That must be hard.(それは大変に違いない)のように、相手の話から状況を推し量るときの定番の形です。some + 名詞 は、文脈によって「大した〜」「なかなかの〜」という感嘆を表します。ここでは、執事として潜入しているニールに向けて、その執事を育てた学校とやらはよほど立派なのだろうと茶化す響きがあります。

a butler college と言えば単に「ある執事学校」ですが、some に置き換えるだけで評価の気持ちが加わります。butler を名詞のまま college と組み合わせた短い冗談で、buttle の場面と並べると、butler という一つの語を、名詞のままでも動詞に変えても笑いにしているのが面白いところです。

まとめ|buttleのでき方と、言葉を押し通す返し

逆成で生まれた buttle、聞き返しの Buttle?、品詞を言い切る Yeah, it’s a verb.、過去形 buttled、感嘆の some を見てきました。語のでき方を知ると、初めて聞く語も推測しやすくなります。

次回も『ホワイトカラー』の言葉遊びとともに、英語の仕組みを見ていきましょう。

この回のほかのコラムやフレーズ記事でも、執事に扮したニールの周辺の英語を扱っています。

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