海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ホワイトカラー』シーズン5 第8話から、恐竜の化石をめぐるピーターとニールの軽口を取り上げます。前半でピーターが投げかけた capture one’s imagination を、事件の終盤ではニールが自分の言葉として口にします。同じ表現が立場を入れ替えて戻ってくる流れが、この回の小さな見どころです。
物を主語にして「心をつかまれる」と言う英語の発想を、二つの場面に沿って順番に見ていきます。
化石の卵を前にした問いかけ「doesn’t capture your imagination?」
本話の前半、盗まれた輸送箱の中身が恐竜の卵の化石だと分かります。この卵を前にした二人の受け止め方には、はっきりした差があります。
Peter: Even now you kind of expect it to crack open, don’t you?
(今でも、なんだか割れそうな気がするだろ?)
Neal: I really don’t.
(全然しないね。)
Peter: A fossilized egg doesn’t capture your imagination?
(化石の卵に想像をかき立てられないのか?)
Neal: Well, the value of it does.
(まあ、その価値にはかき立てられるけどね。)White Collar Season5 Episode8 (Digging Deeper)
capture one’s imagination は、直訳すると「人の想像力をとらえる」です。主語に来るのは人ではなく、物や話、出来事のほうです。日本語では「私は化石に夢中だ」と人を主語にしがちですが、英語では「化石が私の想像力をとらえる」と、心を動かす側を主語に据える組み立てがよく使われます。
ピーターの問いは、語順は平叙文のまま上げ調子で発音する疑問文です。doesn’t を使った否定の形にすると、「まさか興味がないのか」という意外さがにじみます。その前の kind of は「なんとなく」とぼかす言い方で、don’t you? の付加疑問とあわせて、相手に同意を求める調子をつくっています。
ニールの返しは、同じ動詞をくり返さずに does で受け、主語だけを the value of it(その価値)に入れ替えた形です。卵そのものではなく値打ちのほうに心が動くと答えるところに、ピーターとの温度差が表れています。
終盤で戻ってくる「that definitely captures my imagination」
事件の終盤、ピーターとニールは化石の行方を突き止め、フォーサイスのもとに乗り込みます。そこでニールが口にするのが、前半でピーターが使ったのと同じ表現です。
Neal: Okay, that definitely captures my imagination. You know, it’s not too late for you to be a paleontologist.
(よし、これは確かに想像をかき立てられるね。ねえ、今からでも古生物学者になるのは遅くないよ。)
Peter: Some things are better enjoyed from a distance.
(離れて楽しむほうがいいものもあるんだ。)White Collar Season5 Episode8 (Digging Deeper)
最初の場面で「全然しないね」と答えていたニールが、ここでは definitely(確かに)を添えて、心をつかまれたことを認めます。主語の that は目の前にあるものを指す代名詞で、ここでも主語は物の側に置かれています。冒頭の Okay, は、前の流れを受けて評価を口にするときの切り出しです。
続く it’s not too late for you to be ~ は「今からでも〜になるのは遅くない」と、相手に新しい道を勧める決まった形です。for you で誰にとってかを示し、to 不定詞で何になるかを続けます。先に卵が割れそうだと話していたピーターへの、からかい半分の後押しと読み取れます。
ピーターの better enjoyed from a distance は、be 動詞と過去分詞 enjoyed の受け身に better が入った形で、「離れて楽しまれるほうがよい」が直訳です。勧めを正面から断らず、距離を置いて眺めるのが一番だと返すことで、話を軽くかわしています。
| 表現 | 主語 | ニュアンス |
|---|---|---|
| capture one’s imagination | 物・話・出来事 | 想像をかき立てて心をつかむ |
| catch one’s eye | 物・人 | ふと目に留まる |
| be better enjoyed from a distance | 物・事柄 | 近づかずに眺めるのがよい |
まとめ|心を動かす側を主語にする capture one’s imagination
物を主語にして心をつかまれたことを伝える capture one’s imagination、否定の上げ調子で意外さを示す問い、勧めを受け流す better enjoyed from a distance を見てきました。話者を替えて戻る表現から、二人の距離感も見えてきます。
次回も『ホワイトカラー』の軽口から、英語の組み立てを読み解いていきましょう。
この回の場面は、ほかのコラムやフレーズ記事でも扱っています。


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