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今回は『ホワイトカラー』シーズン6 第4話の前半から、モジーがニールに、自分には妻がいると打ち明ける会話を取り上げます。「結婚している」とひと言で済ませず、technically や a real one を添えて事実に条件をつけていくモジーの話し方が見どころです。
事実に但し書きを添える語から、記憶に留保をつける返し、約束をめぐる抜け道まで、順番に見ていきます。
「technically」で、事実に「厳密に言えば」の条件をつける
届いた匿名のメッセージがパンサーズからではなかったと認めたあと、モジーはニールに、言いそびれていたことがあると切り出します。ニールに相手の女性は誰かと問われ、モジーが明かした答えはこうでした。
Mozzie: She’s my wife.
(私の妻だ。)
Neal: Wait, you have a wife?
(待って、奥さんがいるの?)
Mozzie: Yes, technically I am united in matrimony.
(ああ、厳密に言えば、私は婚姻関係にある。)
Neal: In the traditional sense?
(普通の意味で?)
Mozzie: Yes. We were married by a justice of the peace… a real one.
(そうだ。治安判事のもとで結婚した……本物のな。)White Collar Season6 Episode4 (All is Fair)
technically は「厳密に言えば」「形の上では」という副詞です。規則や定義に照らせばそうなる、という条件をつけるときに使われ、「実態はともかく」という含みが残ることも多い語です。ここでも「結婚している」とは言い切らず、technically を添えて、形の上では夫婦だと条件つきで言っています。
united in matrimony は、married を儀式ばった言葉で言い換えた表現です。ふだんの会話なら I’m married. で十分なところを、わざわざ硬い言い回しにしているのは、理屈っぽく芝居がかったモジーらしい言葉選びと言えます。
ニールの In the traditional sense? は「普通の意味で?」と、相手の但し書きの中身を確かめる聞き返しです。これにモジーは Yes. と答えたうえで、結婚させてくれた治安判事について a real one と付け足します。one は前に出た a justice of the peace の言い換えで、「(偽物ではなく)本物の」と念を押す一言です。
「as I recall」の皮肉と、「technically」を抜け道に使う返し
妻とは五年会っていないと聞いたニールが「五年?」と確かめると、会話は二人それぞれの五年前に移ります。
Mozzie: Yes, I was at a low point.
(ああ、私はどん底にいた。)
Neal: Me too, as I recall. I was in prison.
(僕もだよ、記憶が確かならね。刑務所にいたんだから。)
Mozzie: And I was out a best friend and a partner in crime.
(そして私は、親友と相棒を失っていた。)White Collar Season6 Episode4 (All is Fair)
as I recall は「私の記憶では」「確か〜だったと思う」と、自分の記憶に軽い留保をつける表現です。ただ、刑務所にいたことは忘れようのない事実です。それにあえて「記憶が確かなら」と添えることで、深刻な話を冗談めかして返す響きが生まれていると読み取れます。be out ~ は「〜を失って」で、モジーはニールが服役していた間の自分の損失をそう表しています。
technically は、言い逃れの道具にもなります。その後、ピーターから関わらないよう念を押されていた件で、ジャックの慈善団体のロビーにいるニールが渋ると、こんな言葉が返ってきます。
Neal: I promised Peter we’d stay out of it.
(ピーターに、関わらないって約束したんだ。)
Mozzie: Technically, you didn’t promise. I did, and the Suit and I have our own understanding about truth.
(厳密に言えば、君は約束していない。約束したのは私だ。そしてスーツと私には、真実について独自の了解がある。)White Collar Season6 Episode4 (All is Fair)
ここでの Technically は、「口に出して約束したかどうか」という一点だけに条件を絞り、言葉の上の抜け道を作っています。同じ語でも、前の場面のように自分の立場を正確に言う使い方と、ここのように相手の気がかりをかわす使い方があることが分かります。
まとめ|但し書きの語で、言葉の幅を調整する
条件をつける technically、本物だと念を押す a real one、記憶に留保を添える as I recall を見てきました。言い切りを少しずらす語を挟むだけで、正確さにも皮肉にも振れることが分かります。
次回も『ホワイトカラー』のくせのある会話から、英語の言い回しを拾っていきましょう。
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