「Right on, right on.」気さくな相づちの英語|『ヤングシェルドン』S01E04で学ぶ英会話

『Young Sheldon』コラム: 「Right on, right on.」気さくな相づちの英語|『ヤングシェルドン』S01E04で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

シットコム『ヤングシェルドン』シーズン1第4話では、シェルドンの食事が進まなくなったことをきっかけに、一家がセラピストのゲッチ先生を訪ねます。先生が繰り返す Right on という口ぐせは、場面によって少しずつ違う響きを帯びています。

今回はこの口ぐせを手がかりに、初対面のあいさつや相手の話を受け止める相づちなど、くだけたやり取りの英語を、出迎えから面談、思わぬ問い返しまで場面の順にたどります。

目次

「Right on」と「Put ‘er there」で始まる初対面

ゲッチ先生は一家を出迎えると、まず相手が誰かを確かめるように声をかけます。

Dr. Goetsch: Hi. Welcome. You must be the Cooper family.
(こんにちは。ようこそ。クーパーさんご一家ですね。)

Mary: We are.
(そうです。)

Dr. Goetsch: Right on, right on. This must be Sheldon. Put ‘er there.
(いいですねえ、いいですねえ。きみがシェルドンくんだね。さあ、握手しよう。)

Sheldon: No, thank you.
(いえ、結構です。)

Dr. Goetsch: Right on, right on.
(いいですねえ、いいですねえ。)

Young Sheldon Season1 Episode4(A Therapist, a Comic Book, and a Breakfast Sausage)

You must be ~ は「〜さんですね」と、見当をつけて相手を確かめる言い方です。must は「〜に違いない」という推量の助動詞です。

Right on は、相手の言葉を受けて「いいね」「そのとおり」と応じるくだけた相づちです。メアリーの We are. という短い返事に、先生はこの言葉を二度重ねて返しました。続く Put ‘er there. は握手を求めるくだけた言い方で、’er は her が縮まった形です。あいだの This must be ~. も You must be ~ と同じ must の推量で、今度は本人に向けず「この子がシェルドンくんだね」と確かめています。

シェルドンは No, thank you. と丁寧に握手を断りますが、先生は再び同じ口ぐせで応じます。断られた直後にも調子を変えないため、この Right on が中身への賛成というより、会話をつなぐ合図として働いていると読み取れます。

  • A: Hi, you must be Ken. I’m Lisa.
    (こんにちは、ケンさんですね。リサです。)
  • B: Nice to meet you. Put ‘er there.
    (よろしく。さあ、握手しよう。)

「I hear ya」と「give ~ a whirl」、面談の場の言い回し

両親との面談では、メアリーが息子の事情を説明し、先生がそれを受け止めます。

Mary: He’s nine years old and he’s in high school, so you can’t judge him like other kids.
(あの子は9歳で高校に通っているんです。だから、ほかの子と同じようには見られないんです。)

Dr. Goetsch: I hear ya.
(分かりますよ。)

Mary: George, tell him about how he’s always going on and on about subatomic particles and such.
(ジョージ、あの子がいつも素粒子だの何だのの話ばかりしていることを話してあげて。)

George Sr.: Oh, he’ll get to gabbin’ about it.
(ああ、そのうちその話でしゃべり出すさ。)

Young Sheldon Season1 Episode4(A Therapist, a Comic Book, and a Breakfast Sausage)

I hear ya. は、文字どおりの「聞こえる」ではなく「言いたいことは分かる」と受け止める相づちです。ya は you のくだけた形で、改まった返事よりも親しげな響きになります。メアリーの going on and on about ~ は「〜の話を延々と続ける」という言い方で、話が止まらない様子を表します。父ジョージの gabbin’ は gabbing の語尾を縮めた綴りで、「おしゃべりする」という意味です。

話が進んだところで、先生は改めて自分の側から切り出します。

Dr. Goetsch: Okay. Let me just start by saying you came to the right place. Sheldon and I happen to have a lot in common. I, too, was a special little boy. In the fourth grade, I was reading at a seventh grade level. And I don’t have to tell you where I was by the seventh grade. Tenth.
(では、まず申し上げておきますと、こちらに来られて正解ですよ。シェルドンくんと私には、たまたま共通点が多いんです。私も特別な少年でしてね。4年生のときには、7年生レベルの本を読んでいました。7年生のころにどこまでいっていたかは、言うまでもありませんね。10年生です。)

George Sr.: I’m gonna give the beanbag a whirl.
(俺はビーンバッグをちょっと試してくる。)

Young Sheldon Season1 Episode4(A Therapist, a Comic Book, and a Breakfast Sausage)

you came to the right place は「来る場所はここで合っている」と相手を安心させる切り出しで、Let me just start by saying ~ という前置きと組み合わさっています。happen to は「たまたま〜する」の意味です。先生の話のあと、ジョージは give ~ a whirl(ちょっと試してみる)を使って、部屋のビーンバッグに座ってみると告げました。

  • A: Have you tried the new café yet?
    (新しいカフェ、もう行ってみた?)
  • B: Not yet, but I’ll give it a whirl this weekend.
    (まだ。でも今週末にちょっと試してみるよ。)

問い返しにも「Right on」、口ぐせが際立つ場面

やがて、シェルドンの姿が見えなくなります。そこで交わされた先生とメアリーのやり取りが次の場面です。

Dr. Goetsch: Couldn’t have gone far.
(遠くへは行っていないはずです。)

Mary: Why not?
(どうしてですか?)

Dr. Goetsch: Right on, right on.
(いいですねえ、いいですねえ。)

Young Sheldon Season1 Episode4(A Therapist, a Comic Book, and a Breakfast Sausage)

Couldn’t have gone far. は「遠くへ行ったはずがない」と、過去のことを推し量る形です。couldn’t have と過去分詞を組み合わせると「〜したはずがない」という意味になり、ここでは主語の he が省かれています。

これに対してメアリーは Why not? と、そう言える理由を尋ねました。返ってきたのは理由の説明ではなく、出迎えのときと同じ Right on, right on. です。問いへの答えになっていない返事だからこそ、この言葉が意味よりも調子で会話をつなぐ相づちであることが浮かび上がります。

Why not? は否定文を受けて「どうしてそうではないのか」を問う短い聞き返しで、ここでは「どうして遠くへ行っていないと言えるのか」という意味になります。相手の言い切りに根拠を求めるときに便利な一言で、語調しだいで素朴な疑問にも反論にもなります。

  • A: He couldn’t have left already.
    (彼がもう帰ったはずはないよ。)
  • B: Why not? His car is gone.
    (どうして? 車がないよ。)

場面ごとに出てきた表現を、働きで整理すると次のようになります。

表現 場面での働き
You must be ~ 相手が誰かを確かめる出迎えの言葉
Right on 相手の言葉を受けて調子よく応じる
Put ‘er there. くだけた調子で握手を求める
I hear ya. 相手の言いたいことを受け止める
you came to the right place 相手を安心させる切り出し
give ~ a whirl ちょっと試してみる

まとめ|口ぐせから見える、くだけた英語の距離感

Right on、Put ‘er there、I hear ya は、いずれも相手との距離を縮めるくだけた言い回しです。同じ口ぐせが出迎え、断られた直後、問い返しの場面で繰り返されることで、相づちが意味よりも調子で働く様子が見えてきます。

ゲッチ先生の一言一言に耳を傾けると、この回の会話がいっそう楽しめます。



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