「”Li’l Dribblers” on three.」に見る、アメリカの子ども向けスポーツチームの掛け声と保護者コーチの文化|『モダンファミリー』S01E20で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 「"Li'l Dribblers" on three.」に見る、アメリカの子ども向けスポーツチームの掛け声と保護者コーチの文化|『モダンファミリー』S01E20で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン1第20話では、ジェイとフィルが子どものバスケットボールチームのコーチを引き受ける場面が描かれます。役割を分担しながらチームを率いる二人の様子や、選手全員で声をそろえる号令が、この話の見どころの一つです。

今回はこの場面を起点に、アメリカの子ども向けスポーツチームで見られる保護者ボランティアコーチの体制と、チームで声をそろえる掛け声の習慣を見ていきます。

目次

保護者同士でコーチの役割を分担する場面

それまでチームを指導していたコーチが子どもたちを怒鳴りつける場面が続いたことをきっかけに、ジェイがその場でコーチを引き継ぎます。ジェイに指摘された当のコーチが自ら「それなら、お前がコーチをやれ」と言い残してチームを離れると、ジェイがコーチの役を担うことになります。この経緯を受けて、フィルは自分もバスケの指導経験があると申し出ます。

Phil: Oh, really? ‘Cause I-
(へえ、そうなんだ。だって俺も…)

Jay: Phil, I coached football.
(フィル、俺はフットボールのコーチをやってたんだ。)

Phil: Jay, I actually coached basketball.
(ジェイ、俺はバスケのコーチをやってたんだよ。)

Phil: I think I can get these guys-
(俺なら、この子たちを…)

Jay: Relax.
(落ち着け。)

Jay: You’ve already got the assistant job.
(お前にはもうアシスタントの仕事があるだろ。)

Jay: Now you think you can round us up some waters?
(それより、みんなの分の水を集めてきてくれるか?)

Phil: Yeah.
(了解。)

Modern Family Season1 Episode20 (Benched)

このやり取りからは、子どものチームのコーチ役を保護者同士で分担する様子が読み取れます。ジェイは自分がフットボールの指導経験を持つことを理由にコーチの座に就き、バスケの経験があると主張するフィルには assistant job(アシスタントの役目)をあてがいます。さらに round us up some waters(水を集めてくる)という具体的な雑用まで任せているところに、コーチとアシスタントの役割の違いがはっきりと表れています。

こうした保護者同士の役割分担のあり方は、チームや地域、年代によって形が異なると見ておく必要があります。指導経験の有無や声の大きさで役割が決まる場合もあれば、持ち回りで担当を決めるチームもあり、この作品の描写はあくまで一つの例です。

劇中では、ジェイが「I coached football」と自分の経験を口にし、フィルはアシスタントとしてジェイを支える形に落ち着きます。英語の assistant coach は、ヘッドコーチを補佐する立場のコーチを指す言葉で、練習の準備や声かけなどを受け持つ役割として使われることが多い表現です。

「One, two, three」で声をそろえる場面

前半の試合の前、フィルはチームに向けて号令をかけます。

Phil: Okay, “Win” on three.
(よし、3つ数えたら「勝つぞ」だ。)

Phil: One, two, three-
(いち、に、さん、)

All: Win!
(勝つぞ!)

Phil: Don’t forget the pick and roll.
(ピック・アンド・ロールを忘れるなよ。)

Phil: These guys won’t know how to defend it.
(相手チームは、あの動きの守り方を知らないはずだ。)

Jay: Phil, try not to confuse my boys, okay?
(フィル、俺のチームの子たちを混乱させないでくれよ。)

Modern Family Season1 Episode20 (Benched)

“Win” on three は「3つ数えたら『勝つぞ』と声を合わせる」という意味の号令で、One, two, three- の合図に続けて全員が一つの言葉を叫ぶという形になっています。この作品では、試合前に短い掛け声を声をそろえて叫ぶ場面がこのように描かれています。

同じ試合の最後のプレーを前にした場面では、掛け声の中身がチーム名そのものに変わります。

Phil: Bring it in.
(集まってくれ。)

Phil: Huh? “Li’l Dribblers” on three.
(よし、3つ数えたら「リル・ドリブラーズ」だ。)

Phil: One, two, three-
(いち、に、さん、)

All: Li’l Dribblers!
(リル・ドリブラーズ!)

Modern Family Season1 Episode20 (Benched)

前半の掛け声が Win という勝敗を意識した一言だったのに対し、終盤では Li’l Dribblers というチーム名そのものが選ばれています。Li’l Dribblers は「小さなドリブラーたち」というニュアンスの、幼い子ども向けリーグらしい愛嬌のあるチーム名です。

同じ One, two, three の型を保ちながら中身だけを変えるこの掛け声の使い方からは、試合の局面に応じて合言葉を選び直す様子が見えてきます。号令は、前半の試合前と、終盤の最後のプレーの前の2回かけられています。

  • A: What should our chant be this time? Team name or something else?
    (今回の掛け声、どうする?チーム名にする?それとも別の言葉?)
  • B: Let’s just go with the team name. Easy to remember.
    (チーム名でいいんじゃない。覚えやすいし。)

保護者コーチの引き受け方や号令の習慣は、地域や年代によって様々な形があり、この作品での描かれ方をそのまま一般化はできません。この作品では、当初のコーチが辞めたことをきっかけに保護者のジェイがその場でコーチを引き継いでおり、あらかじめ交代制が決まっていたわけではない点も踏まえておく必要があります。

まとめ|保護者コーチと掛け声という描かれ方

アシスタントの役割分担、そして Win から Li’l Dribblers へと中身を変えながら繰り返される One, two, three の掛け声。この作品では、保護者がボランティアでチームを支え、チームで声をそろえる場面がこうした形で描かれています。実際の運用はチームや地域によって幅があることを踏まえつつ、こうした場面の背景を知っておくと、似た描写に出会ったときの理解が深まります。

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