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『モダンファミリー』シーズン2第2話には、クレアが長女ヘイリーに頼みごとをする場面があります。ヘイリーは用件を聞く前から断る理由を口にし、クレアはその言い逃れを先回りして止めます。母と娘の短い応酬の中に、日常会話で使いやすい句動詞がいくつも詰まった場面です。
今回はこの場面を起点に、頼みごとの切り出し方と言い訳を封じる言い方、さらに裏で頼んでいたことが知られたときのやり取りを見ていきます。
用件を聞く前の言い逃れを封じる「make up excuses」
クレアがヘイリーに声をかける場面です。
Claire: Haley, honey, I need you to do something for me.
(ヘイリー、ちょっと頼みたいことがあるの。)Haley: Mom, my arm hurts.
(ママ、あたし腕が痛いんだけど。)Claire: Why don’t you find out what it is before you start making up excuses to get out of it?
(逃げるための言い訳をでっち上げる前に、まず何の話か聞いたらどう?)Haley: Okay, what is it?
(はいはい、で、何?)Claire: I need you to talk to your sister.
(妹と話してほしいのよ。)Modern Family Season2 Episode2 (The Kiss)
I need you to do something for me は、中身を言う前に「頼みがある」と前置きする定型の切り出しです。I need you to ~ は「〜してほしい」を遠回しにせず伝える形で、家族のような近い間柄でよく使われます。
これに対するヘイリーの返事は、頼みの中身とは関係のない「腕が痛い」という一言でした。クレアはこれを言い訳として扱い、Why don’t you ~ before you ~? の形で切り返します。Why don’t you ~? は本来「〜したらどう?」という提案ですが、ここでは「まず〜しなさい」とたしなめる響きを帯びているのが面白いところです。
この一文には、覚えておくと便利な句動詞が2つ含まれます。
| 表現 | 意味 | この場面での働き |
|---|---|---|
| make up excuses | 言い訳をでっち上げる | 本当の理由ではない口実を作る |
| get out of ~ | 用事・義務から逃れる | 頼みごとを引き受けずに済ませる |
| find out | (調べて・聞いて)知る | 断る前に用件を確かめる |
make up は「作り上げる」が基本で、話や口実について使うと「でっち上げる」の意味になります。get out of it の it は、まだ中身の分からない頼みごとのことです。
- A: Can you help me with something this weekend?
(今週末、ちょっと手伝ってほしいことがあるんだけど。) - B: I think I have plans.
(予定があった気がする。) - A: Find out what it is before you start making up excuses.
(言い訳を考える前に、何の話か聞いてよ。)
ヘイリーの Okay, what is it? は、渋々ながら用件を聞く側に回った返事です。Okay を先に置くことで「分かった、聞くだけは聞く」という態度がにじみます。頼む側が前置きし、頼まれる側が逃げ道を探し、頼む側がそれを封じるという3段階の流れは、家族や友人同士の会話でそのまま応用できる型と言えます。
根回しが知られたときの「That’s why ~?」と「spinning out」
クレアの頼みは、アレックスと話してきてほしいというものでした。クレアはアレックスとの距離を感じていて、その様子をヘイリーに探ってもらおうとしたわけです。ところが後の場面で、クレアがアレックスの携帯のメッセージを読んでいたことがアレックスに知られます。
Haley: You read her texts? That’s why you made me talk to her?
(あの子のメッセージ読んだの? だからあたしに話させたわけ?)Alex: You made her talk to me?
(ママがお姉ちゃんに話させたの?)Claire: I kind of feel like we’re spinning out here a little bit.
(なんだか、ちょっと話が変な方向に転がってる気がするわね。)Modern Family Season2 Episode2 (The Kiss)
That’s why ~? は「だから〜だったのか」と、点と点がつながった瞬間の問い詰めに向く形です。ヘイリーは、自分がアレックスと話すよう頼まれた理由にここで気づいたと読み取れます。
注目したいのは make + 人 + 動詞の原形 という使役の形が2回続く点です。ヘイリーは you made me talk to her、アレックスは You made her talk to me と、同じ形を立場を入れ替えて口にします。make の使役は「(本人の意思とは関係なく)〜させる」という強い響きを持つため、2人とも「勝手に動かされた」と受け止めていることが伝わってきます。
クレアの spinning out は、車がスピンして制御を失うイメージから、状況が手に負えなくなってきたことを表す言い回しです。spin out of control の形でもよく使われます。さらに kind of と a little bit を重ねることで、事態を認めつつも深刻さをできるだけ小さく見せようとしているのが見どころです。
- A: Wait, you told Mom? That’s why she called me?
(待って、ママに話したの? だから電話してきたわけ?) - B: I kind of feel like this is spinning out a little bit.
(なんだか、ちょっと話がこじれてきた気がする。)
まとめ|頼む側と頼まれる側の攻防を表す会話の型
I need you to ~ で頼みを切り出し、make up excuses や get out of ~ で相手の言い逃れを封じる。根回しが知られた側は That’s why ~? と問い詰め、頼んだ側は spinning out とぼかす。家族の小さな攻防から、頼みごとをめぐる会話の型が見えてきます。
次回も『モダンファミリー』と一緒に英語を学んでいきましょう。
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