「Let’s take it from the top.」に見る、リハーサルや本番の舞台裏で使われる英語表現|『モダンファミリー』S02E19で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 「Let's take it from the top.」に見る、リハーサルや本番の舞台裏で使われる英語表現|『モダンファミリー』S02E19で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン2第19話では、キャメロンが中学校のミュージカルを指導します。稽古を仕切り直す号令から、本番中に子どもたちを励ます言葉まで、舞台づくりの現場ならではの英語がまとまって登場する回です。どれも短い言い回しですが、学校行事やサークル活動など、人をまとめる場面で応用しやすい表現がそろっています。

今回は take it from the top をはじめ、リハーサルや本番の舞台裏でキャメロンが使う声かけの表現を、場面の順に見ていきます。

目次

稽古を仕切り直す take it from the top と break’s over

その日の夜に本番を控えたリハーサルで、休憩中の子どもたちにキャメロンが声をかけます。

Cameron: Okay, okay. Break’s over, everyone. Let’s take it from the top.
(はい、はい。休憩は終わりだよ、みんな。最初からやろう。)

Modern Family Season2 Episode19 (The Musical Man)

take it from the top は「最初からやり直す」という意味の口語です。楽譜の一番上、つまり曲の頭から演奏し直すことから来た言い方とされ、音楽や演劇の稽古でよく耳にします。it は稽古中の曲や場面全体を指しており、特定の何かを名指ししなくても通じるのが便利なところです。

Break’s over は「休憩終わり」という短い号令です。break は名詞で「休憩」を表し、take a break(休憩をとる)と対になります。キャメロンは後の稽古でも、子どもたちに同じ号令を使っています。

Cameron: Okay, break’s over, people!
(よし、休憩終わりだよ、みんな!)

Modern Family Season2 Episode19 (The Musical Man)

呼びかけの everyone と people は、どちらも集団全体に向けた言い方です。people を呼びかけに使うと、指導者やまとめ役が場を仕切るような、少しくだけた響きになることが多いと言われます。

その後、キャメロンが「元のやり方に戻したいのか」と問いかけると、子どもたちはそうしたいと答えます。それに対するキャメロンの返事です。

All: That’s what we want.
(それがいい!)

Cameron: Well, too bad, people! We’re doing it my way! From the top! This is a closed rehearsal.
(じゃあ、お気の毒さま、みんな! 僕のやり方でやるんだ! 頭から! これは非公開のリハーサルだよ。)

Modern Family Season2 Episode19 (The Musical Man)

ここでは From the top! と、take it を省いた形で号令をかけています。closed rehearsal は、関係者以外を入れずに行う非公開の稽古のことです。too bad は本来「残念だ」という意味ですが、ここでは相手の希望を退ける「お気の毒さま」に近い響きで使われています。

続く We’re doing it my way! は「僕のやり方でやる」と方針を言い切る形で、do it one’s way は「自分のやり方で進める」という意味です。子どもたちの答えを聞いたうえで、キャメロンが元のやり方には戻さないと宣言しているのが分かります。

本番中に子どもたちを送り出す言葉

本番の途中、出演する子どもたちから、同じ舞台に出るエマがいないことを気にする声が上がります。

Manny: It’s not gonna be much fun doing the show without Emma.
(エマがいないんじゃ、ショーをやっても全然楽しくないよ。)

Delroy: Maybe we should just stop this.
(もうやめたほうがいいんじゃない。)

Cameron: No. No. There is a saying in the theater world that
(だめ。だめ。演劇の世界にはね、こういう言葉があるんだ……)

Modern Family Season2 Episode19 (The Musical Man)

デルロイの Maybe we should just ~ は「いっそ〜したほうがいいかも」と控えめに提案する形です。just が入ることで、「もう〜してしまおう」というあきらめに近い響きが加わります。

There is a saying that ~ は「〜という言葉がある」と、ことわざや言い伝えを持ち出すときの前置きです。in the theater world を加えることで、「演劇の世界では」と範囲を絞っています。この後、マニーが続きを先回りして口にしますが、キャメロンはそれを打ち消して言い直します。

Cameron: No. It’s that endings make shows. And we’ve got a great ending. Now get out there and sing your hearts out.
(違う。エンディングがショーを決めるってことだよ。そして僕たちには最高のエンディングがある。さあ、出ていって思いっきり歌っておいで。)

Modern Family Season2 Episode19 (The Musical Man)

endings make shows は、キャメロンが演劇の世界の言葉として紹介するもので、「終わり方がショーの出来を決める」という意味です。実際に広く使われている格言かどうかは、台詞からは分かりません。

get out there は「(舞台や試合など)本番の場に出ていく」という意味で、人を送り出す場面で使われる言い方です。sing your hearts out の ~ one’s heart out は「心の限り〜する」という意味の形で、dance your heart out、cry one’s heart out のように動詞を入れ替えて使えます。ここでは子どもたち全員に向けているため、hearts と複数形になっているのが分かります。

やめようという声に「No.」を重ねて打ち消し、言葉を持ち出して理由を示し、最後に行動を促す。短い声かけの中に、励ましの流れがひと通りそろっているのが見どころです。

まとめ|舞台づくりの号令と励まし

take it from the top と break’s over で稽古を仕切り直し、There is a saying that ~ で言葉を持ち出し、get out there と sing your hearts out で送り出す。キャメロンの声かけから、舞台の現場で交わされる英語の流れが見えてきます。

学校行事の場面を観返すと、こうした短い号令が会話のテンポを作っていることにも気づけます。

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