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『モダンファミリー』シーズン2第19話では、ヘイリーが受けた大学進学のための試験のスコアが公開される朝の場面が描かれます。スコアを家族で確かめる場面や、クレアが大学生活の良さを並べる場面には、アメリカの進学事情が会話の端々に表れています。
試験の話題と思い出話という、性格の違う2つの会話が並んでいるのも特徴です。
今回はこの2つの場面を入り口に、大学進学に向けた試験と、大学生活のイメージをめぐる文化を見ていきます。
スコアを家族で確かめる朝と「再受験」という選択肢
朝、アレックスが家族にある知らせを持ってきます。
Alex: Good morning, family. How are you all doing on this beautiful day?
(おはよう、家族のみんな。このすてきな日に、みんなご機嫌いかが?)Claire: Okay, what’s this?
(ちょっと、これ何?)Alex: Haley’s S.A.T. scores are available online.
(ヘイリーのS.A.T.のスコアがネットで見られるようになったの。)Haley: I hate you.
(あんたなんか大っ嫌い。)Claire: Oh. Today’s the big day. Let’s take a look, see how she did.
(あら。今日が大事な日なのね。見てみよう、どうだったか。)Modern Family Season2 Episode19 (The Musical Man)
台詞に出てくる S.A.T. は、アメリカの大学進学で使われてきた共通の試験のひとつです。大学に出願する際、高校の成績などとあわせてこうした試験のスコアを提出する仕組みが、放送当時は広く取られていたと言われます。求められるかどうかは時代や大学によって異なり、近年は提出を必須としない大学もあるとされています。
この場面ではスコアがオンラインで公開され、家族がその場で確かめます。the big day は「大事な日、特別な日」という言い方で、結果が出る日を指しています。
Claire: Are those Haley’s scores? Are you sure?
(これがヘイリーのスコア? 本当に?)Haley: Are they bad?
(悪いの?)Claire: No. They’re not bad.
(ううん。悪くない。)Haley: Are they good?
(良いの?)Claire: No, they’re average. Sweetie, we did it. Our baby is average.
(ううん、平均。ねえ、やったわよ。うちの子は平均よ。)Modern Family Season2 Episode19 (The Musical Man)
「平均」という結果に we did it(やった)という言葉を添えているところに、この場面のおかしみがあります。続けてアレックスとフィルが、こう言います。
Alex: This is just a fluke. She can take them again.
(これはただのまぐれよ。また受ければいいんだし。)Phil: Yeah, and she’ll probably do even better. You are gonna have your choice of some pretty good colleges when the time comes.
(そうそう、たぶんもっと良くなるさ。その時が来たら、かなりいい大学から選べるぞ。)Haley: If I go to college.
(大学に行くならね。)Claire: What?
(え?)Haley: I’ve been thinking about it lately, and I might not.
(最近考えてたんだけど、行かないかもしれない。)Modern Family Season2 Episode19 (The Musical Man)
take them again の them はスコアの出た試験を指し、再受験を話題にしています。こうした試験は年に複数回の受験機会があり、スコアを上げるために何度か受ける生徒もいるとされています。フィルの have your choice of ~ は「〜から選べる」という意味で、複数の大学に出願して合格した中から進学先を選ぶという、アメリカで多いとされる進学の流れが前提になっています。
アレックスの fluke は「まぐれ、偶然の結果」という意味の名詞で、実力とは別の一度きりの結果だと言うときに使われます。フィルの when the time comes は「その時が来たら」と、先の話をするときの決まった言い回しです。
これに対してヘイリーは、If I go to college. と大学に行くこと自体を仮定の話にしています。高校卒業後にすぐ4年制の大学へ進むかどうかは、アメリカでも家庭や本人の考えによってさまざまです。この回で描かれるのは、ヘイリーが「行かないかもしれない」と口にしたところまでです。
クレアが語る大学生活のイメージ
この後、クレアはヘイリーに大学生活の楽しさを並べます。
Claire: And there’s Frisbee golf, and you go snow sledding on cafeteria trays. Oh, and you all get a dog together. I don’t really know who takes care of the dog during the summer but he’s there when you get back.
(それにフリスビーゴルフもあるし、食堂のトレーでそり滑りもするの。あ、それにみんなで犬を飼うのよ。夏の間に誰が犬の世話をしてるのかはよく知らないけど、戻ってくるとちゃんといるの。)Haley: Geez, maybe you should just go back to college.
(もう、ママが大学に戻ればいいじゃん。)Claire: Oh, honey, do you know what I would give to go back? It’s this moment when your whole life is in front of you. And it’s a magical time. And you don’t want to miss that, because when it’s gone, it’s gone.
(ねえ、戻れるなら私が何を差し出すか分かる? 人生のすべてが目の前に広がってる、そんな時期なの。それに、魔法みたいな時間なのよ。逃しちゃだめ。だって、過ぎてしまったら、もう戻らないんだから。)Modern Family Season2 Episode19 (The Musical Man)
Frisbee golf は、フリスビーをゴールのかごに投げ入れる回数を競う遊びで、ディスクゴルフとも呼ばれます。広い芝生のある大学の構内で楽しまれることがあるようです。雪の積もる地域では、食堂のトレーをそり代わりにして坂を滑る遊びが、大学生活の思い出として語られることがあります。どちらも大学や地域によって事情は異なり、誰もが経験するものではありません。
クレアの話には、夏の間は大学を離れるという流れも含まれています。アメリカの大学では夏に長い休みがあり、寮を出て実家に戻る学生も多いと言われます。犬の世話をめぐる話は、あくまでクレア自身の思い出として語られているものです。
ヘイリーの「ママが大学に戻ればいいじゃん」という返しに、クレアは do you know what I would give to go back? と応じます。what I would give to ~ は「〜できるなら何を差し出してもいい」という強い願いを表す形で、戻りたい気持ちの強さを伝えています。
your whole life is in front of you は「人生のすべてが目の前にある」という言い方で、進学や就職を控えた若い人に向けて使われることがあります。when it’s gone, it’s gone は「なくなったら、それきり」という意味で、過ぎた時間は戻らないことを短く言い表しています。間にはさまれた it’s a magical time も含めて、クレアは大学時代を「今しかない時間」として語っており、その言葉がヘイリーに向けられているのがこの場面です。
まとめ|試験のスコアと大学生活の思い出
試験のスコアを家族で確かめ、再受験や大学選びを話題にする朝と、クレアが語るフリスビーゴルフや食堂のトレーのそり遊び。この回の2つの場面から、アメリカの大学進学と大学生活のイメージの一端が見えてきます。
家族の会話を観返すと、進学をめぐる考え方の違いにも目が向くかもしれません。
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