海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン2第8話では、フィルとクレアが2台の車に分かれて、どちらが先に着くかを競います。クレアの車に乗ったルークは、出発前に「パパと行く」と言っていました。クレアはその理由を、車内でルークに問いかけます。
今回はこの親子の会話を通して、the fun one や nice のように人を評する言い方と、その評価を受け止めたり打ち消したりする英語表現を見ていきます。
「the fun one」と「nice」で人を評する言い方
クレアは、ルークがフィルと行くと言った理由を自分なりに推し量ります。
Claire: I get it, Luke.
(分かったわ、ルーク。)Claire: You think he’s the fun one.
(パパのほうが楽しい人だと思ってるのね。)Claire: That’s why you’d go with him.
(だからパパと行くって言ったんでしょ。)Luke: What?
(え?)Claire: You think your dad is more fun than I am.
(パパのほうが私より楽しいと思ってるのよね。)Luke: Definitely.
(絶対そう。)Claire: Definitely.
(「絶対」ね。)Modern Family Season2 Episode8 (Manny Get Your Gun)
the fun one は「(2人のうち)楽しいほうの人」を指す言い方です。fun は形容詞としても名詞としても使われる語で、the + 形容詞 + one の形にすると、比べる相手がいることを前提に「〜なほう」と一人を指し示せます。more fun than I am のように比較級でも使えるため、ここではクレアが同じ内容を2通りの形で言い直しています。ルークの Definitely. を、クレアがそのまま繰り返しているのも見どころです。
会話はここから、ルークの言葉選びに移ります。
Luke: Dad’s, like, crazy fun.
(パパって、めちゃくちゃ楽しいもん。)Claire: Mm-hmm.
(ふーん。)Luke: But you’re nice.
(でもママは優しいよ。)Claire: I’m nice?
(私が「優しい」?)Luke: Well, not now.
(まあ、今は違うけど。)Modern Family Season2 Episode8 (Manny Get Your Gun)
crazy fun の crazy は「めちゃくちゃ」と程度を強める口語的な使い方です。続く But you’re nice. はほめ言葉ですが、fun と並べた後の nice は、「楽しい」とは別の枠に入れられた響きになります。クレアが I’m nice? と聞き返すのは、この言葉の置かれ方を拾った反応と言えます。ルークの Well, not now. は「まあ、今は違うけど」と付け足す一言で、well で間をつないでから評価を言い直す、会話でよく見かける形です。
- A: You’re the smart one in the family.
(家族の中で頭がいいのはあなたのほうだね。) - B: The smart one? What about the fun one?
(頭がいいほう? じゃあ楽しいほうは誰なの?)
クレアの持論「you can’t have two fun parents」
この後、クレアはルークに、自分なりの考えを打ち明けます。
Claire: I am not crying.
(泣いてないわよ。)Claire: Let me fill you in on a little secret, Luke.
(ルーク、ちょっとした秘密を教えてあげる。)Claire: When I met your dad, I was fun too.
(パパと出会ったころは、私だって楽しい人だったの。)Claire: But I had to give all that up, because you can’t have two fun parents.
(でも全部手放すしかなかった。楽しい親が2人いるわけにはいかないんだから。)Claire: That’s a carnival.
(それじゃお祭り騒ぎよ。)Modern Family Season2 Episode8 (Manny Get Your Gun)
fill someone in on ~ は「〜について(人に)詳しく教える、事情を伝える」という句動詞です。Let me fill you in on a little secret で「ちょっとした秘密を教えてあげる」と、打ち明け話を切り出す形になっています。
you can’t have two fun parents は、クレアが自分の経験をもとに語る持論です。この you は目の前のルークだけでなく「人は一般に」という意味の総称の you で、決まりごとのように言い切る響きを持ちます。That’s a carnival. はその理由づけで、楽しい親が2人そろうと家がお祭り騒ぎになる、というクレアなりのたとえです。
これを聞いたルークは、自分の選択の理由を明かします。
Luke: You’re fun too, Mom.
(ママも楽しいよ。)Claire: Uh-huh.
(はいはい。)Luke: I just decided to go with Dad because I think he’d need me more.
(パパと行くことにしたのは、パパのほうが僕を必要としてると思ったからだよ。)Modern Family Season2 Episode8 (Manny Get Your Gun)
he’d need me more の ‘d は would の短縮形で、「〜だろう」という見込みを表しています。「楽しいから」ではなく「必要とされそうだから」という理由が示され、クレアの見立てとは別の答えが返ってくる流れが分かります。
「Today you have two fun parents.」で言い分を切り替える
後の場面で、ルークはクレアの道順のほうが速いと言います。
Luke: Which we could’ve won.
(勝てたかもしれないのに。)Luke: Your way is way faster.
(ママの道のほうがずっと速いもん。)Claire: It is, isn’t it? Buckle up, Luke.
(そうよね? シートベルトを締めて、ルーク。)Claire: Today you have two fun parents.
(今日は楽しい親が2人よ。)Luke: Come on, Mom.
(行け、ママ。)Luke: You can do it.
(ママならできるよ。)Claire: That’s right, I can.
(そうよ、できるわ。)Modern Family Season2 Episode8 (Manny Get Your Gun)
It is, isn’t it? は付加疑問で、相手の言葉に同意しながら念を押す言い方です。Buckle up は「シートベルトを締めて」という意味で、車に乗る場面の定番の一言です。
注目したいのは Today you have two fun parents. です。先に語った you can’t have two fun parents と同じ語を使いながら、Today を頭に置くことで「今日だけは例外」という意味に変えています。ルークの You can do it. に That’s right, I can. と返す締めくくりも、見どころのひとつです。I can のように主語と助動詞だけで応じ、後ろの動詞を繰り返さない返し方は、英語の会話でよく使われます。
- A: You can finish it by tonight.
(今夜までに終わらせられるよ。) - B: That’s right, I can.
(そうね、できるわ。)
同じ two fun parents という語句が、会話の前半では「ありえないこと」、後半では「今日の宣言」として使われている点に、この親子の会話の組み立てが表れています。
まとめ|人を評する言葉と、その受け止め方
the fun one や more fun than I am で比べて評し、nice の置かれ方に反応し、fill you in on で持論を打ち明ける。クレアとルークの会話からは、人を評する言葉のやり取りが見えてきます。
『モダンファミリー』の親子の会話を観ながら、こうした言い回しにも耳を傾けてみると発見がありそうです。
同じエピソードの他のコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、この回の英語がより立体的に見えてきます。


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