海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン3第21話で、ミッチェルとキャメロンはリリーのお気に入りのウサギのぬいぐるみを手放してしまい、取り戻す方法を考えます。一方が案を出すともう一方がダメを出し、言われた側が切り返すというやり取りが何度も続き、そのたびに返し方が変わっていきます。
代案を求める言い方、角を立てずに反対する言い方、そして皮肉で返す言い方を、場面の順に見ていきます。
「do you have a better idea?」で代案を求める
電車でのお出かけの途中、キャメロンが「hold Bunny」と言ってぬいぐるみを投げ、ミッチェルが受け取りそこねたことで、ぬいぐるみは2人の手を離れてしまいます。ぬいぐるみを欲しがるリリーを前に、キャメロンが案を出します。
Cameron: W–okay, I have an idea.
(わ……いいわ、考えがあるの。)Cameron: Let’s catch the next train and ride it till it catches up.
(次の電車に乗って、追いつくまで乗っていきましょう。)Mitchell: They don’t catch up.
(追いつかないよ。)Mitchell: That’s called a collision.
(それは衝突っていうんだ。)Cameron: Okay, well, do you have a better idea? You’re the one that lost it.
(あっそう、じゃあもっといい考えがあるわけ? なくしたのはあなたでしょ。)Mitchell: No, you tossed it.
(違う、君が投げたんだ。)Modern Family Season3 Episode21 (Planes, Trains and Cars)
I have an idea. は案を切り出すときの前置きで、ミッチェルは That’s called a collision. と、案の欠点を皮肉まじりに指摘して退けます。catch up は「追いつく」で、キャメロンの案と同じ語を使って打ち消している点も見どころです。これに対するキャメロンの do you have a better idea? は、単なる質問ではなく「文句を言うなら代わりの案を出して」という切り返しとして働いています。
続く You’re the one that lost it. は、You’re the one that ~ の形で「〜したのはあなたの方だ」と相手を名指しする言い方です。ここで2人のやり取りは責任の押し付け合いに移りますが、このコラムでは案をめぐる応酬の方に注目していきます。
「I don’t really love the idea」と「How about I be the problem」
ぬいぐるみがなくてリリーが一晩中起きていたとミッチェルが話した後、キャメロンは地下鉄に貼る貼り紙を作ってミッチェルに見せます。
Cameron: Okay, what do you think? I’m gonna put these in the subway.
(ねえ、どう思う? これを地下鉄に貼るつもりなの。)Mitchell: Okay, it looks like, uh, Lily’s missing and we’re offering $25 to get her back.
(うーん、これじゃリリーが行方不明で、25ドルで取り戻そうとしてるみたいに見えるよ。)Cameron: Oh, don’t be ridiculous.
(やだ、ばかなこと言わないで。)Cameron: No one in their right mind– Okay.
(まともな人なら誰も……ああ、確かに。)Cameron: That’s all I see now.
(もうそうとしか見えない。)Cameron: How about this one?
(じゃあ、こっちはどう?)Modern Family Season3 Episode21 (Planes, Trains and Cars)
it looks like ~ は「〜のように見える」と、受け手の印象として問題点を伝えるときに使えます。キャメロンは don’t be ridiculous といったん打ち消しながら、That’s all I see now. とすぐに同じ見え方を認めています。2枚目の貼り紙にもミッチェルの指摘は続きます。
Mitchell: What are sympathetic eyes?
(「同情を誘う目」って何?)Cameron: Not those.
(その目じゃないわね。)Mitchell: I just–I don’t really love the idea of our phone number being up in the subway.
(ただ……地下鉄にうちの電話番号が貼られるのは、あんまり気が進まないんだ。)Cameron: Okay, let’s play a different game.
(いいわ、別の遊びをしましょう。)Cameron: How about I be the problem, and you be the solution?
(私が問題役で、あなたが解決役っていうのはどう?)Mitchell: I’m sorry.
(ごめん。)Mitchell: I shouldn’t be so critical.
(あんなに文句ばかり言うべきじゃなかった。)Modern Family Season3 Episode21 (Planes, Trains and Cars)
I don’t really love the idea of ~ は「〜はあまり気が進まない」と、真正面から否定せずに反対を伝える言い方です。これに対する How about I be ~, and you be ~? は、How about の後に「主語+動詞の原形」を続けて役割分担を持ちかける形です。案を出す側と文句を言う側という構図を役割の名前でそのまま言い表しており、ダメ出しが続いたことへの皮肉な切り返しと読み取れます。
皮肉を込めずに使えば、同じ形は普通の役割分担の提案になります。
- A: How about I cook, and you do the dishes?
(私が料理して、あなたが皿洗いっていうのはどう?) - B: Deal.
(それで決まり。)
ミッチェルは I’m sorry. と謝り、I shouldn’t be so critical. と続けます。critical は「批判的な、あら探しをする」という意味で、shouldn’t be so ~ で「そこまで〜するべきではない」と自分の態度を省みる形になっています。
「This is a terrible idea」と「This is going great」
後の場面では、今度はミッチェルが案を実行し、キャメロンがそれに反対します。
Mitchell: Hey, Lily, guess what?
(ねえリリー、聞いて。)Lily: What?
(なあに?)Mitchell: Uh, we just heard from Bunny.
(えっと、バニーから連絡があったんだ。)Cameron: This is a terrible idea.
(こんなの、ひどい考えよ。)Mitchell: No, it’s fantastic.
(いや、最高の考えだよ。)Modern Family Season3 Episode21 (Planes, Trains and Cars)
hear from ~ は「〜から連絡をもらう」という意味です。キャメロンの This is a terrible idea. に、ミッチェルは No, it’s fantastic. と正反対の形容詞で言い返します。この後ミッチェルは、ぬいぐるみが冒険の旅に出ているという話をリリーに聞かせます。
Lily: Bunny doesn’t talk.
(バニーはしゃべらないもん。)Cameron: This is going great.
(順調そのものね。)Mitchell: He does now, because– because he took talking lessons.
(今はしゃべるんだよ、だって……しゃべり方を習ったから。)Modern Family Season3 Episode21 (Planes, Trains and Cars)
This is going great. は文字どおりなら「うまくいっている」ですが、リリーにすぐ見破られた直後に言うことで、「全然うまくいっていない」という意味の皮肉になります。言葉と状況が食い違うときに皮肉として受け取れる、という点が分かる場面です。結局リリーは代わりのぬいぐるみを選ばず、I want Bunny. とくり返します。
まとめ|ダメ出しと切り返しの英語
do you have a better idea? や How about I be the problem, and you be the solution? で切り返し、I don’t really love the idea of ~ で角を立てずに反対し、This is going great. で皮肉を返す。案をめぐる2人の応酬には、言われた側の返し方が詰まっています。
言い合いながらも同じ目的に向かう2人の会話を、これからも追っていきましょう。
この回のほかのコラムやフレーズ記事でも、家族それぞれの週末の英語を取り上げています。


コメント