海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン3第1話の舞台は、家族みんなで出かけた観光牧場です。馬に乗り、牛を追い、案内役のカウボーイの話を聞くという、ふだんの街の暮らしとはまったく違う旅の時間が、3家族それぞれの場面を通して描かれます。
今回は、この回に登場する体験や言葉を手がかりに、アメリカのデュードランチで過ごす家族旅行の文化を、到着から帰り際まで、場面の順にたどっていきます。
「dude ranch」とはどんな旅先か
物語は牧場へ向かう飛行機の中から始まります。
Phil: Reckon we’ll be landing soon.
(そろそろ着陸ってとこだな。)Claire: Phil, honey, you promised– not till we got there.
(フィル、約束したでしょ。向こうに着くまではなし。)Phil: This year, we’re going to a dude ranch with the whole family.
(今年は家族みんなで観光牧場に行くんだ。)Claire: Mm-hmm.
(うーん。)Claire: The family.
(家族でね。)Modern Family Season3 Episode1 (Dude Ranch)
dude ranch は、宿泊しながら乗馬などの牧場の暮らしを体験できる、観光客向けの牧場を指す言葉です。家族旅行やグループ旅行の行き先として選ばれることがあり、体験できる内容や滞在の形は施設によって異なります。
フィルの This year, we’re going to ~. は、be going to を使って、すでに決まっている予定を伝える形です。旅行の行き先を人に話すときにも、そのまま応用できます。
- A: Any plans for the summer?
(夏の予定は?) - B: We’re going to a ranch with the whole family.
(家族みんなで牧場に行くんだ。)
フィルの Reckon ~ は「〜だと思う」を表すくだけた言い方で、西部劇のカウボーイの口調としてもおなじみです。クレアの「着くまではなし」という返事から、フィルが旅先にちなんだ口調を先取りしていることがうかがえます。この回は旅の雰囲気に合わせて言葉づかいまで変えるフィルの姿から始まり、旅行そのものが話の中心にあることが伝わってきます。
案内役のカウボーイと牧場での体験
牧場に着くと、カウボーイのハンクが一家を出迎えます。
Hank: My name is Hank.
(俺はハンクだ。)Hank: Here at the Lost Creek Ranch, you’re gonna ride, you’re gonna rope, and you’re gonna shoot.
(ここロストクリーク牧場では、馬に乗って、投げ縄をして、射撃をしてもらう。)Hank: You’re gonna see a sky so full of stars, it’ll put your city lights to shame.
(空いっぱいの星を見りゃ、都会の明かりなんてかすんじまうぜ。)Hank: And when it’s all done, you might just encounter a piece of yourselves you never knew was there.
(そして全部終わるころには、自分でも知らなかった自分の一面に出会えるかもしれない。)Hank: Are there any questions?
(何か質問は?)Manny: Uh, do we book spa treatments through you or
(あの、スパのトリートメントはあなたを通して予約するんですか、それとも)Hank: I like you, kid.
(気に入ったぜ、坊主。)Modern Family Season3 Episode1 (Dude Ranch)
ハンクの挨拶は、ride(乗馬)、rope(投げ縄)、shoot(射撃)と、牧場で体験できることを動詞で並べる形になっています。満天の星や「知らなかった自分に出会う」という言葉からは、自然の中で非日常を味わうことがこうした旅の売りとして語られていると読み取れます。マニーがスパについて尋ねている点も見逃せません。牧場の体験と、くつろぐための設備が同じ旅先にそろっている様子がうかがえます。ハンクはこの後、客に Hollywood などのあだ名を付けていきます。
実際の体験の場面では、一家が牛を追う作業にも加わります。
Claire: Okay, Phil, ease that one back over towards me.
(いいわ、フィル、その子をゆっくりこっちに寄せて。)Phil: Got it.
(了解。)Claire: Ease him back this way.
(こっちに戻して。)Phil: Hey! Piece of cake, huh, Jay?
(ほら! 楽勝だろ、ジェイ?)Modern Family Season3 Episode1 (Dude Ranch)
ease は「そっと動かす、ゆっくり寄せる」という意味の動詞で、牛を驚かせないよう少しずつ誘導する作業にぴったりの言葉です。フィルの Piece of cake は「朝飯前」を表す口語で、作業がうまくいったことをジェイに向けて伝える一言です。この回では乗馬や射撃の場面も描かれ、牧場での体験の数々が旅の中心になっています。
帰り際の「comment card」と旅の振り返り
旅の終盤、立ち去ろうとするハンクを、フィルが呼び止めます。
Phil: Wait.
(待って。)Phil: Wait.
(待った。)Phil: There’s something I wanna say to you.
(ひとつ言っておきたいことがある。)Phil: I will only be checking “somewhat satisfied” on our comment card.
(うちのコメントカードには「やや満足」にしかチェックしないからね。)Jay: Jeez.
(やれやれ。)Phil: I mean, he was great with the kids.
(まあ、子どもたちの扱いはうまかったけど。)Modern Family Season3 Episode1 (Dude Ranch)
comment card は、宿泊施設や飲食店などで利用者が感想や満足度を書き込むアンケート用紙のことです。満足度は very satisfied(とても満足)、somewhat satisfied(やや満足)のように段階で選ぶ形式が多いと言われます。フィルは最高評価を付けないことを、ハンクへの不満を伝える一言として告げています。その直後に「子どもたちの扱いはうまかった」と付け足す流れも見どころです。
Phil: All in all, it was a great vacation.
(総じて、最高の休暇だったよ。)Modern Family Season3 Episode1 (Dude Ranch)
All in all は「いろいろあったけれど、全体として」と振り返るときの前置きです。家族旅行の締めくくりにふさわしい一言と言えます。
コメントカードの場面のフィルの be great with ~ も、「〜の扱いがうまい、〜と接するのが上手」という意味で、ベビーシッターや先生などをほめるときに使える言い方です。
- A: How was the new babysitter?
(新しいベビーシッター、どうだった?) - B: All in all, pretty good. She was great with the kids.
(全体的に、なかなかよかったよ。子どもの扱いが上手だった。)
まとめ|観光牧場で過ごす家族旅行
dude ranch での乗馬や牛追い、案内役の挨拶、帰り際の comment card まで、この回には観光牧場での滞在の流れが描かれています。旅の場面をたどると、体験にまつわる英語も目に入ってきます。
家族旅行の一コマを『モダンファミリー』で観ながら、アメリカの休暇の過ごし方にも目を向けてみましょう。
同じ回のほかのコラムやフレーズ記事では、この旅での家族のやり取りを英語表現の面から取り上げています。


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