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『モダンファミリー』シーズン3第1話の牧場への家族旅行には、ヘイリーの恋人ディランも同行しています。ディランにそっけない態度を取るクレアに、フィルが「少しは優しくしたら」と声をかけ、クレアはその言葉を受けてディランに話しかけます。
今回は、相手に軽く苦言を呈する言い方、それを受けて歩み寄る言い方、そして歓迎の気持ちを改めて伝える言い方を、会話の流れに沿って見ていきます。
「It wouldn’t kill you to ~」で軽く背中を押す
牛追いの最中、ヘイリーとディランがクレアに声援を送ります。
Haley: Go, Mom! Whoo!
(行け、ママ! フー!)Dylan: Yeah, Mom! You rock!
(いいぞ、ママ! 最高!)Claire: Oh, I wish I had a rock.
(ああ、ここに石があればいいのに。)Modern Family Season3 Episode1 (Dude Ranch)
ディランの You rock! は「最高!」というほめ言葉です。クレアはこの rock を「石」の意味で受け直して返しており、ディランへのそっけなさが言葉遊びの形で表れています。このやり取りのすぐ後、フィルがクレアに声をかけます。
Phil: Hey.
(なあ。)Phil: It wouldn’t kill you to be nice to Dylan.
(ディランに優しくしたって、死にはしないだろ。)Claire: It might.
(死ぬかもね。)Claire: But, honey, I don’t know why you always stick up for him.
(でもね、あなたがどうしていつも彼の肩を持つのか分からないの。)Claire: Haley can do so much better.
(ヘイリーならもっといい人がいるわ。)Modern Family Season3 Episode1 (Dude Ranch)
フィルの It wouldn’t kill you to ~. は「〜したって死にはしない」、つまり「それくらいはしてもいいでしょう」と軽くたしなめる言い方です。大げさな kill を使うことで、求めていることの小ささを際立たせる組み立てです。クレアの It might. は、その言葉を字義どおりに受けて「死ぬかもね」と切り返しています。
相手を責める内容でも、「死にはしない」という冗談めかした形にすることで、口調を和らげる働きがあります。家族や親しい相手への小言で使われることの多い形です。
- A: It wouldn’t kill you to say thank you once in a while.
(たまには「ありがとう」くらい言ったって、死にはしないでしょ。) - B: Fine. Thank you.
(はいはい。ありがとう。)
「make more of an effort」で折れて歩み寄る
クレアはディランの肩を持つフィルに、stick up for ~(〜をかばう、〜の肩を持つ)を使って疑問をぶつけます。can do (so much) better は「(もっと)いい相手がいる」という意味で、交際相手について使われることの多い言い方です。フィルはこう答えます。
Phil: Because I know what it’s like to fall for a girl whose dad thinks I’m not good enough.
(だって、父親にふさわしくないと思われてる女の子を好きになる気持ち、俺には分かるからさ。)Claire: All right, you’re right.
(分かった、あなたの言うとおりね。)Claire: I can make more of an effort.
(もう少し努力してみる。)Phil: That’s the woman I love.
(それでこそ俺の愛する人だ。)Modern Family Season3 Episode1 (Dude Ranch)
フィルは I know what it’s like to ~「〜するのがどういうことか分かる」の形で、自分にも相手の父親に認めてもらえなかった経験があると話します。この理由を聞いて、クレアは All right, you’re right. と引き下がります。
make an effort は「努力する」で、make more of an effort とすると「今より少し努力を増やす」という控えめな約束になります。完全に考えを改めるとまでは言わず、できる範囲で歩み寄るという響きです。フィルの That’s the woman I love. は、望んでいた返事をくれた相手を「それでこそ」とたたえる一言です。
- A: You never talk to my friends.
(私の友達とは全然話さないよね。) - B: Okay, I’ll make more of an effort.
(分かった、もう少し頑張ってみる。)
「I want you to know ~」で歓迎の気持ちを伝え直す
その後、クレアはディランに声をかけ、話をしたいと切り出します。ディランは最初、その意図を取り違えます。
Dylan: Oh.
(あ。)Dylan: You want me to go home.
(僕に帰ってほしいんですね。)Claire: No, no.
(違う違う。)Claire: It’s the– the opposite of that.
(その、逆よ。)Dylan: I want you to go home?
(僕があなたに帰ってほしい?)Claire: No, I, um, I want you to know how glad I am that you’re here.
(違うの、えっと、あなたが来てくれて本当にうれしいって、知っておいてほしいの。)Modern Family Season3 Episode1 (Dude Ranch)
the opposite of that は「その逆」で、相手の読み違いを正すときに便利です。これを聞いたディランは、I want you to go home? と主語を入れ替えて聞き返しています。I want you to know ~. は「〜ということを知っておいてほしい」と、伝えたい気持ちを改まって切り出す前置きです。
- A: I want you to know how much I appreciate your help.
(手伝ってくれて本当に感謝してるって、知っておいてほしいの。) - B: Anytime.
(いつでもどうぞ。)
Dylan: Really? ‘Cause sometimes I just get this vibe you don’t like me.
(ほんとに? ときどき、嫌われてる気がしてたんです。)Claire: Oh.
(あら。)Claire: Dylan, no.
(ディラン、違うわ。)Claire: I’m sorry.
(ごめんなさい。)Claire: I-I like you.
(あなたのこと、好きよ。)Claire: I-I like you a lot.
(すごく好き。)Modern Family Season3 Episode1 (Dude Ranch)
get a vibe は「そういう雰囲気を感じ取る」という口語で、ここでは this vibe (that) you don’t like me の形で「嫌われている感じがする」と打ち明けています。クレアは謝ったうえで気持ちを言葉にしており、フィルに約束した歩み寄りを実際に口にする流れが見どころです。
まとめ|たしなめる一言と歩み寄る一言
It wouldn’t kill you to ~ で軽く背中を押し、make more of an effort で歩み寄りを約束する。I want you to know ~ や glad you’re here は、その約束を相手に届ける言い方として並んでいます。
苦手な相手との距離が少しずつ動く会話を、これからも『モダンファミリー』の中に探していきましょう。
同じ回のコラムやフレーズ記事をたどると、この旅の別の顔も見えてきます。


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