「It’s not the craziest idea.」に見る、乗り気ではないまま控えめに認める英語表現|『モダンファミリー』S03E06で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 「It's not the craziest idea.」に見る、乗り気ではないまま控えめに認める英語表現|『モダンファミリー』S03E06で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン3第6話では、ミッチェルとキャメロンが、バレーパーキングで渡された他人の車に乗ったまま、自分たちの毎日を振り返ることになります。言い訳を重ねたあとで少しずつ現状を認めていく2人の会話は、英語の「控えめな認め方」の見本と言えます。

今回は、しぶしぶ認める一言、否定の形で賛成する言い方、相手の願望をやんわり打ち消す返しを順に見ていきます。

目次

「Okay, I’m hearing it now.」で言い訳に気づく

この夜、2人はクレアと出かけた先から早めに帰ろうとして、「金曜日は疲れる」と話していました。その後、乗っていた車が自分たちのものではなく、バレーパーキングで自分たちの車が別の人に渡されていたと分かります。持ち主の家を確かめるため、2人はその車のナビが示す道をたどります。車内で見つけた物から持ち主が行ったコンサートが分かり、2人は自分たちが行かなかった理由を挙げ始めます。

Mitchell: No, no, no, ‘cause remember it started at 8:30.
(いやいや、だって開演が8時半だったじゃないか。)

Cameron: Oh, yeah, which meant he wouldn’t have gone on until 10:00.
(ああ、そうだ。つまり本人が出てくるのは10時になってからってことだよ。)

Mitchell: And then that parking nightmare.
(それに、あの悪夢みたいな駐車場。)

Cameron: Oh, and those stairs.
(ああ、それにあの階段。)

Mitchell: Okay, I’m hearing it now.
(分かった、今それが聞こえてきたよ。)

Modern Family Season3 Episode6 (Go Bullfrogs!)

I’m hearing it now. は、自分たちの口から出た言葉を聞いて、ようやくそれがどう響くかに気づいたときの一言です。hear を進行形にすると「今まさに聞こえている」という感覚になり、「言われてみれば」に近い響きが生まれます。ミッチェルはこの直後に、クレアの言うとおりなのかと自問します。友人や家族との会話で自分の言い分の弱さに気づいたとき、Okay, I’m hearing it. の形で「言われてみればそうだ」と認められます。

ミッチェルはそれでも一度は反論します。

Mitchell: No, but you know what? We have Lily, okay? I know.
(いや、でもさ、僕らにはリリーがいるだろ? 分かってる。)

Mitchell: You can’t do that with a child.
(子どもがいたらそんなことできないって。)

Cameron: They have a car seat.
(この人たち、チャイルドシートがあるよ。)

Mitchell: Okay, fine, we’re in a rut.
(分かった、もういいよ。僕らはマンネリだ。)

Modern Family Season3 Episode6 (Go Bullfrogs!)

No, but you know what? で反論を切り出し、相手に一言で返されると Okay, fine, で折れる流れです。Okay, fine は「分かったよ、それでいい」と、納得しきれないまま譲るときの前置きです。たとえば Okay, fine, I’ll go with you. と言えば、「分かった、一緒に行くよ」としぶしぶ応じる返事になります。後に続く in a rut(マンネリに陥っている)は同じ回のフレーズ記事で扱っているため、ここでは譲歩の形だけに注目します。

「It’s not the craziest idea.」で控えめに賛成する

ナビの案内が続く中、ミッチェルが新しい案を口にします。

Mitchell: You know, maybe we just need to be around more stimulating people.
(なあ、僕らにはもっと刺激的な人たちと付き合うことが必要なのかもしれない。)

Cameron: Well, we’re gonna be in about 900 feet.
(まあ、あと900フィートでそうなるけどね。)

Mitchell: It’s not the craziest idea.
(そんなに突飛な考えでもないだろ。)

Mitchell: They seem like fun people.
(楽しそうな人たちみたいだし。)

Cameron: Yeah, and maybe we can be new couples friends with them.
(そうだね、あの人たちと新しいカップル同士の友達になれるかも。)

Cameron: You know, we can go out to concerts, try exciting new food, maybe do some luxury camping.
(ほら、コンサートに行ったり、刺激的な新しい料理を試したり、ちょっと贅沢なキャンプをしたりさ。)

Mitchell: Yeah, hitch our wagon to their star and see how fast they spice up our life.
(そう、あの人たちにあやかって、どれだけ早く僕らの生活を面白くしてくれるか試してみよう。)

Modern Family Season3 Episode6 (Go Bullfrogs!)

It’s not the craziest idea. は直訳すると「いちばんばかげた考えではない」です。否定と最上級を組み合わせることで、「悪くない」「ありかもしれない」と控えめに賛成する響きが生まれます。言い出したミッチェルが自分の案をこう評しているのも、半信半疑のまま乗り気になっていく様子として読み取れます。

似た形に It’s not the worst plan.(最悪の案ではない)や That’s not a bad idea.(悪くない考えだ)があり、どちらもはっきり「いい」とは言わずに賛成を示します。

最後の hitch our wagon to their star は、「自分たちの荷車を相手の星につなぐ」という形の言い回しで、うまくいっている人に便乗して引き上げてもらうことを表します。spice up は「スパイスを加える」から転じて、生活や関係に刺激を足すという意味で使われます。

「I feel that’s not the way it’s gonna happen.」でやんわり打ち消す

後の場面で、キャメロンが自分たちの車が戻ってくることへの願望を口にします。

Cameron: Wouldn’t it be great if we woke up tomorrow and our car had found its way home?
(明日の朝起きたら、うちの車が自分で帰ってきてたら最高じゃない?)

Mitchell: Yeah, I feel that’s not the way it’s gonna happen.
(うん、そうはならない気がするけどね。)

Cameron: Happened on the farm one time.
(農場で一度あったんだよ。)

Cameron: A tornado scooped up one of our calves, dropped it who knows where.
(竜巻がうちの子牛を1頭さらって、どこかに落としていったんだ。)

Cameron: Six months later, a full-grown cow comes walking up the driveway same markings, same moo.
(6か月後、立派に育った牛が家の前の道を歩いてきた。同じ模様、同じ鳴き声でね。)

Cameron: That night, we
(その晩、僕らは……)

Mitchell: We ate like kings.
(王様みたいなごちそうを食べた。)

Cameron: Okay, I’ve told it before.
(分かったよ、前にも話したんだね。)

Modern Family Season3 Episode6 (Go Bullfrogs!)

Yeah, I feel that’s not the way it’s gonna happen. は、Yeah でいったん受けてから、I feel で「そういう気がする」と主観に和らげて否定する返しです。No, that won’t happen. と言い切るより角が立ちません。Yeah を先に置くことで、相手の夢のような話にいったん付き合いながら現実を示す形になっています。このあとキャメロンは、実家の農場で起きたという話を持ち出して反論します。

キャメロンの Okay, I’ve told it before. は、ミッチェルに話の結末を先に言われたことで、前にも話したと認める一言です。現在完了の I’ve told で「これまでに話したことがある」と経験を表す形です。

まとめ|言い切らずに認める英語

Okay, I’m hearing it now. で言い訳に気づき、Okay, fine, で譲り、It’s not the craziest idea. で控えめに賛成する。否定や前置きを添えることで、しぶしぶ認める気持ちや半信半疑の賛成を表せることが分かります。

次回も『モダンファミリー』を観ながら、2人の会話に出てくる英語を一緒に拾っていきましょう。

この回のほかのコラムやフレーズ記事でも、家族それぞれの一夜の英語を取り上げています。

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