海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン10第14話では、不動産業を営むフィルが、なかなか家を決めない客のペッパーに物件を見せ続けます。妻のクレアとの会話からは、これまでに見せた家が120軒にのぼることも分かります。
家を買うまでの流れは、日本とアメリカで呼び方も段取りも少しずつ違います。内見、条件の確認、購入の申し込みという順に、劇中の言葉を手がかりに見ていきます。
「showing」と「dream house」で始まる内見
フィルは物件の用語を口に出しながら、大事な日に備えています。
Phil: Crown molding wainscoting, crown molding wainscoting, French door credit score, French door credit score.
(回り縁、腰壁、回り縁、腰壁、フレンチドア、信用スコア、フレンチドア、信用スコア。)
Claire: You warming up for a big showing?
(大事な内見に向けて準備運動?)
Phil: Very big.
(すごく大事なやつさ。)
Phil: I finally found Pepper his dream house.
(ついにペッパーの夢の家を見つけたんだ。)
Modern Family Season10 Episode14 (We Need to Talk About Lily)
showing は、不動産業者が買い手に物件を案内して見せる「内見」を指します。アメリカでは、買い手が自分の側の業者と組み、業者が売り手側と日時を調整して内見に付き添う形が一般的とされます。誰でも予約なしで見学できる open house とは区別されます。
フィルが繰り返す語は、内見で話題になりやすい言葉です。crown molding は天井と壁の境目に付ける装飾の回り縁、wainscoting は壁の下半分に張る腰壁、French door はガラスをはめ込んだ扉を指します。credit score は個人の信用の点数で、住宅ローンの審査で参照されることが多いようです。
Claire: I can’t believe you’re still letting that man waste your time.
(まだあの人に時間を無駄にさせてるなんて、信じられない。)
Claire: How many houses have you shown him?
(これまで何軒見せたの?)
Phil: Pfft, only, like I don’t know, like, uh, 120.
(ふん、ほんの、えーと、分かんないけど、120軒くらい?)
Phil: But we have fun.
(でも楽しいんだよ。)
Phil: He’s a hoot.
(あいつ、最高に面白いんだ。)
Modern Family Season10 Episode14 (We Need to Talk About Lily)
show someone a house で「人に家を見せる」になり、内見の回数を数えるときにも使われます。クレアの質問は現在完了形で、「これまでに何軒見せたのか」と積み重ねた数を尋ねています。何軒見て決めるかは人によって大きく異なり、決まった目安があるわけではありません。フィルは He’s a hoot.(面白いやつだ)と答え、120軒という数を苦にしていない様子を言葉で示しています。
「check every box」と「zoned for」で条件を確かめる
クレアは、ペッパーが家を買うとは思っていません。
Claire: Honey, even Mitch and Cam agree that he’s impossible, and he’s never gonna buy a house.
(ねえ、ミッチとキャムでさえ、あの人はどうしようもないし、家なんて絶対買わないって意見よ。)
Phil: Yes, he will.
(いや、買うさ。)
Claire: No.
(買わない。)
Claire: He always manages to find something wrong.
(いつも何かしら難点を見つけるじゃない。)
Claire: The last house, the yoga room was too close to the panic room.
(この前の家は、ヨガ部屋がパニックルームに近すぎるって。)
Phil: He was willing to live with that, but the property wasn’t zoned for his falcons.
(それは我慢するつもりだったんだ。でもその土地は、ハヤブサを飼える用途地域じゃなかった。)
Phil: This one today, though, checks every single box.
(でも今日の家は、条件を全部満たしてるんだ。)
Modern Family Season10 Episode14 (We Need to Talk About Lily)
家探しでは、買い手が部屋数や設備、地域などの希望を一覧にして業者と共有することがよくあります。こうした条件を一つずつ満たしていく様子を、英語ではチェック欄に印を付けるイメージで check every box と言います。single を入れると「一つ残らず」と強まります。
フィルの zoned for ~ は、土地の用途地域(zoning)と関わる言い方です。アメリカでは自治体ごとに土地の使い方を定めた決まりがあり、建てられる建物や、飼育できる動物の種類が制限されることもあります。内容は州や市によって異なるため、家そのものが条件に合っても、その地域のルールで見送るケースがあり得るということです。
ペッパーの希望には、ハヤブサを飼える土地という珍しい条件まで含まれています。一方で、ヨガ部屋とパニックルームの位置のように、間取りの細かな希望も find something wrong の対象になっています。manage to ~ は「どうにか〜する」で、always manages to find something wrong なら「毎回きまって難点を見つけ出す」という皮肉まじりの言い方として読み取れます。
「make an offer」と、見続けるという選択
内見先の家で、フィルは購入の申し込みを切り出します。
Phil: So, are you ready to make an offer?
(で、購入の申し込みをする準備はできた?)
Pepper: I don’t know, Phil.
(どうかな、フィル。)
Phil: Don’t know what, Pep?
(どうかなって、何がだい、ペップ?)
Modern Family Season10 Episode14 (We Need to Talk About Lily)
make an offer は、買い手が売り手に価格や条件を示して購入を申し込むことです。アメリカでは、業者が書面の申込書を整え、売り手が受け入れるか、断るか、条件を変えた counteroffer を返すか、という流れで進むと説明されることが多いようです。手続きの細部は州によって異なり、申し込みの前に資金の見通しを確認しておくことも大切だとされます。
フィルの Are you ready to ~? は、相手に決断を促す問いかけです。ペッパーの I don’t know を、フィルは Don’t know what? とそのまま拾い返し、何に迷っているのかを聞き出そうとしています。
ペッパーは乗り気になれないと答え、さらにこう続けます。
Pepper: Maybe we should see some more houses?
(もう少しほかの家も見たほうがいいかな?)
Phil: No problemo.
(問題ないさ。)
Phil: Um, did you want to look in another neighborhood or stay right here in Hell?!
(えーと、別の地域を探す? それともこの地獄にずっといる?!)
Modern Family Season10 Episode14 (We Need to Talk About Lily)
see some more houses は内見を続けること、look in another neighborhood は探す地域を変えることです。neighborhood は「近所、地域」で、学区や通勤の便など、家そのものとは別の条件で選ばれる単位です。家が気に入らなければ地域から探し直す、という選択肢があることも、家探しの英語として押さえておけます。フィルはここで声を荒らげ、このあと家を買ってほしいとペッパーに迫ります。
まとめ|内見から申し込みまでの英語
showing で物件を見て回り、check every box や zoned for で条件を確かめ、make an offer で申し込むという、家探しの流れを劇中の言葉で追ってきました。アメリカの住まい選びの段取りが見えてきます。
『モダンファミリー』のフィルの仕事ぶりを観ながら、不動産の英語に触れてみるのも楽しみ方のひとつです。
同じ回のほかのコラムでは、フィルとペッパーが友情を確かめ合う会話も取り上げています。


コメント