「That I can neither confirm nor deny.」に見る、答えにくい質問をかわす言い方と、その言葉を返す切り返し|『ホワイトカラー』S01E12で学ぶ英会話

『White Collar』コラム: 「That I can neither confirm nor deny.」に見る、答えにくい質問をかわす言い方と、その言葉を返す切り返し|『ホワイトカラー』S01E12で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回は『ホワイトカラー』シーズン1 第12話から、顧客の代理人を装ったニールが、ワインの取引を仲介するグレースに探りを入れる場面を取り上げます。聞き出したいニールと、明かせないグレースの攻防です。

質問を断る段階的な言い回しから、決まり文句の neither confirm nor deny、そしてその言葉を相手に返す切り返しまで、短いやり取りに会話の駆け引きが凝縮されています。

目次

「I can’t say.」から「neither confirm nor deny」へ

場所はグレースが営むワインセラーです。ニールはピーターに、顧客の代理人として彼女に話を聞くと申し出て、一人で店を訪ねています。保管庫を案内されたニールが、ボトルの持ち主について切り出します。

Neal: Who’s the collector?
(コレクターはどなたです?)
Grace: I can’t say.
(申し上げられません。)

White Collar Season1 Episode12 (Bottlenecked)

I can’t say. は「知らない」ではなく「立場上、言えない」という断りです。I’m afraid I can’t say. のように I’m afraid を添えると、申し訳なさがにじむ丁寧な断りになります。

このあとニールが、金曜に出品されるフランクリンのボトルの持ち主と同じ人物ではないかと重ねると、グレースは I can’t comment on that bottle. と返します。comment on は「〜について意見や情報を述べる」で、答えを拒む範囲を「そのボトル」に絞った断り方と言えます。

持ち主をめぐるやり取りがさらに続くなかで、グレースは次の一言で線を引きます。

Grace: That I can neither confirm nor deny.
(それについては、肯定も否定もいたしかねます。)

White Collar Season1 Episode12 (Bottlenecked)

neither A nor B は「AでもBでもない」で、confirm(事実だと認める)と deny(否定する)を並べることで「どちらとも答えない」という立場をはっきり示します。報道対応などで耳にする決まり文句としても知られ、はぐらかしていることを隠さずに断るのが特徴です。

語順にも注目です。本来は I can neither confirm nor deny that. となる文で、目的語の That を文頭に出しています。話題を先に示して「その件は」と区切る効果があり、会話でもよく見られる語順です。

同じ言葉を返す切り返し

グレースの線引きを受けて、ニールは Let’s be honest with each other.(お互い正直にいきましょう)と踏み込み、I know you’re brokering the sale.(あなたがその取引を仲介しているのは知っています)と手の内を明かします。with each other は「お互いに」で、一方的な追及ではなく対等な話し合いを持ちかける前置きです。broker は名詞なら「仲介人」、ここでは動詞で「仲介する」の意味で使われています。そこからの応酬です。

Grace: You shouldn’t.
(ご存じのはずがないのですが。)
Neal: If I didn’t, I wouldn’t be very good at my job, Ms. Quinn.
(知らなかったら、僕はこの仕事に向いていないことになりますよ、クインさん。)
Grace: Your client must be well-connected.
(あなたの顧客は、きっと顔が広い方なのね。)
Neal: That I can neither confirm nor deny.
(それについては、肯定も否定もできませんね。)

White Collar Season1 Episode12 (Bottlenecked)

You shouldn’t. は You shouldn’t know that. の省略で、「知っているべきではない」という意味です。

ニールの返しは仮定法過去の形で、If I didn’t(もし知らなかったら)の didn’t は直前の know を受けています。事実に反する仮定を使い、知っているのは当然だと言い切っています。

続く must be well-connected の must は「〜に違いない」という推量で、well-connected は「人脈が広い」です。顧客の正体を探る問いかけでもあり、ニールはそこにグレース自身の決まり文句をそのまま返します。同じ台詞がわずか数行で持ち主を替え、断る側と探る側が入れ替わるのが面白いところです。

使う場面は選びますが、冗談めかして That I can neither confirm nor deny. と返せば、答えたくない質問を角を立てずに受け流せます。

まとめ|断り方の段階と切り返し

I can’t say. と I can’t comment on 〜 の断り方、決まり文句の neither confirm nor deny、仮定法で受ける If I didn’t, 〜、そして同じ言葉を返す切り返しを見てきました。

探り合いの英語は、言わないことの伝え方に表れます。これからも『ホワイトカラー』と一緒に英語を楽しんでいきましょう。

このエピソードの他の場面の英語は、フレーズ記事やほかのコラムでも扱っています。

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